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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ 東京大賞典】堅軸だけど気をつけたい――オメガパフュームが抱える悪癖とは?

明日12月29日と言えば!そう、東京大賞典ですっ!

このレースは毎年必ず同じ日、つまり私にとっては冬休みの初日に当たるため、休暇の始まりを告げるとともに、1年間の競馬を締めくくる日に開催されるレースでもあるため、「仕事終わったぁ~」と一緒に「競馬終わったぁ~!」ともなる1年で唯一のちょっと不思議な日だったりもします。

「GⅠは全部書く!」と宣言して始まった2021年もこれが最後の更新です。今日は年末のご挨拶にかえて東京大賞典の予想を披露してまいります。

なんか整った感じ

まず注目すべきは、何と言っても前人未到のGⅠ4連覇がかかるオメガパフュームとなります。今年は川崎記念地方馬 カジノフォンテンに苦杯をなめたり、帝王賞では初めて大井で馬券圏内を外すなど、往年の勢いこそなくなった感じはありますが、前走 金沢で行われたJBCクラシックでは、大外を強引に捲り上げての2着と、地力の健在っぷりを見せつけてくれました。

いまにして思えば、川崎記念はコース形態からも追い上げづらい設定ですし、帝王賞はダノンファラオとカジノフォンテンが行き合ってしまい捲りのタイミングを逸してのものと考えれば、実力で負けたとは素直に言いづらいところもあり、馬自身に何かあっての負けではなかったと見做すなら、そこまで悲観することではないのかもしれません。

それに今回は春に種牡馬入りすることが決まっているオメガパフュームにとって、メンバー的にもかなり恵まれていて、テイオーケインズをはじめとするチャンピオンズカップの上位陣が出走してきておらず、得意とする大井で唯一ねじ伏せられたクリソベリルは現役を引退。地方馬もオメガパフュームに先着したことのあるカジノフォンテンは出走を回避し、出走してきているミューチャリー、ノンコノユメにしても、大井の舞台では逆転を許すとは考えづらく、過去3年と比べてもラクな相手関係になっています。

しかも入った枠も5枠9番と、外過ぎない外の枠を取ることができ、長くノビノビと脚を使う同馬にとって、おあつらえ向きの並びにもなっていることから、おそらく最後となる大井でのレースを有終の美で飾るのにいろいろと“整った”感はあり、オメガパフューム自身の状態、メンバー構成、枠順から普通に勝ち負けは堅いということで、軸としての信頼は持って良いと思われます。

オメガパフュームが負けるなら

勝ち負けには絡み、軸としての信頼は十分と言いましたが、オメガパフュームが確勝!とは正直言えない要素があります。それはオメガパフュームが持つ悪癖、これは有名な話ですがソラを使うということです。

ソラとは説明するまでもないかも?ですが、抜けだすとやめてしまうことを指し、オメガパフュームは結構その癖が強いと騎乗した騎手、調教師も新聞のコメントなどで明らかにしています。

そのため主戦であるミルコ騎手も、追い出しのタイミングにかなり気を使っていることが過去のレースからも見て取れるわけで、今回にしてもあまり強い先行馬がいないことから、騎手の想定よりも早く先頭に躍り出てしまう可能性は考えられ、過去3年よりメンバーが軽いことが、かえってソラを使うという悪い癖を誘発しやすくもなっており、追い出しのタイミングをひとつミスしてしまうと、強い決め手を持つ差し馬にあっさりかわされてしまう……、なんてことには注意しておかなければなりません。

また、逆に追い出しのタイミングを逸してしまうと、先行馬はあまり強くないとはいえ、逃げ切りを許したり、オメガパフュームより瞬間的な加速に秀でた馬にキレ負けしたりする芽が出てきてしまうため、実力は安定して抜けていても、乗っているミルコ騎手の立場に立てば、かなりプレッシャーのかかるレースになることは想像に難くありません。

勝ち目があるのは差し馬の2頭

お察しのとおり、軸としての信頼は十分ということで本命はオメガパフュームとなります。

ここからの印では、オメガパフュームについて、もう少し触れてこなかったことを書かせていただいた後、対抗以下、オメガパフュームに対し、勝ち目のありそうな馬、勝ち目はなくとも馬券には絡んできそうな馬を紹介してまいります。

◎ 5枠9番 オメガパフューム
まずはオメガパフュームについて触れてこなかったことを書くと、馬の実力におけるメンバー構成に恵まれただけでなく、馬のタイプ的にも恵まれた構成になっているんです。

というのも、今年のレースは先行馬が本当に少なく、逃げ馬はキャッスルトップ1頭のみで、明確に先行してくる馬もアナザートゥルースと、この構成ならタービランスくらい。上手くいけばこの3頭の後ろに着けることも可能なわけで、ポジションを上げていく際、捌く馬の頭数が少なくて済むのはオメガパフュームにとっては脚の減りを抑えるという意味で有利に働くことが予想されます。

それゆえにソラとの兼ね合いも難しくなるのですが、さすがに先行馬を捌いたあとで差されるにせよ、馬券の圏内を外すというのは、このメンバーではいささか考えられず、やっぱり軸としての信頼で本命はオメガパフューム1択といったところです。

 

〇 1枠1番 ロードブレス
対抗。すなわちオメガパフュームに勝ち目がある馬として、その筆頭にはロードブレスをあげたいと思います。

この馬はどんな激しい展開であっても、必ず脚は使いきってくれる馬で、馬群を嫌ったりというのもありません。そのため、1枠1番というのも前が詰まったらアウトですが、上手く抜け出してさえこれれば、オメガパフュームを内側からすくってくることもできるのではないでしょうか。

当然この馬にしても先行馬が少ないことはプラス材料ですし、早めに吹かしていく必要があるオメガパフュームに対し、直線までじっとしてズバっといくタイプのこの馬は、対抗に相応しい馬と言えるでしょう。

 

▲ 3枠5番 ウェスタールンド
この馬もタイプとしてはロードブレスと同様、馬群を厭うことなくどこからでも差し込める決め手があることで▲(単穴)としました。

ですが、ロードブレスとの比較でこちらを落としたのは、当初予定していたチャンピオンズカップを回避したことにあり、ここに間に合ったということは陣営がOKを出したことなので何とも言いませんが、一頓挫あったことは紛れもない事実であるため、いつもの脚を繰り出せない可能性もあるとみて、普通に走れば……、の▲としました。

 

△ 6枠11番 ミューチャリ―
どうでもいい話ですが、大体いつも買ってる馬です。でも……、前走だけは買ってませんでしたwww

そんなことはどうでも良く、ここからは基本オメガパフュームに勝ち目はないけど、馬券に絡む可能性はあるという視座で紹介していきます。

1頭目は前走 JBCクラシック地方馬念願の勝利を飾ったミューチャリ―としました。オメガパフュームに勝ってるんだからここも……!と考えても良かったのですが、こと地元であある大井だと、このレベルのレースでは捲りきれないことが多く、直線だけでは上位評価した馬に脚力で足らないため、今回はいつものように“よく追い込んで4、5着”以上はメンバー構成から可能性は高い!と踏んで、きちんと印を打ちましたが、ここでオメガパフュームに勝てるか?となると、おそらく難しいという見立てでいます。

あと、主戦ではあるものの御神本騎手に手が戻るのも実はあまり好感が持てず、吉原騎手のままならポジションを取って前を射程圏に入れる競馬も視野に入りましたが、御神本騎手では、いつもの後方からの捲りになってしまいそうな感じもし、それでは……、といったことも評価を下げた要因です。

 

△ 2枠3番 アナザートゥルース
前走みてもお分かりのとおり、この馬はいかに“砂を被らない”か!?が勝負の分かれ目となり、被らなければ良い粘りを持っています。

今回はそもそも先行馬が少ないため、おそらく被らずに先行できるとは思いますが、隣にいるキャッスルトップがちょっとイヤな並びになっていて、何が何でも!で出していくであろうキャッスルトップに対し、スタートでフタをされ、ほかの馬にも被せられるという最悪の事態も起きかねず、これを避けるべく自身も出していくと、序盤で脚を使い過ぎるリスクもあり、どちらに転んでもラクな序盤にはなりそうにありません。

もちろん最高のかたちとして想定されるキャッスルトップを行かせて、自分は番手でマイペースに、となれば、先行馬の少ないメンバー構成から、ここでも馬券圏内に残る目はあるとして△の二番手としています。

 

△ 2枠2番 タービランス
何度も言いますが今年のメンバー構成は何といっても先行馬が少ない!また、オメガパフュームが断然の存在としてマークを受けるという様相から、おそらく明確に先行するキャッスルトップとアナザートゥルースの後ろあたりにいるこの馬が、しれっとゴール板で3番手にいる……!なんてこともあるのではないでしょうか。

先ほどのソラの話もそうですが、オメガパフュームが自らレースをつくるのであれば、恐いのは先行馬の逃げ切りよりも、後ろから差されることにあるはずで、オメガパフュームと同じような位置の内側にいて、仕掛けを待ってもらえれば、圏内に残っている可能性はなくはないと考えられます。

 

☆ 3枠4番 キャッスルトップ
穴に推すキャッスルトップはひと言!「遮二無二に逃げてどこまでやれるか!?」です。

まさにジャパンダートダービーと同じパターンですが、先行馬のなかで最有力とされるアナザートゥルースに対し、並びの関係で優位な立場にあり、アナザートゥルースが上手に先行できず、この馬が後続を少し離すような逃げに持ち込めば、オメガパフュームには差されても、その後ろには差されず……、はあるのでは?といったところです。

 

+α 8枠15番 サンライズノヴァ
はっきり言って適性はまったく!ですが、大井は直線が長いということで、直線まで何もせず、最後だけ一気に追えば!もしかしたら?は、あるかもしれないため“当てたいから”抑える馬としてサンライズノヴァをあげておきます。

 

消 5枠8番 ノンコノユメ
消 7枠12番 クリンチャー
今回は見送った馬からも2頭紹介しておきます。1頭目ノンコノユメ。すごく好きな馬でいつもまで頑張る姿には頭が下がる想いですが、ロードブレス、ウェスタールンド、さらにはサンライズノヴァと比較して、さすがに脚力で劣るよなぁ~ということで泣く泣く消しに。

クリンチャーは近2走の内容があまりに悪く、止まっているというより辞めてしまっている感が強く、前走は川田騎手の“闘魂注入”でも動かなったとなると、距離は延びて良い方向になるとは思うものの……、もう7歳の暮れにも差し掛かり競馬が好きじゃなくなっちゃったのかな?という見方ができるため、見送りとしました。


オメガパフュームから買うのに印回しすぎじゃない?と感じるかもしれませんが、買い方としては◎のオメガパフュームをアタマに、〇ロードブレスと▲ウェスタールンドを2、3着に固定する3連単を中心にいくつもりなので、△以下を3列目として、結果プラスが少しでも出れば!という馬券で勝負したいと思います。

これで2021年の更新はおしまいとなります。全国11人のhanakotaファンの皆さんをはじめ、読んでくださった方々のおかげで1年間GⅠだけですが完走することができました。

いつも読んでくれている皆さん、本当にありがとうございます。

来る2022年は、もう少し更新の頻度も上げ、GⅠだけでなく注目の重賞レースも書けるときは書いていきますので、来年も引きつづきご愛読いただけますと幸いです。

そんなわけで新年最初の更新は、1月5日に行われる東西金杯の予想をお届けしますので、1月4日の夜にでもお会いできればと思います。

来年こそ!「全国1000万人のhanakotaファンの皆さん」と言えるよう、予想もブログも精進してまいります。良いお年をお迎えくださいませ。