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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ 阪神ジュベナイルフィリーズ】代打考察とアテにしづらい○○組

チャンピオンズカップが終わると、いや、ジャパンカップが終わると……、と言って良いかもしれませんが、ちょっと装いが変わりますよね。

有馬記念東京大賞典が近づいてくるワクワクと、「2歳GⅠかぁ〜」といういまいちテンションが上がりきらない……、何だか複雑な時期になってきました。

とは言え、近年ではここからの直行ローテの活躍も目覚ましい阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF)を考察してまいります。最初のポイントはこんなところから入ってみましょう。

福永、川田のいない週末

オミクロン株の流行により、このポイントは来週にも引継がれるわけですが、今週は香港国際競走が行われる週でもあります。

そこには日本を代表するトップホースだけでなく、トップジョッキーも参戦しており、それが福永騎手と川田騎手です。

この2人だけで今年のJRA GⅠを7勝、馬券圏内に入った回数で言えば福永騎手:9回、川田騎手:7回と、高確率で馬券に絡む2人がいない。言い換えれば、彼らが香港へ行かなければ騎乗したであろう有力馬に乗り替わりが発生するということです。

そこで焦点となるのは、福永、川田両騎手に替わる信頼に足る騎手はいるのか?となります。

今週はルメール騎手が運良く空いていたことで、福永騎手が騎乗していたスティルナティーアにルメール騎手が、前走こそマイルCSのため三浦騎手が騎乗したものの、新馬戦は川田騎手が騎乗し、彼がいれば騎乗したであろうナミュールにはクリスチャン・デムーロ騎手が配置されました。

そのためスティルナティーアとナミュールに関して言えば、福永、川田に替わる騎手が、格落ちするどころか、むしろ鞍上強化とも取れる乗り替わりとなり、危険視どころか普通に有力馬と捉えて良い格好となります。


また、この有力2頭に次ぐ馬、具体的にはパーソナルハイあたりになると思うのですが、にとっては、福永騎手、川田騎手がいないことで、実績的に2人には劣る騎手が騎乗せざるを得ず、先に名前をあげたスティルナティアナミュールを含む上位人気馬での決着に拍車をかけるのでは?と考えることができます。

アルテミスステークスの捉え方

阪神JFを語るうえで忘れてはいけないステップ。それがアルテミスステークスとなります。

なぜアルテミスステークスが重要なステップと言えるか?というと、施行される舞台が実力がもろに出やすい東京マイルで行われるレースであり、それゆえにここで勝ち負けに絡んだ馬は、かなりの確率で本番である阪神JFでも馬券になっているからです。

しかし、アルテミスステークスで勝ち負けした馬で、そのまま好走した馬というのは、アルテミスステークス時点で上位人気に推されていた馬だったということは忘れてはならず、素質を見込まれ素直に好走できた馬でないと、本番に直結するとは言い難いところでもあります。

これを踏まえ、今年のアルテミスステークスを振り返ると、勝って歩を進めることとなったサークルオブライフは7番人気。2着のベルクレスタは2番人気ではあったものの、サークルオブライフに並ぶ間もなく交わされているあたり、真の実力馬であるとは言いづらいところでしょう。

なので、今年のアルテミスステークス組は、出走メンバーすべてを見回したときの馬券になる可能性は、走ってきたレースの格という点で、例年どおり高いものを持っていると思えるものの、昨年のソダシや、2017年のラッキーライラック、2016年のリスグラシューあたりと比較すると、軸に据えるのは心許ない存在とみています。

アルテミスステークス以外の重賞組も……

ここからは印です。先ほどアルテミスステークス組は心許ないとしましたので、普通にいけばファンタジーステークスや、マイル戦のサウジアラビアRCから本命を選ぶのが筋となります。

ですが、今年の重賞路線というのは、内容をみる限りちょっと……、なレースばかりで、アルテミスステークス以外の重賞組からも本命は選びませんでした。

その理由も含め、本命はこの馬でいきたいと思います!

◎ 8枠17番 ナミュール
中2週の東京遠征帰りという点だけが、少し心配でしたが、調教のわからない私がいつも頼りにしているアラシさんの追い切り診断でも高評価であったため、能力は引き出せる!とみて本命としました。

その能力については、2歳馬の能力を測るとき私が材料としている、上がりがどのくらい使えるのか?と、戦歴を重ねるなかでどのくらい走破時計を詰めてこられるか?の2点を高いレベルでクリアしていることで証明されています。

状態に次いで心配だった多頭数の内で包まれる心配もなく、馬場の外めの方が明らかに良いいまの馬場状態からみた枠順もGood!鞍上も鬼に金棒のC.デムーロ騎手ですから、ここは自信を持って◎を打たせていただきました。

▲ 5枠10番 サークルオブライフ
今日はナミュールと並ぶ立つ、つまり対抗と言える馬がいないため、“ナミュールに勝つチャンスは一応ある”▲(単穴)を2頭とし、1頭目には、最重要ステップのアルテミスステークスを勝ったサークルオブライフを持ってきました。

まず良い点からあげると、内めの馬場が傷み、また全体的にもパワーが求められる馬場コンディションにあるなか、この馬の力強い差し脚は活かしやすい状態にあること。

加えて、関西への遠征実績が確実な国枝厩舎の所属馬であることです。

それでも国枝厩舎の馬とはいえ、配置されている鞍上が、M.デムーロ騎手であるということは、同厩舎における期待度は、当初そこまでではなかったことの現れであり、強引に勝ちきったにせよ、未勝利戦で犯した致命的な出遅れをかます可能性もあること。

そして、前述したアルテミスステークス時点における期待値が減点材料となり、この印に留めた次第です。

▲ 4枠8番 ステルナティー
こちらを2頭目としたのは、サークルオブライフとの比較において、所属する木村 哲也厩舎の遠征実績が、国枝厩舎のそれと比べ不十分であり、前走までの内容も、ペース的にはちょっとぬるいものしか経験できていないからです。

持っている素材としては、前走で負けたコマンドライン(この馬は今年の国枝厩舎の目玉級)に対し、肉薄できるだけのものは持っているため、サークルオブライフには普通に先着できるかもしれませんが、ナミュールには噛み合わないと相当難しいだろうという見立てのもと、こちらを▲の2頭目としました。

△ 8枠16番 ベルクレスタ
△の1頭目はベルクレスタ。アルテミスステークスの内容は少し物足りない感じもありましたが、重い印を打った馬に次ぐ存在として買い目に入れたいと思います。

終いの決め手では上位に取った3頭に劣るものの、立ち回りの上手さはこれまでのレースで見せており、上の3頭に何かあれば、まずはこの馬が取って代わるものと捉えています。

△ 7枠13番 ウォーターナビレラ
実績という点では、まだ負けてない重賞勝ち馬ですから、ここでも実力を発揮すれば圏内は可能な馬だと思っています。

しかし、これまでのレースは、いずれも自分のカタチで勝ってきたものであり、そのカタチが作りやすい舞台でのレースであったことは気にしておくべきポイントで、多頭数のGⅠになったとき、カタチが作れるかは?ということで△でお茶を濁しておきます。

☆ 6枠11番 ラブリイユアアイズ
明日のレースは普通に堅く収まる可能性が高いと思うので、穴が出るかは……、なところではありますが、資格があるとすればこれかな?といったところです。

明確に推せるポイントはありませんが、前走 京王杯2歳ステークスでは、思った位置が取れないなか、それでも3着と格好はつけているため、念のため保険をかけておくイメージです。


一応ほかの馬にも触れておくと、気にかけたのはナムラクレアとパーソナルハイの2頭ですが、前者はファンタジーステークスの内容が物足りず、1400mでも前にいたウォーターナビレラを捉えられないあたり、マイルに延びて良さが活きるとは思えない。後者は前走ほどの楽逃げはまず難しく、それでいて逃げてナンボ!な感じを受けるため、堅く収まるとみるなか印を回すまでには至りませんでした。

てなわけで今日はここまで。来週の朝日杯も福永騎手、川田騎手に替わる代打考察を交え、私なりの展望をお届けしたいと思います。