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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ 皐月賞】実戦型か、素材型か

ナムラクレアの奮戦(本当によくがんばってくれました!言いたいことは山ほどあります!)から一週間。今週は牡馬のクラシック初戦!皐月賞を展望してまいります。

今日はまず、よろしければこの2つのレースをご覧いただき、それからお読みいただくとイメージが付きやすいかと思います。

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皐月賞の決着パターン

あくまで、私なりの捉え方となるのですが、皐月賞というレースには2つの決着パターンがあると思っていて、1つは多頭数のレースやマイルのレースを使い、激しい展開を経験してきた“実戦型”の馬が勝つパターン。もう1つは、レースを使った数、経験した展開のパターンの数は少なくても、非凡なパフォーマンスを見せてきた“素材型”の馬が勝つパターン。この2つのどちらかで大方の皐月賞は決着しています。

これをよく表したのが冒頭の2つのレースであり、2017年、アルアインがレコードで制した年が実戦型決着の典型例。対して、素材型決着の典型は2015年。実戦型のリアルスティールキタサンブラックが完ぺきな立ち回りを見せるなか、問答無用の末脚で2頭をねじ伏せたドゥラメンテが勝った年。そして、今年のメンバーにおいても有力各馬は以下のように実戦型と素材型とに分類できます。

※馬番順に記載

実戦型

  • キラーアビリティ
  • ドウデュース

素材型

GⅠ馬の2頭が実戦型?と思われるかもしれませんが、2頭はともに素材を抜群に見込まれてGⅠを勝ったのではなく、GⅠの舞台で、GⅠのながれに、実戦力を以て対応したGⅠ制覇であることから実戦型としており、素材型にあげた2頭は“言わずもがな”といったところ。

では、次からは実戦型の決着か、それとも素材型の決着か、今年の皐月賞がどちらに振れるのか?を見定めていきましょう。

並び、からの展開がポイントに

そもそも実戦型と素材型、どちらが勝つかの基準は馬そのものの地力がベースとなります。つまり、素材型のポテンシャルを実戦型の実戦力が上回るのか、実戦型の実戦力を素材型のポテンシャルが凌駕するのか、ということです。

そして、実戦力が活きるのか、ポテンシャルが活きるのか、これを左右するものが枠順の並び、からの展開となってくるわけで、木曜日に発表された枠順を見ると、実に……、な並びとなりました。

今年は登録時点で“ゼッタイ逃げたい!”ないしは“主導権を取りたい!”という馬が多く顔を揃えており、どの馬がペースを握ってもパンサラッサのような競馬はならないものの、これらの馬のなかで最も前に行きたいビーアストニッシド、デシエルトが逃げ・先行勢のなかでは最も外側に入ることとなり、内に目を向けても、アスクビクターモア、キラーアビリティ、グランドライン、ボーンディスウェイはもちろんのこと、オニャンコポンやドウデュースらも後ろになり過ぎるのは好ましくないタイプであることから、レース序盤は相当にゴチャつき、さらに結果的には落ち着くにせよ、テンのラップは速くならざるを得ず、ここに名前をあげた馬、とくに基本的にはながれに乗っていく実戦型の馬に関しては、必要以上に脚を使わされることが想定できます。

もちろん、展開とは“生モノ”であるため、ゲートが開いてみないことには分かりませんが、この並びになった以上、「すんなり落ち着いて、前有利の展開」にはなりそうになく、やや外有利となっている現在の馬場状態を踏まえても、最後の直線を内で踏ん張ることがキツくもなっており、まずは激しくなりそうなテンのポジション争いをやり過ごすことができ、かつ終いの決め手を高いレベル、言い換えれば時計自体は速いものが出る馬場状態のなか、鋭い上がりが使える馬――つまりは……、が皐月賞馬に最も近い存在なのでは?と思う次第です。

ホンモノか否か

今年の皐月賞は実戦型と素材型、どちらの決着パターンに振れるのか?私の結論は……、もう何となくお分かりかと思いますが、“どちらを”取ったのかは印で紹介してまいります。

◎ 8枠18番 イクイノックス
結論!今年の皐月賞は素材型の馬が勝つ決着となり、素材型のなかよりイクイノックスを選ばせてもらいました。

ポテンシャルの高さという点において、ダノンベルーガとの優劣は付けられなかったのですが、実戦力に乏しい2頭の枠順を見比べたとき、ダノンベルーガは1枠1番。先ほど述べたテンの激しさに巻き込まれるリスクがあり、かつ下げて激しいところを回避したとて、イクイノックスに外側からフタをされるシーンは想像に難くありません。

そのため、相手(ダノンベルーガ)に対し、優位にレースを進められるであろうこちらを本命とし、ダノンベルーガを対抗にしています。

東スポ杯以来のローテーションがどうか?はもちろんありますが、近年、競馬界の慣例をことごとく覆している“天栄仕上げ”の馬でもあることから、そこのところは深く考えず(それで良いのか!?はさておき)、「イクイノックスのポテンシャルがホンモノだった!」という結果に一票投じてみたいと思います。

 

○ 1枠1番 ダノンベルーガ
ポテンシャル、もとい素材の良さではイクイノックスに引けを取るどころか、条件が違えばイクイノックスを上回って何ら不思議ありません。

しかし、これも先ほど述べた通り、今回においては展開的な不安要素がイクイノックスより多いため、それをイクイノックス相手にポテンシャルの高さで凌駕できるか?は、まだ不確定であること。これを理由として対抗です。

 

▲ 6枠12番 ドウデュース
3番手は“実戦型”の有力馬としたドウデュースにしました。実は枠順が発表されるまでは本命の筆頭候補だったのですが、枠順を見て印をここまで下げています。

というのも、激しくなりそうなテンのポジション争いにおいて、両隣がオニャンコポンとビーアストニッシド。つまり、外から前をカットされるだけでなく、内側にも自身と同じような位置取りがほしい馬がいるため、スタートでほしい位置が取れるのかが、まず不確定であり、これらを過度にやり過ごしてしまうと、そこまで下げて通用するだけの末脚があるか?と言われれば……、なため、こうした懸念がすべて良い方に転じれば……!ではあるものの、その可能性は「ちょっと低いかな?」ということで単穴(▲)としています。

 

△ 7枠14番 ジオグリフ
ご存じの方も多いと思いますが、この馬にはノドの不安があり、こうしたこともあってか“あっさり?”ルメール騎手に手放されることとなりました。

しかし、福永騎手を確保できたことは大きく、しかも枠順もテンのゴチャゴチャに巻き込まれることのない外枠。人気もしていないことから福永騎手も無理せず終いだけの競馬をすると思われます。

個人的な見解にはなりますが、ノンプレッシャーのときこそ!福永騎手は仕事をしてくる騎手であるため、今回はその典型になるのでは……?と思い、半ばそれだけで△の一番手としました。

 

△ 2枠4番 キラーアビリティ
脚質と枠順を掛け合せたとき、全18頭のなかで最も恵まれたのはこの馬と言って良いでしょう。

が、あまり詳しくない私が見ても、調教内容が褒められたものではなく、この分野で私が最も信頼を置く、アラシさんの追い切り診断でも辛辣な評価となっていました。
それでも条件的には最も恵まれた馬であることには違いはないため、状態の不安を条件面でカバーできればと思い、△でお茶を濁しています。

 

☆ 4枠8番 ダンテスヴュー
☆ 5枠10番 ジャスティスパレス
今日は△を1つ減らして☆(穴)を2頭にします。どちらも前がある程度潰れることを想定して、よりながれに乗りながら着を拾うならジャスティスパレス、もう一列か二列後ろから差し込むのであればダンテヴビューなイメージでおり、それなりに良い枠順に入った差し馬2頭を伏兵候補としています。

迷ったのは逃げ・先行勢のアクスビクターモアとデシエルトで、前者は“ワンチャン”展開をモノにできる可能性があり、後者はやることのシンプルさから瞬間ハナを奪い取り……、ができるからとなるのですが、双方とも可能性としては相当に低いため、馬券購入の際の点数を考慮し、印としては消しとさせていただきました。


今週は木曜日に先生、シャケトラと久しぶりに競馬座談会をしたのですが、8時くらいから始めて、終電間際まで競馬の話“しか!”しないのは実に楽しかったですね。どんだけ競馬バカなんだ!?って感じですが、まだ話足りないので今度はワイドウさんなんかも呼んで盛大にやりたいところです。

来週はGⅠと同様中休みをいただきますが、再来週からはこれもGⅠと同じく!6週間連続で更新します!今年の春も、忙しくなりそうです……w