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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ 皐月賞】センスなし男の本気の本気!

しんしんと、ときに強い南風に乗せられ降りつづく雨のなか、今日は明日行われる皐月賞を予想します。

先週、先々週(その前もか……)と、“センスなし男”状態ではありますが、今週は気持ちも新たに!本気の本気で今年の牡馬クラシック戦線をも占ってまいりましょう。

馬場は乾いたとて……

まず何と言っても気になるのは馬場状態。中山競馬場のある船橋市の天気は、いま降っている雨は明け方前には止む予報となっており、競馬が始まるころにはすでに晴れ、それなりに馬場は乾いてくるものと考えられます。

しかし、今日の芝のレースを見る限り、9Rにあった芝 2000mの3歳1勝クラスが2:01:00ということで、極端に時計が掛かっているわけではないものの、普通なら先行して上位に残れそうな感じの馬が、後ろからしぶとく伸びてくる差し馬に、あまりにあっさりかわされたあたり、馬場の内側はかなりタフな状態になっていることが想像でき、ベースの馬場状態は内が傷んだ時計がちょっと掛かる馬場くらいなイメージで良いのかと思います。

明日はここに、いま降っている雨が大なり小なり影響し、土曜日よりさらにタフなコンディションになることを考えれば、前提として時計は掛かりめ、つまり速く走ることが難しい馬場となり、外有利の傾向にも一層の拍車が掛かっても不思議でなく、スピードよりも、むしろスタミナに適性が求めれらるレースとなる公算が高いとみています。

スタミナ適性の見極め

ここからは、レースで求められるスタミナのある馬はどれか……?に話を移していきましょう。普通2000mでスタミナのある馬と探しなさい、となったとき、第一にわかりやすいポイントは「2000mより長い距離での実績」となるのではないでしょうか?

でも、それが通じないのがこの皐月賞というレースで、たしかに2000mより長い距離を経験したことのある馬は3頭おり、このうちディープモンスターは、リステッドのすみれステークスを勝っています。

が、しかし、このすみれステークスがまさに、なのですが、この時期の3歳限定の長距離レース(ここでは2200m以上のレースをそうします)は、十中八九少頭数、しかもスローペースの上がり勝負になるレースがほとんどで、スタミナというより、加速力にものを言わせる馬が勝つケースが多く、ディープモンスターもドンピシャでそのクチと言えます。

では、求められるスタミナ適性はどこに求めるべきか?それはやはり、各馬の距離実績よりも、トライアルをはじめとした前哨戦から読み解くしかない、ということで、その前哨戦の内容を加味した、この舞台でこそ!の馬を印に沿って紹介します。

◎ 3枠5番 ヴィクティファルス
結果そうなることが多いのですが、本番であるここ皐月賞と同じ舞台で行われる弥生賞や、近年すっかり出世レースとして定着した共同通信杯は、世代のトップランナーたる馬が出走してくるケースが多く、それゆえに少頭数・スローのトライアルらしいトライアルになりがちです。

対して、このヴィクティファルスが出走したスプリングステークスは、れっきとしたトライアルではあるものの、先にあげた2つよりはメンバーレベルが落ちることが多く、だからこそ皐月賞への権利を賭けた激戦になりやすいレース。しかも今年は重馬場での開催でもあったことから一層レースにタフさが加わったものとなりました。

その意味で、ここを正攻法で勝ったヴィクティファルスは、素直に今回の条件に適した存在として評価して良く、少し枠が内めなのはマイナス材料ではありますが、予想される消耗戦的なレースとなれば、キレ味の差で屈したエフフォーリアにも一矢報いることができるのではないでしょうか。

〇 4枠8番 ダノンザキッド
弥生賞の負けは褒められたものではありませんが、逆にやることは明確になったのではないかと思います。やはりこの馬、高いレベルでのキレ味勝負にはあまり強くなく、勝ったホープフルステークスしかり、自分から早めに動いて押し切りを図る競馬がカタチなんだと思います。

道悪への適性は読めない部分もありますが、今回は自分のカタチをきっちりやってくれるだろうこと。そして、それができれば上位にくる可能性が高い1頭であることに間違いはないということで、この馬を〇(対抗)とします。

▲ 2枠3番 ステラヴェローチェ
これも前走 共同通信杯の内容だけをみればサッパリ……。けど、道悪を苦にしなかったサウジアラビアRCであったり、しぶとく脚をつかってマイルのスピードにも対応した適応力の高さは世代でも上位にあり、道悪巧者の多いバゴ産駒でもあるため、もしかしたらアタマまで!?の存在として鞍上・厩舎の勢いも買って。

△ 4枠7番 エフフォーリア
あくまで“いまのところ”ですが、ダービーはこの馬に本命を打つつもりでおり、だからこその△一番手となります。というのも共同通信杯で魅せた東京競馬場におけるパフォーマンスがあそまで突出したものであったことは、真逆の適性が求められる中山では……、となり、良馬場であれば、能力で何とかしてしまうことも考えましたが、雨の影響がそれなり以上にあったときはパフォーマンスを落としてしまうことが想定されるため、ここではこの評価に留めました。

△ 8枠15番 グラティアス
京成杯の勝ち馬ではあるも、レベル的にどうか……?はたしかにあります。けど、入った枠順が良く、心配されるタフなながれに巻き込まれる心配があまりなく、しぶとく脚を使える適性をマイペースに発揮できれば、勝つまではなくとも圏内にいても……、と思い抑えておこうと思います。

△ 7枠14番 アサマノイタズラ
ヴィクティファルスを本命にするなら、この馬も抑えておかなければいけないでしょう。前走は通った馬場を考慮すれば、もしかしたら道悪適性だけならヴィクティファルスよりも上かもしれず、明日の馬場状態がかなり悪いようなら、要注意の1頭です。

☆ 5枠9番 ラーゴム
これは個人的なイメージに過ぎないのですが、このラーゴムのようなまとまってるけど、ワンパンチ足りない感じの馬が皐月賞では穴を空けるイメージがあり、どんなレースに出ても一定のパフォーマンスは出すも、勝ちはしない……、この馬はきさらび賞を勝ってはいますが、基本的には善戦マンの穴馬であるとし、穴にはこれを推したいと思います。

ちょい足し 8枠16番 レッドベルオーブ
買うなら3連複フォーメーションの3列目だけですが、もし馬場が急速に回復しスピードが活きてくれば、この馬はかなり侮れないと思います。もちろん距離がどうか?が未知数であり、それも大外枠なので、苦しい立場ではありますが、万が一以上の可能性は持っている馬だと思います。

消 1枠1番 アドマイヤハダル / 3枠6番 ヨーホーレイク / 6枠11番 ディープモンスター
ディープモンスターについては先ほど触れましたが、アドマイヤハダルもヨーホーレイクも、ディープモンスターと同様、長い距離をラストの加速力だけで勝ってきており、雨の影響で速さを出せない馬場で、かつポジショニングも甘いこの3頭は、ダービーの穴馬的な感じここは静観としました。


さて、ここまでツラツラと綴ってきましたが、いま、雨が止みました……。ここからはもうほとんど降らないようなので、ここからどこまで回復するのか?それは明日の直前まで悩みに悩むこと必至ですが、いまのところの予想として、雨の影響がそれなり以上にあり、タフなコンディションでの一戦になるということで今日はこのあたりでお別れとしましょう。

馬券は本命 ヴィクティファルスからの3連複を中心に、対抗のダノンザキッドからのものも抑えようと思っています。