hanakota horse club

中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ マイルチャンピオンシップ】祝!流行語大賞ノミネート!

――それではグランアレグリアさん、よろしくお願いします。

グランアレグリア(以下、グ):はい。よろしくお願いします。

――まずは前走、天皇賞を振り返っていただけますでしょうか。

:はい。去年のマイチャンピオンシップを勝って、今年の目標を2000mのGⅠに設定して1年取り組んできました。結果は残念でしたけど、春の大阪杯も含め、私が2000mの舞台でできるパフォーマンスは、与えられた条件のなかで発揮できたと思っています。

――当初は天皇賞のあとは香港へ、との話もありましたが、こちらへの出走になったことへはいかがでしょうか。

:はい。皆さんもご存じだとは思いますが、蹄に少し不安があって、香港の厳しい出走前の検査をパスできない可能性が無きにしも……、ということで。藤沢先生、スタッフの方々と相談して、中2週になるマイルチャンピオンシップでも問題ないということで出走を決めました。

――中2週というのはいかがでしょうか。

安田記念と同じということで、ご心配もあるかと思いますが、体調自体は問題ありませんし、調教についても組んでもらったメニューをしっかりとこなせてきています。

――ということは、連覇のかかるレースとなりますが、自信はあると……。

:もちろん競馬ですし、今年は楽しみな後輩の3歳馬たちも多く出走してきます。けど、私のパフォーマンスをしっかりと出すことができれば、結果はそれなり以上についてくると思っていますし、そのための準備はしてきているつもりです。

――では最後に、レースに向けてひと言いただけますでしょうか。

:はい。まずはこのレースで私は競走馬としての役目を終えることになります。2歳の6月にデビューさせていただいて以降、藤沢先生、厩舎スタッフの方々、ずっとパートナーを組んでくれたルメール騎手。それからファンの皆さんへの感謝を込めて走り切りたいということ。

そのうえで皆さんへ最高の結果をお届けできるよう、精一杯レースでは私の走りをしたいと思っていますので、最後まで応援していただけるとうれしいです。ありがとうございました。

――グランアレグリアさんでした。ラストラン、本当に期待しています。ありがとうございました。

 

と、グランアレグリアが言ったのか?言ってないのか?はともかく、希代のマイル女王 グランアレグリアの引退レースとなったことで一躍、注目度バク上がりとなった今年のマイルチャンピオンシップ

グランアレグリアのコメントにもあったように、例年以上に骨っぽいメンバーが揃った3歳勢を中心に、現在のマイル界の顔役は一応に出そろった感のある好メンバーが集まりました。

今日はグランアレグリアを中心に、このマイルチャンピオンシップを占ってまいります。

舞台はすでに整った……?

今年のマイルチャンピオンシップは、兎にも角にも出走してくるならグランアレグリア!ここを論ぜずにはレースの展望とはいきません。

では、今回グランアレグリアにとって、このマイルチャンピオンシップはどんなレース、というかどんな条件であれば良いのか?ということを考えてみたいと思います。

まずは春もラストはとんでもない脚を使ったとはいえ、安田記念ではダノンキングリーの2着に甘んじたように、中2週、しかも今回は阪神競馬場への輸送、この馬にはやはりベストではなかった2000mのレースを使ったあとでのもの……、というのはネックでしかありません。

しかし、グランアレグリアウマ娘のように話すことはできなくとも、藤沢 和雄調教師が出走にGOを出しているのであれば、100点満点とはいかないまでも勝負になるパフォーマンスはしっかりと出してくることは、同師の方針からも想像することはでき、安田記念のときのような不利を被るといったことがなければ、勝ち負けはしっかりしてくると考えられます。

加えて今回は入った枠も相当によく、安田記念のときのように傷んだ内の馬場を走らされるといった不安は、まず考えなくて大丈夫な枠、そして並びに入ったことも大きな安心材料となります。

さらに、週中くらいまでの天気予報では、雨が予報されていた阪神競馬場の天気が、直前になり好転することになり、これを書いている土曜日の夜の時点でもその予報は変わっておらず、レース前後の降水確率は10%!やはり渋ると……、なグランアレグリアにとっては、ラストランを飾るに相応しい条件が、ここにきてようやく噛み合ってきた感があります。

もちろん、グランアレグリアが言っている(どこまでやるんだ?)ように、競馬である限り何が起こるかは、ゲートが開いてみないことにはわかりませんが、“グランアレグリアが普段のパフォーマンスを出せる状態にある”ことを前提としてた場合、馬場や枠順、天候を考慮した際の好走条件は、100点満点に近く揃っていることは認めてしかるべきでしょう。

グランアレグリア以外の馬の見立て

ここからは、レースの予想としては気になる「グランアレグリアに対抗し得る馬は?」について論じていきましょう。

率直に言って、グランアレグリアを地力でねじ伏せることができるとすれば、シュネルマイスター1頭のみだと思っています。これはトーナメント的な話になってしまうものの、NHKマイルからの強行軍だったにも関わらず肉薄した春から、秋初戦の毎日王冠では、春に屈したダノンキングリーを56kgできっちり仕留めており、その次は当然、格としてはグランアレグリアがターゲットになるわけで、その資格を持つに相応しいパフォーマンスは、ここまでのレースで実証できています。

しかし、シュネルマイスターにとっては初めての関西遠征になることや、入った枠が2枠3番ということで、いまの内が“死んでいる?”状態の阪神では、脚力を発揮できるところを走れない可能性は展開次第ではあり得る話であり、地力はグランアレグリアに挑戦できるレベルを保持してはいるものの、条件的にグランアレグリアが相当に恵まれていることに対し、シュネルマイスターは、実力を発揮するには、それなり以上にある条件をクリアする必要があると言わざるを得ません。

なお、そのほかの馬については、3歳馬はともかく、インディチャンプ、サリオスなどの古馬勢は、グランアレグリア比較ですでに勝負づけは済んでおり、シュネルマイスター以外の3歳馬は跳ね返せたとしても、シュネルマイスターにも、ダノンキングリーを物差しにすれば、地力ベースで抜かれていると算段して良く、グランアレグリアに“何か”あったとき以外で、グランアレグリア、加えてシュネルマイスターに先着することは難しいと思われます。

“何か”は予想の範疇にない!

では、ここからは印です。本命、いや、今日は対抗まで丸わかり状態ですが、本命 グランアレグリアから、対抗 シュネルマイスター……、以下、☆(穴)まで、1頭ずつ紹介していきます。

◎ 6枠12番 グランアレグリア
理由はもうほぼ述べている通りですが、今回は好走、というか勝てるための条件がほぼパーフェクトに揃っており、あとはグランアレグリア自身が冒頭のインタビューでもあった通り、普段のパフォーマンスが出せれば、勝ち負けには確実に絡んできてくれると思います。

もちろん、不安がないか?と言えば、ウソになりますが、“一勝より一生”の藤沢 和雄調教師が送り出してくるのであれば!また、状態面で……、であったとしても、そこはレースをしてみなければ分からないことであり、信じると決めたら信じてみたいと思います!

 

〇 2枠3番 シュネルマイスター
これもほとんど理由は述べた通り。今回地力でグランアレグリアに太刀打ちできるとすれば、このシュネルマイスター1頭であるということに尽きます。

しかし、太刀打ちするために必要となるさまざまな好走条件が、グランアレグリアにはほぼ100点満点に揃ったことに対し、枠順、初めての関西遠征など、ケチを付ける項目はこちらにむしろ集まっており、それでもなお、すでにグランアレグリアを凌駕する実力が伴なってきているのであれば!ということで、半ば宣言通りの対抗評価としました。

 

△ 7枠13番 ダノンザキッド
今日は“勝つのはグランアレグリアかシュネルマイスターのどちらか”という決めのもと、▲はなしで、以下は△と☆になります。

で、△の一番手としたのはダノンザキッド。前走 富士ステークスは、着順こそ物足りなさを感じる4着ではありましたが、終始掛かりっぱなしで、これまた終始外を回ってのもの。今回も外枠に入りましたが、いまの阪神の馬場は明らかに馬場の外めの方が走りやすく、元々2000mもこなしていたことを考えれば、この枠はグランアレグリアと同様、悪くないと考えることができます。

あとは、長期休養明けの2戦目ということで、いわゆる“2走ボケ”だけは心配なので、あくまで相手の上位評価という感じでいます。

 

△ 5枠9番 グレナディアガーズ
圧倒的なスピードで衝撃的な勝ち方をした昨年の朝日杯FSの覇者。元々の見立てでは適性がスピードに寄り過ぎているため、あまり評価はしていなかったのですが、土曜日の競馬を見ていると、外めであればスピードは活かせるようで、この馬のスタミナでも外を通せば何とかなると思われます。

主戦の川田騎手がダノンを選んだということで、ダノンの方を上に取りましたが、スピードを活かせる外に出しやすそうな並び関係から侮ることはできない存在ということで△の2頭目にしました。

 

△ 2枠4番 サリオス
馬場適性だけなら大チャンス!なんですが……、それでも内枠に入ったのは機敏に動くのが苦手がこの馬には不利な条件と言わざるを得ず……、力の要る馬場への適性はみせたとしても、外の馬に交わされるシーンは容易に想像がつく……、というのが今回のサリオスの評価となります。

ほぼ消しみたいなコメントになってしまいましたが、状態は良さそうなことと、馬場適性で圏内には何とか……、の可能性はあるとみて抑えておくっていう感じです。

 

△ 4枠7番 インディチャンプ
この馬も安田記念のパフォーマンスを見る限り、年齢的な衰えには勝てない感じはあり、自分の競馬をしっかりしての4着は物足りなさを感じざるを得ませんでした。

それを考えると、今回も立場としては“この馬より上位の印の馬に何かあれば”までの存在でしかなく、サリオスが抑えなら、インディチャンプは“抑えの抑え”といったところです。

 

☆ 6枠11番 カテドラル
いまの阪神の馬場は、先週ほどではないにせよ、“先に脚を使った者の負け”感が強く、最後の最後まで脚を残しておくであろう、というか良い脚が本当に最後の一瞬だけなんですが、そういう馬がハマる展開は容易に起こる馬場であることは間違いありません。

ということで、追い込み馬のなかで、脚が一番確実なカテドラルを☆評価とし、馬券に組み込んでおこうと思います。


今日は『ウマ娘』が流行語大賞にノミネートされたこと、あと安田記念の回でもグランアレグリアのインタビューやったなあ……、ということで、グランアレグリアさんにも登場していただきつつ、マイルチャンピオンシップを展望してまいりました。

来週も三冠馬 コントレイルのラストランが控えていますが、またインタビューをやるのか?はさておき、いよいよ競馬界もさびしくも、胸熱くなるクライマックスが近づいてきた感じですね。

ということで今日はこの辺で。来週は、コントレイル中心にジャパンカップを占っていきますね。

最後に余談。これも安田記念のときに話ましたが、グランアレグリアウマ娘に例えるなら、藤沢 和雄厩舎なのでタイキシャトル!ではなく、タイキシャトルはポップ過ぎるので、そのスピードを評して“スーパーカー”と称されたマルゼンスキーを、グラマラスなボディも併せイメージしてます。

 

タイキシャトル| ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト|Cygames

https://umamusume.jp/character/detail/?name=taikishuttle

マルゼンスキー| ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト|Cygames

https://umamusume.jp/character/detail/?name=maruzensky