hanakota horse club

中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ ジャパンカップ】私的考察!コントレイルは強いのか……?問題

さて、明日はジャパンカップです。今年は4世代のダービー馬が顔をそろえたことや、それなりに名のある外国馬が参戦してきたことにより、話題という意味では、例年以上にトピックが多いレースとなりました。

しかし、注目はやはり!何と言ってもコントレイル。前走 天皇賞・秋では、エフフォーリアの前に一敗地に塗れたとはいえ、ラストランとなるここは是が非でも!何が何でも!三冠馬としての沽券を保ちたいところでしょう。

今日は競馬くらい“しか”やることのなかったコロナ禍に光を射した三冠馬 コントレイル
の強さ、勝てるのか?勝てないのか?を中心に、レースの行く末を占っていきます。

コントレイルは“普通の”一流馬

コントレイルの長所をひと言で言えば、それはスピードとなるかと思います。しかし、この馬の強さは?と問われれば、スピードのひと言で片付けるには「いささか早計」といったところでしょう。

それはコントレイルが苦戦を強いられた、もしくは適性の向かない舞台で示してきたパフォーマンスが物語っており、自身には向かない舞台設定だった皐月賞菊花賞をもぎ取ったことはもちろんのこと、体調が整わないなかで出走した昨年のジャパンカップや、極悪馬場となった今年の大阪杯といった恵まれない条件のなかでも格好はつけた走りはみせていて、これができる時点でコントレイルは一流の競走馬と言って差し支えなく、強さは?と問われれば、「圧倒的なスピードは持ちつつも、どんな条件でもしっかり走ること」となります。

しかし、どんな条件でも一定に結果を残せるということは、逆に何かに秀でた馬には肉薄されたり、先着を許したりするわけで、それは昨年のジャパンカップ以降の成績を見れば一目瞭然。コントレイルが先着を許した馬というのは4頭いて、アーモンドアイは、タイプ的には同じような馬ながら格が一枚上手。今年の大阪杯でコントレイルに先着した2頭、レイパパレ、モズベッロは、名うての道悪巧者。天皇賞のエフフォーリアは、自身の出負けが響いたこともあるにせよ、良い脚を長く使うという点で、それぞれがハマるかたちになれば、持っているポテンシャルは一級品の馬たちであり、それならば仕方ない……?とみなして良いのかもしれませんが、コントレイルの持つ“無敗の三冠馬”という看板は、それを許してもらえるものではなく、ゆえにコントレイルの強さというのは、少し見えづらいところもありました。

ですが、見た目にはバテた?感じもあったものの、前走の上がりは自身最速となる33.0を初めて背負った58kgで出しており、やはりどんなかたちであれスピードが活きる条件で走ることができれば、“普通に”一流馬のそれと言えるパフォーマンスは健在どころか、年齢のとおり完成期に入っているとみて良いでしょう。

でも、それでも……!クラシックという求められる適性がまったくことなる3つのGⅠをすべて制した適応能力の高さゆえか、同世代は跳ね返せたにせよ、古馬になってからは、それぞれの舞台における一芸に秀でた馬に先着を許していることは紛れもない事実であり、ここにきてスタートの不安も顕在化してきたとなれば、能力は過去の名馬に引けを取らないにしても、どんな舞台、条件でも、古馬になってからも勝ち続けた歴代の名馬のような超一流の強さを持った馬ではなく、あくまで“普通の”一流馬というのが、ここにきてのコントレイルの見立てとなります。

実は恵まれた一戦

スピードが一番のウリだけど、適応能力は高く、だからこそ何かに毎回やられる……。コントレイルをこのように見立てたとき、東京 2400mという舞台、現在の馬場にマッチした一芸に秀でた馬は何か……?次はここに焦点を当てて話していきましょう。

いまの東京競馬場の馬場コンディションは、先週Cコースに替わった時点では、時計の出方がBコース終盤よりも改善され、高速と言って良い水準になっていました。ですが、土曜日の芝のレースを見てみると、先週につづきラチ沿いはキレイな状態を維持しているものの、時計は少し掛かっている印象で、さすがに開催最終週ということで、ちょっとタフ寄りな条件に変わったのかな?というところです。もちろん、今開催は比較的天候にも恵まれていたため、タフになったとはいえ、高速の一歩手前くらいの時計勝負にはなるとみて良く、しっかりしたスピードは持っていたいところです。

なので、コントレイルを倒す馬がいるか?を探す前に、まずはコントレイル自身にとっても、今回の条件は恵まれたものあること。ここ忘れてはならないこととして抑えておきたいポイントです。

で、条件的にコントレイルに勝る馬はいるのか?と言えば、コントレイルと同様、スピードに長けた馬が該当するわけであり、それはもうご存じのとおりシャフリヤール1択となります。まあ世間一般の見方と同じではありますが、東京の速い馬場で良馬場開催なら、コントレイルの勝ち負けはまず確定的とみて良いでしょうし、シャフリヤール以下は、天皇賞と比べるとかなり層が薄く、メンバーレベル的にもコントレイルにとって恵まれた条件となったことは否めません。つまり、先週のグランアレグリアと同じく、引退レースに向け、いろいろが嚙み合ったのがここ!という感じはあり、あとはエフフォーリアがそうであったようにシャフリヤールもまた成長し、すでにコントレイルを上回る実力をつけてしまっていなければ……、加えて、懸案のスタートが決まってくれれば……、結果もグランアレグリアと同様、有終の美を飾ることができるのでは?と思うところです。

3着候補は実質“2択”

今日はここまでほぼコントレイルと、ちょっとシャフリヤールの話しかしてきませんでしたので、印では2頭以外の馬にも触れながらいきたいと思います。馬券的には3頭目がポイントになるレースでもありますので、その辺を厚めに書いていきますね。

◎ 2枠4番 シャフリヤール
ここまでコントレイルについてあれやこれやと書いてきましたが、本命はこっちです。というのも、今回コントレイルが入った1枠2番は、単体でみれば良い枠ではあるものの、シャフリヤールはそのコントレイルをすぐ近くの外でマークしながら、進める内枠をゲットしたからで、コントレイルが発馬を決めたとしても、スタートでコントレイルよりは信頼のあるこの馬が、がっつりマークしながら進めることができますし、また出負けしたときは、3歳馬の軽い斤量も活かし、先に出し抜けを食らわせるにはうってつけの並びに入ったことが何よりとなります。

前走の内容が内容なだけに、エフフォーリアほどの上昇度は見込めないかもしれませんが、ダービーでそのエフフォーリアをハナ差抑えた瞬発力を発揮することができれば、これもエフフォーリアと同じく、“コントレイルに引導を渡した馬”として、今後の競馬界を牽引していく存在に上り詰めることでしょう。

 

〇 1枠2番 コントレイル
対抗はもちろんコントレイルです。先ほども述べた通り、今回のメンバーはシャフリヤールを除きこの馬に勝てる見込みの馬は出走してきておらず、コース、馬場、枠順すべてがようやく整った舞台となります。

しかし、スタートで後手を踏むリスクは明らかに存在しており、シャフリヤールがもっと恵まれた並びにいることで、ここも負けて強しの敗北を喫する可能性は“五分はある”とみて、もちろん適性をほぼ同じくするシャフリヤールとなら、地力で勝る可能性はありますが、スタートからの展開で下手を打つ可能性もあるということで、本命ではなく対抗としました。

 

△ 4枠7番 オーソリティ
今日も勝つ馬はシャフリヤールかコントレイルのどちらかということで、以下は△と☆になります。その△の1頭目オーソリティとなり、ルメール騎手騎乗で2頭に次ぐ人気となっており、馬券的な妙味という点では最もつまらない馬となります。しかし、前走は相手が弱すぎるとはいえ、その弱すぎる相手に段違いの地力は誇示できており、重賞全3勝をあげている東京競馬場、しかも2400mの舞台であれば、そう崩れることは鞍上込みでなかなか考えられません。

これまで間隔を空けて使ってきた馬の初めての中2週なので、そこだけはやってみないとわかりませんが、オッズのとおり素直な3番手として△の1頭目オーソリティとしました。

 

☆ 6枠11番 シャドウディーヴァ
いつもなら△を何頭か紹介してから☆(穴)の紹介ですが、今回はオーソリティ以下の△が、「当てたいなら買う」くらいでしかないため、先に穴で期待しているシャドウディーヴァからいかさせていただきます。

この馬を推す理由は前走 府中新馬ステークスでみせた豪脚はもちろんなのですが、ちょっとタフめだけど、決め手は必要となる、まさにいまの馬場みたいな条件がぴったりな馬で、東京競馬場での成績も前走含めなかなかに良いものを持っています。それでもいままではワンパンチ足りない感じがあったのは確かですが、終いに賭ける競馬で、奥手のハーツクライの血が湧き立てば!高配当に使者となる資格はあるとみて、馬券的には大きく期待したい1頭です。

 

△(当てたいなら買う)サンレイポケット、アリストテレス、ユーバーレーベン
ここからはまとめてしまいますが、この3頭はどれかの馬券には組み入れるものの、あくまで“抑えの抑え”となります。とくにアリストテレスとユーバーレーベンは、上がりが掛かるスタミナ戦で力を発揮する馬であり、よほど展開がそうならない限りは、ここで馬券になるのは難しいと思われます。

またサンレイポケットにしても、前走は上位3頭に次ぐ4着と力のあるところはみせたものの、実はかなり上手に立ち回ったことは忘れてはならず、今回は外めの枠に入ったことで、あそこまでのハマった競馬ができるかは怪しいところ。ここで名前をあげた3頭のなかでは最上位の評価はしていますが、シャドウディーヴァほどは評価はしていません。


印としては△(当てたいなら買う)までの7頭で、◎と〇をどう組み合わせるか、△と☆をどこまで馬券に入れる込むか、この2点が勝負の分かれ目かな?といったところです。
なお、ジャパンカップなので外国馬に触れておくと、大前提としてタフになったとはいえ、時計の出方としてはヨーロッパの馬が対応できるレベルにはなく、そうなるとさすがに名の通った馬が来日してきたとはいえ、素直に日本馬だけで決まるとみています。

今日はコントレイルを中心にジャパンカップを展望してきましたが、コントレイルは私にとって、ここ最近のトップホースで唯一生で見たことがない馬でもあります。これもコロナ禍ゆえのものなんですが、そんなコロナ禍においても、競馬くらい“しか”やることがなかった時期に無敗の三冠をみせてくれたコントレイルには感謝しつつ、結果はどうあれ、明日もテレビの前で最後の雄姿を見届けたいと思います。

最後に次回のお知らせです。来週はチャンピオンズカップの予想をお届けする予定ですが、ちょっと土日で名古屋の方へ行かねばならず、更新が遅れる、簡易的なものになる、もしくはお休みをいただく可能性があります。全国に11人(先日ほかに3人いることが判明しました)いるhanakotaファンの皆さん、もしかしたら来週はお会いできないかもしれませんが、再来週の阪神ジュベナイルフィリーズからは年末の東京大賞典まで駆け抜けますので、2021年も最後までどうぞよろしくお願いいたします。