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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅢ 根岸S】“例年通り”の激流を制するのは

2022年も早いものでもうひと月が経とうとしています。と言うことは……、そろそろGⅠの足音なんかも聞こえてくるわけで、今日はその足音のひとつ、来月20日フェブラリーSへ向けた最重要ステップ、根岸Sを今年2回目の更新で取り上げてまいります。

 

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今年もまた、激流必至のメンバー構成に

この根岸Sというのは冒頭でも述べた通り、2月下旬に行われるGⅠ フェブラリーSへ向けたステップのひとつで、施行もフェブラリーSから200m短縮された東京ダートの1400mで行われるレースです。

そのため、普通にダートの1400mを主戦場にしている馬はもちろんのこと、JRAにはGⅠタイトルがない1200m路線の馬も「フェブラリーSの1600mまでならワンチャン……!?その前に試金石として1400mのここを……!」とばかり、実際のところ歯切れは悪くとも、毎年多数のスプリンターが参戦するレースとなっており、年が替われど、メンバーが替われど、十中八九ハイペースの激流からの差し・追い込み決着になることが相場となっています。

当然今年もご多分に漏れず、スピード自慢の短距離馬が多く出走してきており、出走馬のなかにはハナでなくとも、“ゼッタイに揉まれたくない!”クチのジャスティン、リアンヴェリテ、テイエムサウスダンらを含め、ガツガツ先行系の馬の数は枚挙に暇がなく、基本的な考え方としては、例年通りの差し・追い込み決着とみて良いでしょう。

差し・追い込みでも、どの馬を選ぶべき?

単に差し・追い込み優勢と言っても、どの馬を選ぶべきかは悩ましいところです。と言うのも、今週のダートはここ最近の晴天つづきに加え、凍結防止剤の散布も週中にあったようで、時計はやや掛かり目。つまり、直線でのスピードが出しづらい馬場となっているため、そのなかでも末脚を発揮できる言わば“決め手の絶対値”が高い馬でないと、期待通りの差し脚を繰り出せない可能性があります。

また、逃げ・先行馬が多く激流になるということは、ゴール目前で多くの馬が止まり、ラチ沿い付近に滞留することは想像に難くなく、末脚は持っていても垂れてくる先行馬を捌ききれず……、さらにパワーの要る良馬場――重くスパッとは動きづらい馬場が重なることで“前が壁!”の憂き目に遭うことも考えるなら、「中心視すべきはできるだけ外枠に入った差し・追い込み馬を上位評価するのが妥当」と言ったところでしょう。

決して悪くない乗り替わり

では、印へとまいりましょう。“差し・追い込み馬優勢”“差し・追い込みのなかでも決め手の絶対量があり、できるだけ外枠の馬”2つのポイントから、今回のラインアップはこちらとしました。

 

◎ 4枠8番 タガノビューティー
久々の重賞挑戦となった武蔵野Sでは、1枠1番が仇となり、まさに“前が壁!”で一敗地に塗れ、今回も特別外に入ったわけではありません。それでも、ここ最近は主戦を務めていた石橋騎手が、やはり勝ち味に遅い脚質ということがあってか、少しずつ位置を取るようになっていたり、地力が確かだからこそ強引に勝ちにいったりと、ちぐはぐな競馬をしてしまっていた感は否めませんでした。

鞍上にはテン乗りとなる津村騎手が迎えられましたが、かえってタガノビューティーの最大の武器である強烈な末脚を引き出すことにテン乗りだからこそ徹してくるはずで、このメンバー構成で馬券圏内の3頭のなかに差し・追い込み馬のイスが一席もない!なんてことはまず考えれられず、コンスタントに35秒台の末脚を使えるこの馬を本命に据えたいと思います。

 

〇 3枠5番 オメガレインボー
末脚の威力は申し分なく、ながれに乗っていなかったとは言え、カペラSで1200mに対応してきたことも、ここではプラスに働くことでしょう。加えてこちらの鞍上は主戦の横山 和生騎手に手が戻ることも好材料となります。

しかし、入った枠が枠であり、タガノビューティー、並びにソリストサンダーあたりに外の進路にフタをされ、先行馬の滞留に巻き込まれる可能性が否めず、そこを抜けてくることができれば、勝っておかしくない実力はあるも、評価としては対抗とさせてもらいました。

 

▲ 8枠16番 エアアルマス
ゼッタイに揉まれたくない馬なため、大外枠は大大大歓迎!しかもルメール騎手を確保できたということで、ザ・単穴的な人気になっています。私としても「まあ……、そうですよね」ということで、多くの方々と同じく、ザ・単穴でいきます。

 

△ 5枠9番 ソリストサンダー
実力は確かにある馬ですが、今回は器用さが少し仇になる可能性があると思っていて、ペースにある程度対応する(してしまう)ことで、終いが甘くなるのでは……?と考えるからです。

かと言って後方待機となると、末脚の絶対量でタガノビューティー、オメガレインボーには脚の持続力という点で少し劣るため、1㎏重い斤量も考慮し、△の一番手までとしました。

 

△ 2枠4番 スリーグランド
今回は多くいる徹底先行型の馬は1頭も買わない予定なのですが、先行“気味”の馬からは、この馬を抑えておきたいと思います。スリーグランドの長所は、ほかの馬にペースを握られたとしても、それに対応できる追走力と、そこからひと脚は短くとも使うことができる対応力にあり、ここでも行きたい馬を行かせたうえで、チョイと差すかたちがつくれれば、後ろの馬が差しあぐねたとき、順番が回ってくるものと考えています。

 

△ 6枠12番 タイムフライヤー
ここのところ“サッパリ”ですが、揉まれないであろう良い枠に入りましたし、ミルコ騎手が“走らせる”ことで一変があるのでは……?とみています。

ミルコ騎手が走らせてもダメだった場合、もう競馬が……、ということでしょうから、今後この馬を買うことはないと思いますが、ここはまだ走らされる可能性は無きにしも非ずといったところでしょうか。

 

☆ 2枠3番 モジアナフレイバー
地方とはいえ、ソリストサンダーと互角に戦っていたり、交流重賞でも中央のトップホースを向こうに回し善戦したりしています。

ここでは“前が壁!”をクリアする必要があり、東京の軽いダートでスピードに対応できるかは……、ではあるものの、「一介の地方馬と侮るなかれ」と差し込んでくるシーンはなくはない?的なところで穴にはモジアナフレイバーを推奨します。


ちょっと悩んだのは4枠7番 ヘリオスがパッと出て先手を取ったときでしたが、仮にパッと出たにせよ、ジャスティン、リアンヴェリテあたりは遮二無二追いかけてくるはずなため、どう転んでも主導権を取るのは難しいと思い、数多いる逃げ・先行馬からは1頭も買わないことにしました。

てなわけで今日は根岸Sをお題にブログでの予想となりましたが、今年から始めたTwitterでは、毎週の重賞レースを中心に本命・穴馬をツイートしています。

 

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次回のブログはもちろん!GⅠ フェブラリーSでいきますので、こちらでお会いするのは少し先となりますが、楽しみにしてお待ちくださいませ。

【GⅢ 中山金杯】新年のご挨拶とお知らせ

新年あけましておめでとうございます。

早速ですが、今日はお知らせから。

いま全国には11名のhanakotaファンの方々がいらっしゃいますが、今年からは11人と言わず、夢の“全国1000万人の”を目指し、Twitterを開設させていただきました。

 

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ブログの更新は時間との兼ね合いもあるため頻繁に行うことは難しいかもしれませんが、Twitterの方ではなるべく多くのレース予想をお届けしていきたいと思いますので、よろしければ是非!いいねやフォローをいただけますと幸いです。

では、2022年最初の更新!中山金杯の展望を行ってまいりましょう!

馬場は変わらず“内・前”有利で

昨年末からの中山開催は、もとい、傾向としては9月の開催から引きつづき、馬場は良好な状態をキープしたまま2021年の日程を終了しました。

今週から行われる2022年 第1回開催においても、年末年始期間の晴れつづきの天候からして、この傾向は継続されるものと考えて良く、加えてCコースへと替わることにより、先月からつづき“内・前”有利の傾向はそのまま継承されるものと考えて良いでしょう。

さらに付け加えるなら、多少なり傷みが出ていたAコース部分が仮柵でカバーされることにより、時計も速くなることが考えられるため、“内・前”有利な馬場状態を利して先行する馬、それに馬群の中を割ってこられられる鋭い脚を持った差し馬というのにも注目すべきとなります。

対して、外を回して大味に競馬をする長く脚を使うタイプの馬は、ここでは評価を下げるべき対象として考えることが妥当だと考えられます。

行き合っての“共倒れ”か、譲り合いからの”逃げ残り”か

次は展開を占っていきます。

今回出走するメンバーには徹底先行タイプの馬が多く、とくにロザムールとシャムロックヒルは、何が何でも行きたいクチであり、エリザベス女王杯はこの2頭が遮二無二行ったことで人気馬総崩れとなる波乱決着となりました。

ここでも女王杯のときと同様、当然行き合ってからの“共倒れ”は当然の結末として想定すべきことではありますが、双方の鞍上も同じ轍は踏むまいと戦法と替えてくる可能性もあると考えられます。

そうなると、メンバー構成的に先行馬が多く、一見ハイペースになると見込まれるなかでも、フタを開ければロザムールとシャムロックヒル、どちらかのマイペース逃げでスロー寄りのバランスで推移する……、なんてことも考え得る展開としてアタマの片隅には置いておくと良いでしょう。

どちらに転んでも自分の競馬を

今日の展望はあっさりめでしたが、ここからは印で各馬の解説をしていきます。

 

◎ 4枠7番 トーセンスーリヤ
トップハンデの57.5kgを背負いますが、この馬自身は重い斤量の経験が豊富であり、58kgの宝塚記念でも良い粘りをみせたこともあるため、そこまで心配はしていません。

それよりも本命に推した理由としては、ロザムールとシャムロックヒルが行き合うにしろ譲り合うにしろ、どちらに転んでも好位で自分のカタチを作れる競馬の上手さ買ってのもので、前がハイペースに気味に飛ばすなら、その後ろのポジションから早めに追って、ロザムールとシャムロックヒルのどちらかが譲り、スロー気味に進むなら、それもまた近くにいて自分で勝負を仕掛けていくカタチをつくって、と機動力が求められる中山の2000mにマッチした戦法が取りやすいことがあげられます。

加えて、騎乗する横山 和生騎手もこの馬に乗りつづけて手の内に入れているということも安心できる好材料となります。

 

〇 2枠4番 ヒートオンビート
対抗はトーセンスーリヤを負かすなら……、という視座で、トーセンスーリヤの仕掛けに合わせて動くであろう差し馬――そのなかからヒートオンビートを選びました。

脚質的にはこちらの方が勝ち目がありそうな感じもしますが、個人的にちょっと気になったのは、これまでどちらかと言うと2400m路線を中心に使われていた点にあり、長い距離の相手なら機敏な部類に入るこの馬も、スピードに勝る2000m路線の馬に入ると、少し機敏さで劣る可能性があり、そうなると差し遅れて圏外になる可能性がなくはないとみて、勝ち筋は当然あるけど……、の対抗としました。

 

▲ 4枠8番 レッドガラン
2000mのレースは久しぶりとなりますが、マイルではスピードで見劣るなか、逆にスピードが活きるこちらに回ってきたというのは侮れないと思います。

なぜなら、先ほども述べたとおり、想定される馬場はスピードが出やすいものであるため、距離は?ながらマイル戦で慣らしたスピードの素地がある馬はきちんと買っておきたいからです。

理想を言えば、もう少し内枠であれば本命までも視野に入りましたが、この枠からでもインに潜り込むことはできなくはないと思いますので、勝つところまでみえる単穴(▲)として推奨させていただきます。

 

△ 8枠16番 ウインイクシード
年が明けて8歳と、地力の衰えはあると思います。それでも中山でだけは昨年も好走できており、今回も大外枠とはいえ、逆に揉まれずに進められることがこの馬にとっては良い方向に働くと考えられます。

近走の内容などから、これ以上の評価はできませんが、適性のある舞台ということで△の一番手としました。

 

△ 5枠9番 ロザムール
△ 6枠11番 シャムロックヒル
評価するポイントは一緒なのでまとめてにさせてください。

先ほどから言っているとおり、この2頭は自分のペースで逃げられないと1円も要らないタイプですが、どちらかが行ききって、もしくは一方が譲って、となれば、どちらかが馬券に絡んでくる可能性はあり、どちらの方が強いか?と言われると判断がつけづらいところであったため、2頭とも同じ評価で△を打ちました。

 

△ 3枠6番 ヴィクティファルス
良い枠に入ったものの、馬群で競馬ができるタイプではないため、過度な信用はおけず……、消しに近い抑えといったところではあります。

しかし、クラシックを皆勤した経験値は、この馬以外に持っている馬はおらず、こうした経験を経て、終わってみれば馬群で競馬ができた!なんてことも無きにしも非ずか……、ということで、いつもは穴馬を紹介していますが、今日は△の4頭目というかたちで紹介させていただきました。

 

なお、印はここまでとしましたが、馬券には1枠1番のオウケンムーン、8枠17番のスカーフェイスを3連複の3列目に加えようと思っています。

この2頭を抑えておく理由は、前がトーセンスーリヤ以外全滅したときに、印の馬以外の差し馬で可能性があるとすれば!という見方があるからで、最内を味方にできそうなオウケンムーンと、決め手の鋭さならメンバー随一のスカーフェイスを組み入れるといった次第です。


これまでのGⅠ予想に比べれば内容は薄いものになってしまいましたが、今年はGⅠ以外のレースもこうしてたまにはアップしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

かわってTwitterの方では毎週何かしらの発信なりをしていこうと思っておりますので、参考になるお話が少しでも多くできるよう、今年も競馬をがんばって!楽しくやっていきたいです!

【GⅠ 東京大賞典】堅軸だけど気をつけたい――オメガパフュームが抱える悪癖とは?

明日12月29日と言えば!そう、東京大賞典ですっ!

このレースは毎年必ず同じ日、つまり私にとっては冬休みの初日に当たるため、休暇の始まりを告げるとともに、1年間の競馬を締めくくる日に開催されるレースでもあるため、「仕事終わったぁ~」と一緒に「競馬終わったぁ~!」ともなる1年で唯一のちょっと不思議な日だったりもします。

「GⅠは全部書く!」と宣言して始まった2021年もこれが最後の更新です。今日は年末のご挨拶にかえて東京大賞典の予想を披露してまいります。

なんか整った感じ

まず注目すべきは、何と言っても前人未到のGⅠ4連覇がかかるオメガパフュームとなります。今年は川崎記念地方馬 カジノフォンテンに苦杯をなめたり、帝王賞では初めて大井で馬券圏内を外すなど、往年の勢いこそなくなった感じはありますが、前走 金沢で行われたJBCクラシックでは、大外を強引に捲り上げての2着と、地力の健在っぷりを見せつけてくれました。

いまにして思えば、川崎記念はコース形態からも追い上げづらい設定ですし、帝王賞はダノンファラオとカジノフォンテンが行き合ってしまい捲りのタイミングを逸してのものと考えれば、実力で負けたとは素直に言いづらいところもあり、馬自身に何かあっての負けではなかったと見做すなら、そこまで悲観することではないのかもしれません。

それに今回は春に種牡馬入りすることが決まっているオメガパフュームにとって、メンバー的にもかなり恵まれていて、テイオーケインズをはじめとするチャンピオンズカップの上位陣が出走してきておらず、得意とする大井で唯一ねじ伏せられたクリソベリルは現役を引退。地方馬もオメガパフュームに先着したことのあるカジノフォンテンは出走を回避し、出走してきているミューチャリー、ノンコノユメにしても、大井の舞台では逆転を許すとは考えづらく、過去3年と比べてもラクな相手関係になっています。

しかも入った枠も5枠9番と、外過ぎない外の枠を取ることができ、長くノビノビと脚を使う同馬にとって、おあつらえ向きの並びにもなっていることから、おそらく最後となる大井でのレースを有終の美で飾るのにいろいろと“整った”感はあり、オメガパフューム自身の状態、メンバー構成、枠順から普通に勝ち負けは堅いということで、軸としての信頼は持って良いと思われます。

オメガパフュームが負けるなら

勝ち負けには絡み、軸としての信頼は十分と言いましたが、オメガパフュームが確勝!とは正直言えない要素があります。それはオメガパフュームが持つ悪癖、これは有名な話ですがソラを使うということです。

ソラとは説明するまでもないかも?ですが、抜けだすとやめてしまうことを指し、オメガパフュームは結構その癖が強いと騎乗した騎手、調教師も新聞のコメントなどで明らかにしています。

そのため主戦であるミルコ騎手も、追い出しのタイミングにかなり気を使っていることが過去のレースからも見て取れるわけで、今回にしてもあまり強い先行馬がいないことから、騎手の想定よりも早く先頭に躍り出てしまう可能性は考えられ、過去3年よりメンバーが軽いことが、かえってソラを使うという悪い癖を誘発しやすくもなっており、追い出しのタイミングをひとつミスしてしまうと、強い決め手を持つ差し馬にあっさりかわされてしまう……、なんてことには注意しておかなければなりません。

また、逆に追い出しのタイミングを逸してしまうと、先行馬はあまり強くないとはいえ、逃げ切りを許したり、オメガパフュームより瞬間的な加速に秀でた馬にキレ負けしたりする芽が出てきてしまうため、実力は安定して抜けていても、乗っているミルコ騎手の立場に立てば、かなりプレッシャーのかかるレースになることは想像に難くありません。

勝ち目があるのは差し馬の2頭

お察しのとおり、軸としての信頼は十分ということで本命はオメガパフュームとなります。

ここからの印では、オメガパフュームについて、もう少し触れてこなかったことを書かせていただいた後、対抗以下、オメガパフュームに対し、勝ち目のありそうな馬、勝ち目はなくとも馬券には絡んできそうな馬を紹介してまいります。

◎ 5枠9番 オメガパフューム
まずはオメガパフュームについて触れてこなかったことを書くと、馬の実力におけるメンバー構成に恵まれただけでなく、馬のタイプ的にも恵まれた構成になっているんです。

というのも、今年のレースは先行馬が本当に少なく、逃げ馬はキャッスルトップ1頭のみで、明確に先行してくる馬もアナザートゥルースと、この構成ならタービランスくらい。上手くいけばこの3頭の後ろに着けることも可能なわけで、ポジションを上げていく際、捌く馬の頭数が少なくて済むのはオメガパフュームにとっては脚の減りを抑えるという意味で有利に働くことが予想されます。

それゆえにソラとの兼ね合いも難しくなるのですが、さすがに先行馬を捌いたあとで差されるにせよ、馬券の圏内を外すというのは、このメンバーではいささか考えられず、やっぱり軸としての信頼で本命はオメガパフューム1択といったところです。

 

〇 1枠1番 ロードブレス
対抗。すなわちオメガパフュームに勝ち目がある馬として、その筆頭にはロードブレスをあげたいと思います。

この馬はどんな激しい展開であっても、必ず脚は使いきってくれる馬で、馬群を嫌ったりというのもありません。そのため、1枠1番というのも前が詰まったらアウトですが、上手く抜け出してさえこれれば、オメガパフュームを内側からすくってくることもできるのではないでしょうか。

当然この馬にしても先行馬が少ないことはプラス材料ですし、早めに吹かしていく必要があるオメガパフュームに対し、直線までじっとしてズバっといくタイプのこの馬は、対抗に相応しい馬と言えるでしょう。

 

▲ 3枠5番 ウェスタールンド
この馬もタイプとしてはロードブレスと同様、馬群を厭うことなくどこからでも差し込める決め手があることで▲(単穴)としました。

ですが、ロードブレスとの比較でこちらを落としたのは、当初予定していたチャンピオンズカップを回避したことにあり、ここに間に合ったということは陣営がOKを出したことなので何とも言いませんが、一頓挫あったことは紛れもない事実であるため、いつもの脚を繰り出せない可能性もあるとみて、普通に走れば……、の▲としました。

 

△ 6枠11番 ミューチャリ―
どうでもいい話ですが、大体いつも買ってる馬です。でも……、前走だけは買ってませんでしたwww

そんなことはどうでも良く、ここからは基本オメガパフュームに勝ち目はないけど、馬券に絡む可能性はあるという視座で紹介していきます。

1頭目は前走 JBCクラシック地方馬念願の勝利を飾ったミューチャリ―としました。オメガパフュームに勝ってるんだからここも……!と考えても良かったのですが、こと地元であある大井だと、このレベルのレースでは捲りきれないことが多く、直線だけでは上位評価した馬に脚力で足らないため、今回はいつものように“よく追い込んで4、5着”以上はメンバー構成から可能性は高い!と踏んで、きちんと印を打ちましたが、ここでオメガパフュームに勝てるか?となると、おそらく難しいという見立てでいます。

あと、主戦ではあるものの御神本騎手に手が戻るのも実はあまり好感が持てず、吉原騎手のままならポジションを取って前を射程圏に入れる競馬も視野に入りましたが、御神本騎手では、いつもの後方からの捲りになってしまいそうな感じもし、それでは……、といったことも評価を下げた要因です。

 

△ 2枠3番 アナザートゥルース
前走みてもお分かりのとおり、この馬はいかに“砂を被らない”か!?が勝負の分かれ目となり、被らなければ良い粘りを持っています。

今回はそもそも先行馬が少ないため、おそらく被らずに先行できるとは思いますが、隣にいるキャッスルトップがちょっとイヤな並びになっていて、何が何でも!で出していくであろうキャッスルトップに対し、スタートでフタをされ、ほかの馬にも被せられるという最悪の事態も起きかねず、これを避けるべく自身も出していくと、序盤で脚を使い過ぎるリスクもあり、どちらに転んでもラクな序盤にはなりそうにありません。

もちろん最高のかたちとして想定されるキャッスルトップを行かせて、自分は番手でマイペースに、となれば、先行馬の少ないメンバー構成から、ここでも馬券圏内に残る目はあるとして△の二番手としています。

 

△ 2枠2番 タービランス
何度も言いますが今年のメンバー構成は何といっても先行馬が少ない!また、オメガパフュームが断然の存在としてマークを受けるという様相から、おそらく明確に先行するキャッスルトップとアナザートゥルースの後ろあたりにいるこの馬が、しれっとゴール板で3番手にいる……!なんてこともあるのではないでしょうか。

先ほどのソラの話もそうですが、オメガパフュームが自らレースをつくるのであれば、恐いのは先行馬の逃げ切りよりも、後ろから差されることにあるはずで、オメガパフュームと同じような位置の内側にいて、仕掛けを待ってもらえれば、圏内に残っている可能性はなくはないと考えられます。

 

☆ 3枠4番 キャッスルトップ
穴に推すキャッスルトップはひと言!「遮二無二に逃げてどこまでやれるか!?」です。

まさにジャパンダートダービーと同じパターンですが、先行馬のなかで最有力とされるアナザートゥルースに対し、並びの関係で優位な立場にあり、アナザートゥルースが上手に先行できず、この馬が後続を少し離すような逃げに持ち込めば、オメガパフュームには差されても、その後ろには差されず……、はあるのでは?といったところです。

 

+α 8枠15番 サンライズノヴァ
はっきり言って適性はまったく!ですが、大井は直線が長いということで、直線まで何もせず、最後だけ一気に追えば!もしかしたら?は、あるかもしれないため“当てたいから”抑える馬としてサンライズノヴァをあげておきます。

 

消 5枠8番 ノンコノユメ
消 7枠12番 クリンチャー
今回は見送った馬からも2頭紹介しておきます。1頭目ノンコノユメ。すごく好きな馬でいつもまで頑張る姿には頭が下がる想いですが、ロードブレス、ウェスタールンド、さらにはサンライズノヴァと比較して、さすがに脚力で劣るよなぁ~ということで泣く泣く消しに。

クリンチャーは近2走の内容があまりに悪く、止まっているというより辞めてしまっている感が強く、前走は川田騎手の“闘魂注入”でも動かなったとなると、距離は延びて良い方向になるとは思うものの……、もう7歳の暮れにも差し掛かり競馬が好きじゃなくなっちゃったのかな?という見方ができるため、見送りとしました。


オメガパフュームから買うのに印回しすぎじゃない?と感じるかもしれませんが、買い方としては◎のオメガパフュームをアタマに、〇ロードブレスと▲ウェスタールンドを2、3着に固定する3連単を中心にいくつもりなので、△以下を3列目として、結果プラスが少しでも出れば!という馬券で勝負したいと思います。

これで2021年の更新はおしまいとなります。全国11人のhanakotaファンの皆さんをはじめ、読んでくださった方々のおかげで1年間GⅠだけですが完走することができました。

いつも読んでくれている皆さん、本当にありがとうございます。

来る2022年は、もう少し更新の頻度も上げ、GⅠだけでなく注目の重賞レースも書けるときは書いていきますので、来年も引きつづきご愛読いただけますと幸いです。

そんなわけで新年最初の更新は、1月5日に行われる東西金杯の予想をお届けしますので、1月4日の夜にでもお会いできればと思います。

来年こそ!「全国1000万人のhanakotaファンの皆さん」と言えるよう、予想もブログも精進してまいります。良いお年をお迎えくださいませ。

【GⅠ ホープフルステークス】普通に予想をしてみたら……

ほっ……、いまの気持ちを正直に表すならこんなところでしょうか。

もう本当に何回も何回も何回も!そして何回も頭の中でイメージを膨らませまくった有馬記念が終わり、何回もやり過ぎたからか……、買い過ぎたかも?なんて反省があるにはありますが、気持ち的には的中した喜びより、的中できた安堵感の方が大きい日曜日の夜となりました。

昨日もお伝えしたとおり、ここでは明後日行われる2歳の中距離GⅠ ホープフルステークスの予想をしてまいります。昨日と比べるとライトな内容になると思われますが、本日もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

コマンドラインは本当に強いの?

一昨年のコントレイルや、その前の年のサートゥルナーリアを輩出したことで、ホープフルSは、GⅠに格上げされて以降、名馬の登竜門的なレースとして定着しつつあります。

今年、その登竜門をくぐろうとしているのはコマンドラインです。この馬はデビュー前から素質を見込まれた超がつく期待馬であり、戦績も未だ土つかずで重賞勝ちも収めました。

しかし、本当にコマンドラインがコントレイルやサートゥルナーリア並みの馬なのかどうかは、個人的には「そぉ~?」てところで、これまた出世レースとして名高いサウジアラビアRCを制したとはいえ、それはあくまでレースのネームバリューだけの話。その勝利の内容もマユツバな感じでいて、良い枠には入りましたが、本命にはしづらいなぁといった評価でいます。

理由は、これまでの2戦がいずれもマイルまでの距離しか走っておらず、それがマイル戦らしい厳しいペースを追走してのものならまだしも、ペースは中距離戦だったとしても速いとはいえない“ぬるい”ペースでのもの。今回は距離が延びることでペースこそは前走並みだったとしても、2ハロン長くなるうえに、仕掛けが早くなりがちな中山の2000mとくれば、これまでに経験したことない激しい展開、また初めてとなる多頭数の競馬に戸惑うシーンは容易に想像することができ、馬の性能としては高いものを持っているかもしれませんが、この馬から馬券を買うことは考えていません。

時計的な魅力では中山組

おそらく抜けた人気になるコマンドラインがイマイチ信用ならない。では、どの馬を馬券の中心に据えるべきなのか?次はこの視点で各馬の能力を見定めていきましょう。

今年のレースは重賞を勝った馬がコマンドライン1頭しかおらず、前走重賞を走っていた馬もコマンドライン含め3頭しか出走していません。それに、コマンドライン以外の2頭にしても、確たる実力馬と言えるかは?なところとなります。

そうなると、オープン、1勝クラスを勝ちあがってきた馬に自ずと視点は向くわけですが、ここで注目したいのが今回と同じ中山の2000mを好時計で快勝してきたラーグリフ、ボーンディスウェイと、中京と阪神で2000mを2歳レコードで勝ち上がってきたサトノヘリオスとなります。

この3頭、とくに中山を勝ちあがってきた2頭は馬場が良かった秋の開催と、今開催の開幕週で出した時計であり、本番とは多少条件が異なってくるということはあるにせよ、2分0秒台の走破時計は素直に褒められる内容であり、ペースへの対応という点でも信頼に足るものがあります。これはサトノヘリオスにも同じことが言え、前半のペースが中山の2頭に対し少し遅く、その分位置取りを悪くしそうな懸念はあるにせよ、後半のタイムはむしろこちらの方が上で、荒れた阪神の馬場で2分を切ってきたエリカ賞の強さは本物と見なして良い強さだと思っています。

ペースとコースへの対応力を頼りに

何分あっさりではありますが、印へとまいります。コマンドラインは信用できない。要注目は中山2000mを速い時計で勝った2頭とサトノヘリオス!ここまでを整理したところで、本命から穴まで今日は6頭を紹介します。

 

◎ 2枠3番 ラーグリフ
めちゃくちゃ地味が扱われ方しかされてないのですが、先ほどから述べている通り10月のオープン 芙蓉Sの内容はペース、上がりとも高いレベルの走りに対応できており、同じパフォーマンスが出せれば、ここでも通用する素地は十分に持っていると言えるのではないでしょうか。

丸田騎手の騎乗ということで、そこまで期待の馬ではないのかもしれませんが、ここまでに見せている実績を頼りに本命にはこの馬を抜擢したいと思います。

 

〇 4枠7番 サトノヘリオス
この馬も出している時計からすればそこまで評価されてません。おそらく未だ重賞勝利のない岩田 望来騎手が騎乗することや、中1週の強行軍が嫌われてのことと考えられますが、これもラーグリフ同様、見えているパフォーマンスの高さを頼りにするなら、やれて不思議ない1頭でしょう。

 

▲ 4枠6番 コマンドライン
コマンドラインはここにしました。これまでのパフォーマンスはマユツバでも、入った枠とルメール騎手が手綱を取るということは、ノーザンファームならびに国枝厩舎の一番手であることに疑いようがなく、終わってみれば圧勝!もなくはないと思ってての▲(単穴)扱いとしています。

 

△ 3枠5番 キラーアビリティ
朝日杯で3着したダノンスコーピオンを私は甘くみていたのですが、結果としてダノンスコーピオンはマイルの激しいながれに対応し、そこで3着と実力をしっかり示しました。
そこを物差しにすれば、ダノンスコーピオンに肉薄した萩Sの内容を買い、△の一番手としました。

 

△ 5枠9番 ボーンディスウェイ
△の二番手は好時計の中山組から。今開催の開幕週に葉牡丹賞を勝ちあがったボーンディスウェイを選びました。少し評価を落とした理由は、時計は良いものを出せているものの、主導権を取ってナンボなところがありそうなため、それが叶う可能性はありそうながら、あくまで抑えで△としました。

 

☆ 3枠4番 グランドライン
馬柱の着順はそれなりに整っているのですが、所詮は自己条件を勝っていない馬です。しかし、常に相手なりには走っていて、ここでも相手なりに走った結果、馬券内にいました、なんてこともあり得るメンバー構成だと思います。

内側の好枠も引けたことですから、そこからスルっと食い込むことに期待したいところです。


別に有馬記念を当てたから穴に振り切ったわけではありませんが、今年のホープフルステークスコマンドラインを筆頭に、上位人気が予想されるアスクワイルドモア、オニャンコポンなど、これまでパフォーマンスや入った枠順から、かなり怪しいというのが正直なところで、普通に馬柱をみていったらこんな予想になりました。

有馬記念に比べれば、“何回も”くらいにしか検討できていないため、予想としては甘いものになってしまいますが、ひとつの見解としてご参考いただけますと幸いです。

次回が今年の最終更新となります。「今年はGⅠは全部書く!」と決めて始まった1年。フィナーレはもちろん!東京大賞典で締めくくってまいります!!

【GⅠ 有馬記念】何回も何回も何回も!

あれはテレビだったか、ネットの記事だったかは忘れましたが、福永騎手は、競馬が開催される週末の夜、宿舎では競馬新聞を見て、何回も何回もレースの展開をイメージしてシュミレーションするそうです。

それと同じく木曜日の夜から何回も何回も何回も!シュミレーションしてきた答え合わせが、あと十数時間後に明らかになろうとしています。

今日は中央競馬の1年の総決算たる“国民的行事”有馬記念をお題に、今回の予想に至ったプロセスを披露してまいります。

本当に豪華メンバーか?

有馬記念は“国民的行事”なわけですから、毎年のごとくメディアでは「中山芝2500mに豪華メンバーが……!」なんてことが判を押したように言われますが、はたして本当に豪華メンバーなのでしょうか?

たしかにGⅠ馬が6/16頭、重賞勝ち馬 15/16頭と、字面としての格では豪華というか、総決算としての体面は保っているように思えますが、翻ってメロディーレーンが出走できてしまう(地力でオープン入りしたことは素直にすごい!と思うけど)あたり、メンバーが揃った感というのはイマイチないんですよね。

ノーザンファームを中心に馬の“使い分け”が日常化し、ひと昔前であれば、秋は古馬三冠などと言われる天皇賞・秋ジャパンカップ有馬記念すべてに出走するのが常道だったところ、近年では多くて2つ、少ない場合は1つなんてこともザラにあり、それゆえに各レースの出走メンバー全頭のレベル感は、落ち着きやすくなっています。

さらに今年は(実は去年もだったけど)、ほぼ絶対的と思しき2頭がアタマ1つも2つも抜けた実力馬として君臨しており、しかも2頭の枠順はともに及第点、どころか片一方は「バッチリです。完璧な枠です」とまで鞍上に言わせる絶好枠。基本的に勝つのは2頭のどちらなのか?馬券圏内の残り1枠にどの馬が入り込むのか?ここを見極めることが、今年の有馬記念の予想と言え、どちらが勝つのか?また、馬券に絡むもう1頭がどの馬なのかを見定めるべく、まずは出走各馬の実力をよ~く加味したうえで、地力ベースで私なりの序列なんてものをつくってみました。

※各項目とも馬番の順に列記しています。

①勝ち負けする馬

②馬券に絡みそうな馬(1)

  • ディープボンド
  • ステラヴェローチェ

③馬券に絡みそうな馬(2)

④今回は見送り

  • ペルシアンナイト
  • パンサラッサ
  • モズベッロ
  • メロディーレーン
  • ユーキャンスマイル
  • キセキ

①はもうお分かりのとおり、あえて名前は伏せてきましたがクロノジェネシスとエフフォーリアの2頭。馬券に絡みそうな馬を(1)と(2)に分けたのは、(1)の方が今回の条件によりマッチしそうな馬として、1段評価を上げた馬となっており、対して(2)は、地力だけでなく展開なども噛み合ってこないと難しいかも?という意味で「地力ベース」とは言いましたが、この時点で枠順と鞍上だけは評価基準として差を付けています。

④については「もしきたらゴメンナサイ」ということで、理由はそれぞれありますが、すでに盛りを過ぎている、もしくは前走までのパフォーマンスなどから、明確に足りないと判断できた馬たちとなっています。

落とし穴は馬場にあり……?

出走各馬の序列を定めたところで、次は馬場について考えてみましょう。今回出走する馬のメンバー構成では、クロノジェネシスとエフフォーリアが抜けていて、この2頭で馬券になる3つのイスのうち、2つは埋まってしまうことが“普通に”考えたら濃厚といったところです。

しかし、競馬はやはりレースである以上、“やってみないと!”の要素はあり、ゲートが開き“やってみた”結果、よもやの結末をむかえる……、なんてことも競馬バカの私たちは知っています。

そして、“よもや……”があるとすれば、今年の場合、それは馬場によって演出されるものと思われます。

今開催の中山の馬場は、開幕週の1200mで1.07台の決着があったり、稍重ながら3週目のターコイズSでは1.32台が計時されるなど、全体的に時計が速い傾向にあり、馬場の内側も4週目をむかえた今週もなお、良好な状態をキープしています。

そのため、好走馬の多くは馬場の内側を通る馬で、そこを通るのは大体が先行馬。割と極端な“内・前有利”なバイアスがかかっています。

今週も土曜日は金曜日の夜の雨が影響し、稍重スタートではあったものの、引きつづき“内・前”の傾向は継続されており、4コーナーで外にいる馬は、全体を通してかなり苦戦を強いられていました。

天気はこのまま回復にむかっていくため、おそらく明日の馬場も同じ傾向。かつ乾いてくる分、時計は土曜日よりも速くなると思われ、先行する馬は状態の良い内側の馬場を通ることでなかなか止まらず、後ろから差し込むにはよほどの展開利がないと厳しい馬場になることでしょう。

これは有馬記念においても同様のことが言え、たとえ地力で抜けたクロノジェネシス、エフフォーリアと言えど、スタートで位置取りを悪くしたりすると、取りこぼす可能性は出てくるわけで、そうなったときに注意すべきは、2頭よりも前にいる逃げ・先行馬の粘り込み。こういった決着が無きにしも非ずな馬場コンディションにあることは、予想をするうえで忘れてはならないポイントとなり、2頭にとって落とし穴は、レースに出走するほかの馬との兼ね合いよりもまず、馬場を味方にすることができるか否かになってきます。

「先行>差し」でヒモ選び

断然の2頭ではあるものの、馬場との兼ね合い、もとい位置取りでどうなるか?を踏まえ、ここからは印へとまいります。

本命はどちらの馬なのか?また、相手にはどんな馬を選ぶのか?木曜日の夜から何回も何回も何回も!シュミレーションした結果を披露していきましょう!

 

◎ 5枠10番 エフフォーリア
本命は一気の世代交代!ということでエフフォーリアにしました。理由としては、いまの馬場状態を考慮したとき、クロノジェネシスとの比較でどちらの方が先行力があるか?と考えたとき、これまでの戦歴からエフフォーリアの方が明確に前にいくスタートでの推進力があり、鞍上もずっとコンタクトを取りつづけている騎手であるため、積極果敢に出していったダービーのときと同じく、強気に行っても折り合いをを心配しなくて良いことは大きな強みだと思います。

また、仮に枠順の差でクロノジェネシスの後ろに着けることになったとしても、2頭の間にいるユーキャンスマイル、ステラヴェローチェとも行き脚が良い馬ではなく、パッとクロノジェネシスをマークする位置にポジションを取れそうなこと――つまり、どちらに転んでもレースを有利に進められる公算が立てやすいことを強調材料とし、本命にはエフフォーリアを推したいと思います。

 

〇 4枠7番 クロノジェネシス
ルメール騎手が「バッチリです。完璧な枠です」と言うように、たしかに単体でみれば完璧な枠だと思います。しかし、エフフォーリアのところで述べたように、並びの関係でエフフォーリアにマークされやすく、かといって明確にエフフォーリアより先行できるか?と問われれば、人馬のコンタクトを含め少し難しいと言わざるを得ません。

ただし、クロノジェネシスにあって、エフフォーリアにないものは確実にあり、それは今年の宝塚記念や昨年の天皇賞・秋で魅せた爆発的な末脚です。そのため、勝ちを見出すのであれば、末脚の爆発力を引き出すしかなく……、でも、引き出されればエフフォーリアとて返り討ちにする威力は保持しているため、エフフォーリアに引導を“渡させない”唯一の存在という見方で対抗としました。

 

△ 3枠5番 ディープボンド
馬場のバイアスでエフフォーリア、クロノジェネシス以外の馬が……、とは言いましたが、いまの馬場状態を両馬の鞍上が理解していないとは言い難く、とくにエフフォーリアは前走の天皇賞・秋でもコントレイルを前受けして圧勝してるように、前に行くことを何ら厭わないと考えると、やはり勝つのはエフフォーリアが最有力であり、これを差せるだけの決め手があるとすれば、クロノジェネシスしかいない!というのがここまでの見解となります。

なので今日の印は単穴(▲)はなしで、2頭に次ぐ馬の候補を△(ヒモ)と☆(穴)で紹介していきます。1頭目はディープボンドにしました。

理由はまず、何と言っても先行できること。それから天皇賞・春を見れば一目瞭然ですが、スタミナだけなら現役でも屈指のものを持っていること。さらに騎乗する和田騎手はこの馬に乗りつづけており、豊富なスタミナを出しきる競馬を躊躇なくさせることができること。

この3点とロスなく回ってこられるであろう3枠5番を活かし、「あわよくば!」で積極的に動いていってくれれば、前述した2頭には及ばずとも、圏内に残すくらいは十分にやってくれるだけの条件の合致と能力は持っている馬だと思います。

 

△ 5枠9番 ステラヴェローチェ
いまの馬場を考えると、適性としては真逆にいる馬だと思います。それでも△の2番手にしたのは、この馬はどんな条件であっても必ず最後に脚を使ってくれるからで、立ち回りで後手を踏んだ皐月賞、ダービーにせよ、3着にはきちんと入っており、馬群を物ともしないのも好感が持てます。

菊花賞こそ押し出された1番人気で正攻法で届かず……、でしたが、再び挑戦者の立場となり、まだお試し的な鞍上交代と考えれば、金曜日の夜、シャケトラと会社を出るときに話していたように思い切った競馬はできる騎手でもあるため、差してくる馬の急先鋒として、ステラヴェローチェを全体の4番手としました。

 

△ 3枠6番 ウインイキートス
この馬の見立ては、まだ重賞戦線では自分のペースでないと対応が難しいと思っていて、激しい展開になれば1円も要らない馬だと思います。

しかし、それだけに他馬からのマークは今回ほぼ皆無になりそうなわけで、これは上手く通じるかわかりませんが、いわゆる馬群の“エアポケット”的なところをスルスルと回ってきたとき、最後にひと脚使い……、それが圏内だった……!なんて展開がいまの馬場ならあるのではないか?(先生いはく“ヌルっと”くる馬)と思い、アカイイトやアサマノイタズラなど、決め手のある差し馬でなく、いまの馬場がもたらす「先行>差し」の傾向に則り、この馬を抜擢しました。

ちなみに、馬群のエアポケットを説明するのはなかなか難しいのですが、有馬記念で言うなら、2017年の2着馬 クイーンズリングの好走はエアポケットを利したものになるかな?と思いますので、良かったらレース映像をご覧いただければと存じます。

 

☆ 6枠11番 シャドウディーバ
適性真逆じゃん!て感じですが、もし大穴ならこの馬だと思います。と言うのも、前々走 府中牝馬ステークスで魅せた末脚は、まさに“奥手のハーツクライ”そのもので、一般的に晩成型が多いとされるハーツクライ産駒が覚醒したときに魅せるそれでした。

前走のジャパンカップでは、この馬にとっては奇策とも取れる先行策を取り、いつもとは違う競馬をさせられたにも関わらず7着と健闘しており、良さを引き出すことに専念すれば、またエフフォーリア、もしくはディープボンドあたりの仕掛けが早くなり、展開的に差しが届くかたちになれば、ラストの爆発力はステラヴェローチェあたりと比較しても遜色ないため、本当にハマってくれば……、の穴として推奨させていただきます。

 

消 7枠13番 アカイイト
消 7枠14番 アサマノイタズラ
消 8枠16番 タイトルホルダー
アカイイトとアサマノイタズラは、ウインイキートスのところで触れたように馬場を考えたときタイプが全く合わないのと、脚力的に外を回す、もしくはうんと下げて馬群を割るにしても、圏内にまで持ってこられる脚を持っていないため消しとしました。

タイトルホルダーについては、タイプは当然合うのですが、如何せん……、言わずもがなの8枠16番ですし、乗り難しいところがあるこの馬で、横山 和生騎手のテン乗りというのも、減点材料にせざるを得ず、本命・対抗をガチガチにいってるため、馬券のどれかには組み込んでも、印としては「消」という評価にしました。


さすがに“国民的行事”だけあり、私たち競馬バカにとっての1年間のメインレースとも言える有馬記念ですから、それなり以上に今日は書き込んでしまいました^^;最後までお付き合いくださった全国11人のhanakotaファンの皆さんはじめ、お読みいただいた方々には感謝申し上げます。

おそらくもう“何回か”はシュミレーションして、最終的には何回も何回も何回も!そして何回も!イメージを膨らませたうえで馬券は購入することになると思いますが、いずれにしても悔いの残らないかたちで明日の15:25をむかえたい次第です。

今年も残すところあとわずかとなり、年内の更新もあと2回、ホープフルS東京大賞典を残すのみとなりました。いつもであればレース前日の夜に更新するこちらですが、27日の夜に競馬の神様との忘年会が入ってしまったため、ホープフルSは明日の夜に更新したいと思います。

おそらく有馬記念で尽き果てているでしょうから、内容はかなり薄めになってしまいそうですが、できる限りでお役に立てるよう書いていきますので、今年もあと少し、お付き合いいただけますと幸いです。

それではまた明日。どんなかたちでホープフルSをむかえるのかは……、乞うご期待!ということで^^;

【GⅠ 朝日杯フューチュリティステークス】続・代打考察と目に見える信頼

う~ん。やっぱり競馬ってもんは「生モノ」ですね。

先週私が本命にしたナミュールの出遅れ。からの接触して内に閉じ込められ……、しかり、香港スプリントでの痛ましい落馬事故しかり……。

どれだけ強い馬でも。また、どれだけ万全な予想をしても、レースというのは生モノであり、「やってみないと!」要素はどうあっても存在することーーいろんな意味で競馬の恐さを知った先週でした。

とは言え!「やってみないと!」要素以外のポイントは、しっかりと潰しておくことが予想家(いつからなった?)の勤め!!

今日は朝日杯フューチュリティステークス(以下、朝日杯FS)を展望してまいります。

今週の福永、川田問題

香港スプリントでの落馬事故により、福永騎手は長らく戦列を離れることになってしまいましたし、同騎手のお手馬は、このレースには出走していません。

なので福永騎手絡みの鞍上問題は、別途ほかの機会に触れるとして、ここでは川田騎手、加えて松山騎手の騎乗馬をみていきたいと思ってます。

はじめに川田騎手についてですが、今回の出走馬のなかで彼が騎乗し得た馬は2頭。セリフォスとダノンスコーピオンです。

セリフォスに関しては、前走 デイリー杯2歳ステークスの時点で川田騎手がブーリーダーズカップ帰りの隔離期間にあり、所属する中内田厩舎のセカンドジョッキーである藤岡 佑介騎手が代打騎乗。本番となる今回も香港への遠征は既定路線であったことから、クリスチャン騎手への手土産とばかり、セリフォスの鞍上は素直にクリスチャン騎手へと献上されたのだと考えられます。これは先週のナミュールと同じく、むしろ鞍上強化と言える乗り替わりと言えるでしょう。

そして、この煽りを受けたのがダノンスコーピオンで、川田騎手が専属と言っても過言ではないダノックスの馬に今回はお手馬がいなかった松山騎手が「空いてるなら」的に配置され、そうなるとテン乗りとなるここは、いままでのレースぶりからして少し評価は下げて臨むべきと考えています。

目に見える実績と未知の魅力

次は出走馬の力関係をみていきましょう。これも先週とと同様、むしろ今週の方が明確な感じがあります。

とはいえ先週ハズしているのもまた事実なわけですから^^;、過度な決めつけはせず、それでも!結構明確なので、そのなんで?どうして?を説明していきます。

私が2歳馬を判断するとき、基準としているのは2点あり、キャリアを重ねていくなかで、上がりを使えているか?と、走破時計を詰めてきているか?ということがあります。

もちろんこれら以外にも、多頭数の経験はあるか?や、遠征の経験があるか?など、多角的にみるポイントはありますが、まずは先にあげた2点をクリアできているかが、絶対的な視点でみたときの能力基準としています。

そのうえで今回2点をクリアしているのは、実はセリフォスただ1頭のみで、ほかの上位人気馬には、それこそセリフォスのような“目に見える実績”はなく、ジオグリフはじめ、ダノンスコーピオンやドウデュースなどは、素質の片鱗こそ見え隠れするものの、まだ実力が本物かどうかは、計りかねる部分が大いにあり、これを“未知の魅力”と取るか?純粋な不安要素と取るかは、判断に悩むところです。

それゆえに、現在までに見せたパフォーマンスだけで言うなら、セリフォスに対する安心感というのはひとしおで、このポイントだけならアタマはともかく軸としての信頼度は十分と言えるでしょう。

やっぱり外が……、な馬場状態

では、印へとまいります。地力というか“目に見える実績”では「セリフォスの1強」と言ったものの、金曜日に降った雨の影響か、時計は先週よりも掛かってきており、外め優勢の馬場傾向には、より拍車が掛かった感があります。

それでも!セリフォスの地力を信頼するのか?有利な外側の馬場を使いやすい外枠の馬から入るのか?今日の結論はこちらです!

◎ 3枠4番 セリフォス
またしても……、クリスチャン騎手は運に恵まれず……。と言ったところかと思いますが、やはり地力の証明という点では最も信頼がおけるのはこの馬で、馬場も多少は回復してくると希望的観測をするのなら、圏内に入る軸としては大丈夫だろう……!と判断しました。

元々もう少し外の枠なら自信を持って本命にしようと決めていましたし、何よりマイルでのパフォーマンスが安定していることは、ほかの馬にはない要素となります。

如何せん枠がイマイチなため、アタマで!とはいきませんが、きっちり圏内は確保してくれると信頼します。

 

○ 7枠13番 ジオグリフ
対してこちらは初めてのGⅠ、しかも初めての多頭数での競馬で、いままで自分本意のレースしかしたことがないことを踏まえれば、外すぎない外というこの枠は絶好と言えるでしょう。

しかし、セリフォスにあってジオグリフにない“目に見える実績”は、やはりやってみないことにはわからず……。好枠を利して突き抜けることも想像できれば、結果力不足……!ということも想像できなくはなく、ポテンシャルはあるかも?の対抗としました。

 

▲ 6枠11番 ドーブネ
前走逃げたことだけはいただけないですが、実は隠れた実力馬なのでは?と思えるフシがあり、それが長く良い脚を使えるということです。

走ってきたレースの格、相手関係から当然実績では劣りますが、馬群に揉まれず自分の競馬ができそうな枠に入っており、能力をきちんと出せれば馬券になって不思議はないと思います。

ウマ娘で脚光を浴びる藤田オーナーの所有馬でもありますし、馬主1年目にして早くもGⅠに出走馬を送り込んでくるあたり、知る人ぞ知る“雀鬼”である藤田オーナーらしく、セリフォス以外の上位人気馬がかなり怪しいとなれば、ここでオーナーの強運っぷりが発揮されるやもしれません。

 

△ 5枠9番 ドウデュース
毎年この時期になると言われる武 豊騎手のGⅠ完全制覇。ホープフルステークスがGⅠになったため、“王手!”の表現こそいまは使えませんが、改めて王手をかけるべく、今年も有力馬の1頭とされるドウデュースに騎乗してきました。

しかし、このあと紹介するダノンスコーピオンもそうですが、これまでペースがゆるくなる1800mのレースしか使ってきておらず、しかもこれ!と思える決め手もどうかな……?という程度。馬券の圏外になることは十分に考えられるものの、さすがに消した馬よりは……、で抑えとしました。

 

△ 4枠7番 ダノンスコーピオ
基本的な評価はドウデュースと変わりませんが、この馬の方が明確にぬるいレースしかしておらず、前走の萩ステークスは「よく差しきった」とは言われますが、少頭数でマンマークした結果ですので、道中で急かされたりする危うさはドウデュース同様に持っています。

でも、前走でみせた勝負根性が本物なら、良血らしい脚は持っていた、ということで、そういう結果になった場合の△と捉えていただければと思います。

 

△ 5枠8番 プルパレイ
当然これも実績では劣るものの、マイル戦で先行したときはそれなりの“味”は出していて、逃げなくても良さそうな感じがあるのは、ほかの逃げ候補であるカジュフェイスやオタルエバーに対し、アドバンテージはあると言えるでしょう。

金曜日に降った雨で削がれやすい馬場になっているのは確かなものの、脚の使い方、ペース次第では残り目はあるかも?と思い、先行馬からはこの馬に印を回したという次第です。

 

☆ 3枠5番 ヴィアドロロドーサ
穴は今週も京王杯2歳ステークス組からにしました。なら、2着から参戦してるトウシンマカオじゃないの?なんですが、トウシンマカオは自分の競馬をしての2着であり、勝ったキングエルメスを捕えきれなかったあたり、これ以上はないかな?感が強いからです。

で、こちらを推奨する理由としては、着順こそ振るわなかったとはいえ、きちんと上がりは使えており、いまの削がれやすい馬場で、前の馬が崩れてきたとき、最後に強襲してくるシーンはイメージできるため、☆(穴)として密かに期待したいと思います。


てなわけで今日は朝日杯FSを展望してきましたが、来週はいよいよ!大一番のなかの大一番!!有馬記念!!!ですね。もういまからソワソワがきてますが、まずは明日の朝日杯で軍資金をゲットして、有馬記念のあとにも控えるホープフルステークス東京大賞典とつづく怒涛のGⅠ3連発に向け、しっかりと準備を整えていきたいところです。

【GⅠ 阪神ジュベナイルフィリーズ】代打考察とアテにしづらい○○組

チャンピオンズカップが終わると、いや、ジャパンカップが終わると……、と言って良いかもしれませんが、ちょっと装いが変わりますよね。

有馬記念東京大賞典が近づいてくるワクワクと、「2歳GⅠかぁ〜」といういまいちテンションが上がりきらない……、何だか複雑な時期になってきました。

とは言え、近年ではここからの直行ローテの活躍も目覚ましい阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF)を考察してまいります。最初のポイントはこんなところから入ってみましょう。

福永、川田のいない週末

オミクロン株の流行により、このポイントは来週にも引継がれるわけですが、今週は香港国際競走が行われる週でもあります。

そこには日本を代表するトップホースだけでなく、トップジョッキーも参戦しており、それが福永騎手と川田騎手です。

この2人だけで今年のJRA GⅠを7勝、馬券圏内に入った回数で言えば福永騎手:9回、川田騎手:7回と、高確率で馬券に絡む2人がいない。言い換えれば、彼らが香港へ行かなければ騎乗したであろう有力馬に乗り替わりが発生するということです。

そこで焦点となるのは、福永、川田両騎手に替わる信頼に足る騎手はいるのか?となります。

今週はルメール騎手が運良く空いていたことで、福永騎手が騎乗していたスティルナティーアにルメール騎手が、前走こそマイルCSのため三浦騎手が騎乗したものの、新馬戦は川田騎手が騎乗し、彼がいれば騎乗したであろうナミュールにはクリスチャン・デムーロ騎手が配置されました。

そのためスティルナティーアとナミュールに関して言えば、福永、川田に替わる騎手が、格落ちするどころか、むしろ鞍上強化とも取れる乗り替わりとなり、危険視どころか普通に有力馬と捉えて良い格好となります。


また、この有力2頭に次ぐ馬、具体的にはパーソナルハイあたりになると思うのですが、にとっては、福永騎手、川田騎手がいないことで、実績的に2人には劣る騎手が騎乗せざるを得ず、先に名前をあげたスティルナティアナミュールを含む上位人気馬での決着に拍車をかけるのでは?と考えることができます。

アルテミスステークスの捉え方

阪神JFを語るうえで忘れてはいけないステップ。それがアルテミスステークスとなります。

なぜアルテミスステークスが重要なステップと言えるか?というと、施行される舞台が実力がもろに出やすい東京マイルで行われるレースであり、それゆえにここで勝ち負けに絡んだ馬は、かなりの確率で本番である阪神JFでも馬券になっているからです。

しかし、アルテミスステークスで勝ち負けした馬で、そのまま好走した馬というのは、アルテミスステークス時点で上位人気に推されていた馬だったということは忘れてはならず、素質を見込まれ素直に好走できた馬でないと、本番に直結するとは言い難いところでもあります。

これを踏まえ、今年のアルテミスステークスを振り返ると、勝って歩を進めることとなったサークルオブライフは7番人気。2着のベルクレスタは2番人気ではあったものの、サークルオブライフに並ぶ間もなく交わされているあたり、真の実力馬であるとは言いづらいところでしょう。

なので、今年のアルテミスステークス組は、出走メンバーすべてを見回したときの馬券になる可能性は、走ってきたレースの格という点で、例年どおり高いものを持っていると思えるものの、昨年のソダシや、2017年のラッキーライラック、2016年のリスグラシューあたりと比較すると、軸に据えるのは心許ない存在とみています。

アルテミスステークス以外の重賞組も……

ここからは印です。先ほどアルテミスステークス組は心許ないとしましたので、普通にいけばファンタジーステークスや、マイル戦のサウジアラビアRCから本命を選ぶのが筋となります。

ですが、今年の重賞路線というのは、内容をみる限りちょっと……、なレースばかりで、アルテミスステークス以外の重賞組からも本命は選びませんでした。

その理由も含め、本命はこの馬でいきたいと思います!

◎ 8枠17番 ナミュール
中2週の東京遠征帰りという点だけが、少し心配でしたが、調教のわからない私がいつも頼りにしているアラシさんの追い切り診断でも高評価であったため、能力は引き出せる!とみて本命としました。

その能力については、2歳馬の能力を測るとき私が材料としている、上がりがどのくらい使えるのか?と、戦歴を重ねるなかでどのくらい走破時計を詰めてこられるか?の2点を高いレベルでクリアしていることで証明されています。

状態に次いで心配だった多頭数の内で包まれる心配もなく、馬場の外めの方が明らかに良いいまの馬場状態からみた枠順もGood!鞍上も鬼に金棒のC.デムーロ騎手ですから、ここは自信を持って◎を打たせていただきました。

▲ 5枠10番 サークルオブライフ
今日はナミュールと並ぶ立つ、つまり対抗と言える馬がいないため、“ナミュールに勝つチャンスは一応ある”▲(単穴)を2頭とし、1頭目には、最重要ステップのアルテミスステークスを勝ったサークルオブライフを持ってきました。

まず良い点からあげると、内めの馬場が傷み、また全体的にもパワーが求められる馬場コンディションにあるなか、この馬の力強い差し脚は活かしやすい状態にあること。

加えて、関西への遠征実績が確実な国枝厩舎の所属馬であることです。

それでも国枝厩舎の馬とはいえ、配置されている鞍上が、M.デムーロ騎手であるということは、同厩舎における期待度は、当初そこまでではなかったことの現れであり、強引に勝ちきったにせよ、未勝利戦で犯した致命的な出遅れをかます可能性もあること。

そして、前述したアルテミスステークス時点における期待値が減点材料となり、この印に留めた次第です。

▲ 4枠8番 ステルナティー
こちらを2頭目としたのは、サークルオブライフとの比較において、所属する木村 哲也厩舎の遠征実績が、国枝厩舎のそれと比べ不十分であり、前走までの内容も、ペース的にはちょっとぬるいものしか経験できていないからです。

持っている素材としては、前走で負けたコマンドライン(この馬は今年の国枝厩舎の目玉級)に対し、肉薄できるだけのものは持っているため、サークルオブライフには普通に先着できるかもしれませんが、ナミュールには噛み合わないと相当難しいだろうという見立てのもと、こちらを▲の2頭目としました。

△ 8枠16番 ベルクレスタ
△の1頭目はベルクレスタ。アルテミスステークスの内容は少し物足りない感じもありましたが、重い印を打った馬に次ぐ存在として買い目に入れたいと思います。

終いの決め手では上位に取った3頭に劣るものの、立ち回りの上手さはこれまでのレースで見せており、上の3頭に何かあれば、まずはこの馬が取って代わるものと捉えています。

△ 7枠13番 ウォーターナビレラ
実績という点では、まだ負けてない重賞勝ち馬ですから、ここでも実力を発揮すれば圏内は可能な馬だと思っています。

しかし、これまでのレースは、いずれも自分のカタチで勝ってきたものであり、そのカタチが作りやすい舞台でのレースであったことは気にしておくべきポイントで、多頭数のGⅠになったとき、カタチが作れるかは?ということで△でお茶を濁しておきます。

☆ 6枠11番 ラブリイユアアイズ
明日のレースは普通に堅く収まる可能性が高いと思うので、穴が出るかは……、なところではありますが、資格があるとすればこれかな?といったところです。

明確に推せるポイントはありませんが、前走 京王杯2歳ステークスでは、思った位置が取れないなか、それでも3着と格好はつけているため、念のため保険をかけておくイメージです。


一応ほかの馬にも触れておくと、気にかけたのはナムラクレアとパーソナルハイの2頭ですが、前者はファンタジーステークスの内容が物足りず、1400mでも前にいたウォーターナビレラを捉えられないあたり、マイルに延びて良さが活きるとは思えない。後者は前走ほどの楽逃げはまず難しく、それでいて逃げてナンボ!な感じを受けるため、堅く収まるとみるなか印を回すまでには至りませんでした。

てなわけで今日はここまで。来週の朝日杯も福永騎手、川田騎手に替わる代打考察を交え、私なりの展望をお届けしたいと思います。