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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ NHKマイルカップ】クジ引きレース!明日の運勢は……?

100回やったら100通りの結果が……、なんて言われるレース、たまに見聞きするかと思います。私はそれを今日のタイトルにもした「クジ引きレース」と呼んでいるのですが、明日行われるNHKマイルカップは、まさにこのクジ引きレースに相応しい、大混戦の様相を呈しています。

では、何で?どうして?NHKマイルカップは(実は例年通り?)クジ引きレースになるのでしょうか?そのわけを私なりに紐解きながら、クジ引きがクジ引きたる所以とともに、それなりの根拠を以って展望してまいります。

<クジ引き要素①>マイナー路線ゆえの情報の少なさ

NHKマイルカップがクジ引きレースである最大の要因はこれ。レースが組み込まれている3歳マイル路線という路線が如何せんマイナーであることとなります。

なぜマイナーなのかは体感的に皆さんもお分かりのこととは思いますが、この時期の3歳のレースといえばクラシック。世間の注目は今月下旬にあるダービーであり、オークスであり、に集まることはことは言わずもがな。このクラシックで足りないと見られた馬も多く参戦するNHKマイルカップは、かつては「マルガイダービー」とも呼ばれ、かのエルコンドルパサーなども輩出しているものの、いまは「クラシックに乗れない馬のためのGⅠ」という側面も大いにあり、世間も、そしてマスコミも積極的に情報を出さないことから、予想する私たちにしても、あまり多くの情報を得ないままレースに臨むこととなるわけです。

しかも、このレースのトライアルは、マイナー路線であることをまさに象徴するかのごとく、すべて土曜日に行われており、昨年勝ち馬も出したファルコンステークスに至っては第三場での開催。レース自体への注目もさることながら、これらに出走してくる馬の情報も乏しく、しかも競馬界におけるこの路線の地位も低いことから、ジョッキーも本番と異なっていたり……、クラシックとは比べものにならないほど、事前の情報、もとい予想の依り代となる“決め”を作りづらいことが、このNHKマイルカップをクジ引きレースにしていることに繋がっています。

<クジ引き要素②>まだ見せていない能力がある

これは情報の少なさのひとつになりますが、レース、出走馬に関わる情報が少ないということは、言い換えれば出走馬の能力、たとえば「思ったより瞬発力あるじゃん」であるとか、「道悪もいけるじゃん」のような、まだ見せていない(見えづらい)能力が、多くの馬に隠されている可能性があり、ここを見極めるには過去のレースのラップや、調教時計など、馬の能力の本質をかなり細かく、正確に把握せねばならず、しかも見極められたところで、能力がきっちり出せるかは……、やってみないとわからないもの。

仮に各馬の能力を正確に手の内に入れたとて、レースである以上、展開があり、馬という言葉の通じない動物が行う競技である以上、すべてを知り得ることは不可能。こうした不確定要素はすべてのレースに介在するものですが、情報が少なく、知らないことが多いレースであるほど、より存在感が極まるものとなり、予想を難解にさせています。

<クジ引き要素③>行きたがる藤岡(佑)騎手と、行きたがらない福永騎手

3つ目のクジ引き要素はレースの展開。今回のメンバーを見渡したとき、これは多くのマスコミでも言われていますが、逃げ・先行馬が比較的多く揃っており、ペースは流れるとの見方をされています。

が、私自身、本当にそのまま流れるのか?と言われると、その可能性もある、くらいでみており、それがなぜか?というと、見出しにもあげた2頭、2枠4番のバスラットレオンと、8枠18番のピクシーナイト。おそらく逃げるであろうどちらかの鞍上に理由があります。

バスラットレオンの藤岡 佑介騎手は、積極的にポジションを取りにいく騎手であることに対し、ピクシーナイトの福永騎手というのは、相手の出方次第でレースを組み立てる騎手であることから、自らレースを主導する逃げという戦法を嫌う騎手

しかし、福永騎手のピクシーナイトという馬は、逃げてナンボな感が強く、さしもの福永騎手といえど、人気も人気であることから、馬のリズムに合わせ、ニュートラルにハナを取りに行くことが想定されます。これに対しバスラットレオンの藤岡(佑)騎手も先行できないと勝機はない馬であることから“押して押して”のスタートになるはずで、2頭(2人)がやり合えば、大方の見方通りペースは流れることとなります。

が、ピクシーナイトがポンっと出て、バスラットレオンが出負けしたり、逆に藤岡(佑)騎手が“押しに押して”強引にハナを取るようなことがあると、かえってペースは落ち着くはずで、そうなるとスピードに優るグレナディアーズあたりは堅苦しい競馬を強いられ、これにより、よもやの伏兵が台頭することは想定すべき展開とみて、しかるべきものと考えます。

では、クジ引き要素を整理したところで、明日私の引くクジをここからは印に沿って紹介していきます。

◎ 2枠3番 ルークズネスト
明日はこの馬からいくことにします。理由は追い込んで2着にきたシンザン記念から一変、逃げて好タイムで勝ち切ったファルコンステークスでみせたパフォーマンスが示す通り、ポジションさえ取れればスピードにも対応できる点にあります。

また、こういうときの幸騎手というのも非常に頼りになる存在で、デビューから一貫して乗り続けてくれていることで前走の逃げがあった通り、この馬のウィークポイントたる瞬間的なスピードの無さを補う騎乗はしてくれるものと考えられ、それをするには枠も絶好!期待を込めて、この馬に明日の運勢を託したいと思います!

〇 7枠13番 ホウオウアマゾン
馬柱やレースぶりだけを見れば、この馬が最も安定感のある存在となります。ただどうしても気になるのは、毎回一生懸命走り過ぎてる感はあり、ここで一気に間隔を詰めてきたのはどうも解せないところがあります。

また、スタートも良い馬だけにそこそこのポジションは取れそうなものの、しっかりと取り切れるかは懐疑的なところであり、枠も枠だけに外を回り続けてしまうリスクもあることから、ここは安定の〇(対抗)という感じです。

▲ 5枠10番 ソングライン
気の繊細な牝馬だけに前走で受けた不利の影響は不確定要素となります。ですが、紅梅ステークスを良い時計で走ったこともまた事実であり、そのポテンシャルを最大限発揮してくれれば!という視座で単穴評価としました。

△ 4枠8番 グレナディアーズ
1頭、57㎏を背負わされたとはいえ、ファルコンステークスの内容は中内田調教師曰く「正直7~8割のデキ」とはいえ、物足りなさを感じたのはこちらとしても正直なところ。朝日杯を圧倒したスピードだけを認め△の1番手にはしたという感じです。

△ 7枠15番 シュネルマイスター
これについてはわかっている能力だけなら、ペースに対応できるか?であり、加えてスピードの最大値もまだ測り切れておらず……、けど、これらをクリアするのであれば、馬のスケールは小さくないだけに抑えはしておきます。

△ 6枠12番 ランドオブリバティ
いろいろと話題のこの馬も一応抑えておこうと思います。ご存じの通り難しい馬ではありますが、スピードはそこまでないものの、持続できる脚はある程度しっかり持っており、前崩れがある展開になれば、これまで中距離路線で培った脚力が活きてくる可能性があるかもしれません。

☆ 3枠5番 リッケンバッカ―
前走アーリントンカップでの好走でバレてしまった感はありますが、今回本命にしたルークズネストと接戦したこともあり、この路線であれば十分に通じる素材ではあると思います。出世は遅れてしまいましたが、何とかこの舞台にも間に合いましたし、これまで騎乗してきた騎手のラインアップからしても素材自体は認められるものがあると思われ、ここも侮れない馬として穴に推させていただきます。

消 2枠4番 バスラットレオン / 8枠18番 ピクシーナイト
先週ここで取り上げたカレンブーケドールが見事に3着にきましたので、今回もそれと同じく、どうしても当てたければピクシーナイトは抑えるべきと思いますが、バスラットレオンについては、前走も含め、これまでのレースがちょっと温く、ここは人気の一角といえど敷居が高いと思っています。


馬券についてはシンプルに。◎ ルークズネストからの3連複を印の馬にながし、ピクシーナイトは馬券を買うときの「当てたいっ!」気持ち次第で入れるか、入れないか。

クジ引きレースにおける私のモットーである“少額に留め”て、もし当たったらラッキー!で今週末はやり過ごす気でいます。

来週は快速牝馬頂上決戦!グランアレグリア vs レシステンシアに注目が集まるヴィクトリアマイルを題材に、ここ数年私たちの予想を狂わせる?東京競馬場の超々高速馬場について論じてみようかと思います。