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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ 日本ダービー】勝ち馬候補4頭が持つ、戴冠へのシナリオとは

昨日の夜は2:00過ぎまで競馬エイトを真っ赤(実際は青ペンだったので真っ青)にして……、にも関わらず今朝7:00には起きいた私。

週末のルーチンであるお宮参り(この話はいつかどこかでします)も済ませ、いまこうして筆を執ったのが2021年5月29日(土)の午前9:00。いよいよ明日に迫った日本ダービーの発走まで約30時間となったここ!下北沢のコメダ珈琲からレースの展望をお届けしたいと思います。

ちなみに、今日は印まで紹介しますが、予想ではなく「展望」でいかせていただき、予想については今夜もう1本公開する“あるレース”の予想と一緒に触れたいと思います。

勝ち馬候補は4頭

まずは今年の出走馬における勢力分析から。ご存じの通り主軸のローテたる皐月賞は、エフフォーリアが実質スローのながれを3馬身ちぎる結果であったわけで、さしたる展開の“アヤ”もなかったことを踏まえれば、ここでエフフォーリアがつけた着差、というか実力差は歴然。しかも「中山は向かないのでは?」と思われていたなかでの圧勝劇ということで、皐月賞組がエフフォーリアを逆転するのは地力ベースでは難しく、エフフォーリアに勝つ馬が現れるとしたら、ほかの路線から駒を進めてきた馬となり、当然エフフォーリアはダービー馬になる資格を有する1頭となります。

では、ほかに3頭いるとした勝ち馬候補は別路線組にいる、となるのですが、その路線はどこか?というと、桜花賞毎日杯。馬でいえばサトノレイナス、シャフリアール、グレートマジシャンの3頭がこれに該当し、ふたつのレースはともに破格のレコードで決着したことからも3頭のスケール感というのは、エフフォーリアと比肩できる器といって問題ないでしょう。

とはいえ、この3頭は牡馬クラシックの王道、言い換えればダービー馬の王道には乗っておらず、距離やレースでの経験値に明確な不安要素があることは忘れてはなりません。

つまり、ポテンシャル、地力面からみた際の勝ち馬候補は4頭となるわけですが、この世代の中心はあくまでもエフフォーリアであり、逆転候補にあげた3頭にない“王道を歩んだ経験”。これを考慮すると現在の単勝人気が示す通り、断然の存在なの“かも”しれません。

4頭が持つ必然シナリオ

これは私の持論ですが、ダービーというレースだけは、人馬の力量、レースの展開、馬場読みといった競馬の予想をするうえで依り代とする一般的な要素の組み合わせだけでは決まらないレースだと思っており、勝ち馬には勝ち馬たる“必然のシナリオ”が必ずと言ってあるレースだと断言しても良いくらいです。

たとえば、昨年の勝ち馬コントレイルの場合、父であるディープインパクトがこの世を去って初めてのダービー、しかも馬番はディープと同じ3枠5番。父以来の無敗の二冠という弔い星をあげるのにこれだけのお膳立て的偶然が重なっていたり、一昨年のロジャーバローズにしても、若くしてリーディングを獲得するも、ミッキーアイルでのマイルCSでケチが付き、素行なのか?技術的なものなのか?はわかりませんが、騎手人生におけるどん底を味わった浜中騎手が劇的なカムバックを魅せたりと、人馬どちらか、もしくはその両方に勝つべくして勝つシナリオが存在します。

そして、先ほどあげた今年の勝ち馬候補の4頭にも“勝つためのシナリオ”は当然それぞれにあり、どのシナリオが完遂され、大願成就となるのか?これを読むことこそ、ダービーというレースを予想するために必要な、ダービーだからこそ必要な予想ファクターだと思っています。

では、今年はどんなシナリオでどの馬が勝つのか?印に沿って完成されそうなシナリオを描いていってみるとしましょう。

◎ 8枠16番 サトノレイナス
現在の競馬界のトレンドといえば!牝馬と外国人ジョッキー。これはどうしたって抗うことはできず、アーモンドアイ、ラッキーライラックという牡馬を一蹴してきた強い2頭が引退したにも関わらず、大阪杯を勝ったのは新星 レイパパレ。天皇賞・春でもカレンブーケドールが牡馬最後の砦と言っても良い長距離レースで3着するなど、今年に入ってからも牝馬のながれは留まることを知りません。

また、サトノレイナスに騎乗するのはルメール騎手。アーモンドアイは言わずもがな、ラッキーライラックでも昨年のエリザベス女王杯を勝ち、先日のヴィクトリアマイルでエグい勝ち方をしたグランアレグリアの主戦も務めるなど、牝馬の躍進には“この人”ありの大活躍。

しかもサトノレイナスの所属は、何を隠そう国枝 栄厩舎であることもシナリオを描くのに十分な素材になっており、牝馬三冠をアパパネとアーモンドアイで達成するも牡馬のGⅠ、もといクラシックには縁遠い国枝師が、定年間近となったここで得意の牝馬、しかもルメール騎手でサトノレイナスを送り出してくるというのは如何にも出来上がったストーリー。馬自身もどう考えてもマイルの馬ではないながら、“マイルの馬”ソダシとあれだけ肉薄するわけですから、ウォッカ以来14年ぶりの快挙は達成されてしかるべきのシナリオなのではないでしょうか。

〇 1枠1番 エフフォーリア
いまのトレンドが牝馬と外国人ジョッキーなら、次のトレンドとなれる可能性があるのが、種牡馬としてのエピファネイアと、日本人の若手騎手 横山 武史騎手。そして、牡馬。

一時代を築いた大種牡馬ディープインパクトが旅立ち、種牡馬としての覇権争いが一層激しくなるなか、昨年の牝馬三冠につづき、牡馬クラシックにおいても無敗の二冠を達成、となれば、エピファネイア種牡馬としての地位は、それこそ盤石なものになるでしょうし、鞍上の横山 武史騎手にしても、すでに非凡という言葉では足りない活躍をみせており、将来はある程度約束された存在ではあるものの、いまの勢いのまま、一気に頂点に立つことで、彼が今後の競馬界のトレンドになることを満天下に知らしめる――競馬界における新しい時代の1ページがめくられる。それが今年のダービーだったというシナリオです。

▲ 7枠13番 グレートマジシャン
これは何と言っても戸崎騎手。中央移籍直後から着実に結果を残し、2014年から2016年まで3年連続リーディングと、まさに順風満帆の騎手生活を送っていたものの、その後リーディングはルメール騎手の指定席となり、戸崎騎手はリーディングの“高値安定”状態に。

そして、一昨年の浦和で行われたJBCレディスクラシック。右肘開放骨折という大けがを負い、半年以上戦線を余儀なくされ、いつしか騎手としての地位は底の方まで……、となってしまいました。

正直いまも彼を取り巻く環境が良いかと言えば、先述の横山 武史騎手の台頭などもあり、決して恵まれたものではありませんが、チュウワウィザードとのコンビでは、国内外でしっかりと存在感を出しており、グレートマジシャンでも一発!となれば、まさに“戸崎 圭太ここにあり!”を見せつけるのに持ってこいの舞台となります。

それに、戸崎騎手はダービーで2年連続2着ということも経験しており、そろそろ順番が回ってきてもおかしくない感じもシナリオに書き加えられそうなエピソードとしてあったりします。

△ 5枠10番 シャフリアール
福永 祐一、真のトップジョッキーの領域へ。この馬が勝つシナリオはこれに尽きますね。福永騎手とダービーといえば、1998年のキングヘイローの呪いに始まり、エピファネイアでの惜敗を経て、2017年 ワグネリアンでの悲願、そして昨年、二度目のダービー制覇となったコントレイルでの無敗の二冠達成。こうしたキャリアを経験するなか、とくに2017年以降の福永騎手というのは、どこか“憑きもの”が取れた感は非常に強く、もうダービー、というか大舞台に弱い姿という印象は、ここ数年ですっかり払拭されたように思われます。

そんな福永騎手が真のトップジョッキーになるシナリオ。それは、この馬で“しれっと”勝つこと。ある意味いやらしく、憎たらしく勝つことで、武 豊騎手のようなレジェンドへの扉を開くのがここ、となるのではないでしょうか。


筆を執ったのは9:00でしたが気づいたらもうお昼なんですね(お店もコメダ珈琲からZACという喫茶店に移りました)^^;もうちょっと早く書くつもりでしたが、ダービーだからか?いろいろ考えこんでしましました。

今日は夜にもう1本!冒頭で述べた通り“あるレース”の予想と、ダービーのヒモ候補を紹介!みたいな感じでいこうと思いますので、この週末は長くお付き合いいただけますと幸いです!!

P.S. 今日も指定席が当たったワイドウさん、今日は馬券“も”期待してます!