hanakota horse club

中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ スプリンターズS】冷静と情熱の“折り合い”

まいどぅ~~!(文字にするとイマイチ……w)

全国1,000万人の……、と言いたいところですが、確実にいる7名のhanakotaファンの皆さん!お待たせしました!本日より、秋のGⅠシーズンの展望をお届けしてまいります!!

もちろん!7名以外の方々も絶賛welcomeですので、いつか本当に「全国1,000万人の……!」と言えるよう!この秋も東京大賞典まで“掛かり気味に”突っ走っていきたいと思います!

抑えておきたい3つのポイント

今日ののお題は言わずもがな、明日のスプリンターズSなわけですが、このレースを予想するうえで、まず気にしたいことは中山 外回り 1200mというコースになります。

このコースは、東京以外全国の競馬場すべてにある1200mコースとは一線を画す特殊なコース形態となっており、一般的にトリッキーと言われる中山においても相当クセが強いです。そのため、走る馬、騎手もそうですが、予想する私たちも、その特徴をしっかりと抑えておきたいところ。ポイントは3つで以下となります。

  • ターンしないコース
  • 急坂の手前までほぼ下り
  • 急坂を上ったらすぐゴール

ひとつずつみていきましょう。最初にあげた「ターンしないコース」ですが、これは通常どこの競馬場でも1200mのコースは向こう正面のどこかしらからスタートし、3~4コーナーで180度旋回して直線を向かえ……、となるわけですが、この中山 外回りコースについては、角度にすると大体120度くらい?“曲がるだけ”の形状をしています。

そう、“曲がるだけ”なので、ほかの競馬場と違い4コーナーから加速していって、というかたちが取りづらく、如何にスムーズにカーブして直線を向かえることができるかが、レースの勝敗を大きく左右することとなり、下手をするとギュッと減速して直線を向かえることから、人馬ともコーナリングには気を使うコースであるということが、1つ目のポイントとなります。

次に注目したいのは、コースの高低差。中山と言えばゴール前の急坂が代名詞でもありますが、実はその急坂の“前後”がミソなんです!2つ目のポイントと3つ目のポイントはその意味でセットみたいなものなのですが、2つ目の「急坂の手前までほぼ下り」からいくと、文字通りスタートしてから急坂の手前までほぼ下りレイアウトになっていて、しかも1つ目のターンしないコースという点からもスムーズにコーナーを曲がった、もっと言うと“曲がれてしまった”場合、スピードが緩む地点が勝負どころの急坂までなく、コース形態上はハイペース必至のコースと言うことができます。

で、3つ目のポイントが出てくるのですが、ターンしない(スムーズに減速しないで曲がりたい)、坂下まで下り基調で息が入るポイントがなくハイペースになりやすいとくれば、必然的に“差し優勢”なコースとお考えになるかと思いますが、実はそんなことはなく、その理由が3つ目のポイントである「急坂を上ったらすぐゴール」にあります。

どういうことか?と言うと、自転車に日常的に乗る人(別にママチャリとかでいいです)であれば少しイメージはつくと思いますが、坂を上るとき、最も減速するのってどこでしょう?私は自転車通勤マンだったりするので答えを言ってしまいますが、それは坂の頂上手前から登りきったあとです。つまり急坂がゴール前に待ち受けているとはいえ、坂の前半はそれまでのスピードが活き、惰性で上っていけるのですが、頂上に近づくにつれ、その惰性がなくなり、上ったあとはもう1回自分でギアを入れないとスピードを戻すことはできません。競馬においてもこの話は多分通じるものがあって、ゴール前で差されるのって、急坂のある中山や阪神より、坂を上ったあとに1~2ハロン残っている東京や中京、あと坂がない京都だったりしませんか?

つまり中山の場合、急坂の頂上付近で減速しても、そこからゴールまでの距離が50mくらい(たしか)しかないため、後ろからくる馬にしても先行馬ほどでないにせよ坂上で減速することもあり、凌ぎきってしまうシーンがよく見られるというわけです。

ここまでをまとめますと、中山 外回り 1200mというコースは、前半はターンしない下り基調のレイアウトであるということから、ハイペースになりやすく、それでもコーナーで過度に減速を強いられる可能性があり、しかも急坂を上ったらすぐゴールということで、どちらかと言えば先行馬に有利なつくりとなっているものの、とは言え急坂での減速具合によっては、差し馬だって全然届く――総じて“何でもアリ”なコースであり、しかも何度も言いますが、特殊なコーナー形状ゆえ紛れもおきやすいため、レースの結果はやるごとに違う……、大枚をはたくには勇気のいるギャンブル性の高いコースだということです。

馬場は内が良く、強い先行馬もいるが……

で!ここからは今回のレースについてですが、なかなか難しいですよね……。とくに難しいのはコースが先行有利であり、かつ強い先行馬がレシステンシア、モズスーパーフレアに、重賞3勝のビアンフェ、夏の小倉で日本レコードを記録したファストフォースと、なかなかに多士済々……。どれかがマイペースにいけば実績からは勝っても、もとい馬券圏内にはきて不思議でない面々が揃っています。

が……!これらのうち今回どれかがマイペースにラップを刻めるのか!?と言えば、どれかが主導権を取り、先行有利なコース形態に加え、土曜日時点では内が全然生きている状態であり、先行馬有利は堅いのかな……?という感じはなくもありません。

しかし、徹底先行型が多いなかでもビアンフェとモズスーパーフレアについては“逃げて!”ナンボであり、レシステンシアにしても自分のペースで刻めてこそ!の馬であるわけで、各々が自身に優位に進めようとした場合、それらの思惑がぶつかり合うことで、先行馬総崩れの展開も想像に難くありません。

でもかと言って、先行馬同士が牽制し合い、たとえばモズが大外枠を利してビアンフェをマークする2番手に付けるなどした場合、ペースはある程度落ち着いてしまうことから、展開的には「つまらない?」と表現されてしまうかもしれませんが、“行った行った”であれよあれよで決まってしまうやも……!?とか思わなくもないものの……、総じておそらくは“行き合い”というか、モズなんかは直線でラチを取りたいわけであり……、乱ペースなんて言われる激しい展開になることも予想に難くありません。

そんな何とも言い難い感じで今日は印の馬に入っていきますが、それほどに今年の、というか、スプリンターズSが中山で開催される限り……!ということで、今日の印へとまいります。

ツッコミは覚悟のうえ……!

◎ 2枠4番 ピクシーナイト

先生やワイドウさんから……、「壁っ!!!」とか言われるのは覚悟のうえ……!本命はここからいこうと思いますっ!

“壁”とは……、何を隠そう、2016年のビッグアーサーのことですが、いまの馬場状態からしてロスなく回ることの優位性や、馬群の中からでも脚を伸ばせる器用さ、差す脚は残しつつ、要所でひと脚スイッチを入れられる緩急を覚えたこと――適性的にこの馬の右に出る馬は今回なかなかおらず、また“ビッグアーサーの福永騎手”と言えど……!5年前の彼といまの彼を比べるのはいささか軽率過ぎやしないか……?というほど、騎乗技術は向上しており、ここは5年前のそれとは違う手腕に期待して……!本命はここに打たせていただくことにしました!

〇 6枠12番 レシステンシア

今回出走する16頭がそれぞれ1頭ずつ1200mのタイムトライアルをやるなら、この馬がダントツに強いと思います。

しかし、競馬というのは今回であれば16頭立ての関係性、つまり展開ありきの競走であるということから、できれば自分のペースで速く走りたいこの馬にとっては、ある程度以上モズスーパーフレアなり、ビアンフェなりに付き合う必要があるわけで、付き合い過ぎれば脚が残らず、かといって前を好きさせるわけにはいかない立場にあるとなれば、コース形態などからは本命も視野に入るものの、展開のケチが自分としては多く、ここは対抗として買わないといけない馬の筆頭格という評価に留めます。

▲ 5枠9馬 クリノガウディ―

中京でレコード勝利を含む2連勝から、前走セントウルSもきっちり3着と、スプリント界の安定株となったクリノガウディー。

目下の安定勢力という意味では外すことはできず、また昨年の高松宮記念をみてわかる通り、地力が嚙み合えばGⅠを勝ち切る可能性はなくもなく、いまの充実ぶりから、まさに単穴!ということで▲とします。

△ 7枠14番 ダノンスマッシュ

ローテーションやら、伝え聞く状態やら、今回もこの路線の常連として遜色ない存在であるダノンスマッシュですが、気になるのはやっぱり枠順。よもやの土曜夜の雨により、馬場状態が本番でどうなるかが……、となってしまったものの、内めの馬場が生きている状態なのであれば、この枠はマイナス要素であることに間違いなく、地力・状態は良くとも、予想される展開からは、“抑えないといけないけど、微妙に苦しくなるかも?”で△の一番手でお茶を濁します。

△ 6枠11番 ジャンダルム

2走つづけて出遅れていること、今回はブリンカーを外してくるとのことなので、この2点は明確な不安要素として明らかではあるものの、脚力そのものはこのなかに入っても威張れるだけのものはあり、この脚力がどんなかたちであれ活かすことができれば、馬券の圏内にいて何ら不思議はない馬として印を打っておきます。

△ 7枠13番 アウィルアウェイ

3着した昨年と同様、前が滅茶苦茶な展開になれば、今年も外の追い出しやすい枠をゲットできましたし、個人的な印象として、本当の速い時計にはどうか……?と思っていたのですが、日本レコードが飛び出したCBC賞では鋭く伸びて3着。しかも1分6秒台で走り切れたことは評価に十分に値するものだと言えます。

ただ、昨年よりも内が生きている馬場状態でもあるため、大外一気一択の戦法で、昨年ほど着順を上げてこれるかが???ということで、△の3番手としました。

☆ 4枠7番 タイセイビジョン

この馬に☆を打ったのは2点。1つは溜めれば鋭い脚があるということ。もうひとつは乱戦でも馬群を捌けることです。おそらく進路どりひとつで如何ようにもなる馬だと思いますが、上手いことハマれば一発かませる脚力はあると思いますので、穴にはこの馬を推したいと思います。

+α 4枠8番 ビアンフェ

この+αの枠は、逃げる公算の高いモズスーパーフレアを入れておくのが定石かもしれせん。

でも……、この馬が一矢報いるのであれば、行ききる!!しかないわけで、それによりモズが控えてくれた日には……、もう……、あれよあれよで勝つまではないにせよ、「3着に残っちゃった!」はありえなくもないため、今回の「もう1頭!」にはこの馬を推してみたいと思います。

なお、+αという視座では、“行ったら強いよね~”のモズスーパーフレアも当然候補ではありますが、直線はラチがどうしても欲しいタイプであり、それには大外枠から強烈な先行馬がいるなかハナを取り切らないといけない。かといって控えたらラチが取れない……、となれば、ビアンフェとどう付き合うか?がポイントなり、最後は鞍上“の図々しさ”で松若騎手より藤井 佑騎手でしょ!という理屈でこちらを+αの1頭としました。


毎年そうではあるのですが、このスプリンターズSというのは、秋のGⅠ開幕戦とあり、テンションはそれなり以上に上がるのですが、そのテンションに任せて買うと……、今回触れた不確定要素の多さにやられるという、なんとも競馬ファンを“どツボ”に落とす恐いレース。予想は私なりにちゃんとしたので、自信はなくはないですが、“冷静と情熱の折り合い”はつけ、安全な投資で安全に乗り切りたいといったところです。

なお、冒頭のあいさつ「まいどぅ~~!」ですが、これは全国に確実にいるhanakotaファンの1人。私が勤める会社の地下にある居酒屋の元店長「まいどぅ~~店長」のご挨拶をそのまま使わせていただいています。

次回は普通にいけば秋華賞の展望でお会いするかと存じます。今日も最後までお付き合いありがとうございました。