hanakota horse club

中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【GⅠ 天皇賞・春②】これぞ!ステイヤーの頂上決戦!!

今日はもちろん、木曜日に公開した第1回につづき、天皇賞・春を展望!ここでは土曜日の競馬をみての馬場読みから、注目馬の見立てを中心に、レースの予想を披露してまいります。

なお、今年初めて施行される阪神競馬場 芝 3200m(外→内)の解説は、先日の更新でたっぷりと触れていますので、コースについての詳細は、下にあるリンクをご参照ください。

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 雨は降っても、降らねども

ということで今日はここから。明日の馬場状態について考察を巡らせていこうと思います。

が……、この週末は私が住む東京地方も含め、全国的にかなり大気が不安定な状態にあり、土曜日の阪神競馬場がある宝塚市にしても、当初の予報では昼過ぎから断続的に降る予定だった雨が、実際には9~10Rの間、まとまって降るようなことになっており、明日にしても昼ごろからレースが行われる時間あたりまで傘マークがあるものの、どんな降り方をするのか?そもそも降るのか?は神のみぞ知るところ……。

ただ、土曜日は雨の影響で芝のレースは10Rのみ稍重発表でしたが、時計への影響はさほどなかった模様で、開催最終週をむかえてなお、十分に「高速馬場」と言える時計を掲示しており、見た目は荒れてても、馬場の内側の状態も走りにさほど影響を与えないものと見て取れます。

しかし、もし短時間でも急激に天気が悪化し、雨が激しく降るようであれば、大阪杯の日と同様、外一辺倒な馬場になることも十分に考えられるだけでなく、内側の馬場が見た目ほど……、とはいっても、距離ロスのある外側の馬も内と同じか、それ以上にきており、おそらく馬場の状態だけでいえば「内<外」の状態にあると考えられます。

そして、これはコース解説でも触れましたが、勝負どころとなる2周目の3~4コーナーは内回りを使用。自ずと仕掛けは早くなるでしょうし、そうなると内の馬はペースアップに付き合わされ、かつ状態のあまりよろしくない内を通らされる……、となると、その度合いは雨の降り具合によるものの、基本、馬場は外有利とみて良いのではないでしょうか。

やはり勝負はスタミナ比べ

これはもう結論と言って差し支えないところですが、雨が降っても、降らなくても、コース解説で言った通り、この阪神競馬場の3200mというのは、前半はゆったりとした外回りのレイアウトを使いペースが上がりやすく、後半は内回りで仕掛けが早くなり、最後は全馬我慢比べの消耗戦になる。

つまり、適性的にはスタミナに特化したコース設定であり、たとえベースが速い馬場だったとしても、レースの上がりが34秒台なんてことはまず考えられず、速い脚や瞬発力といった適性は、まず求められない条件となります。

加えて、雨の影響が馬場に及ぶのであれば、より高いスタミナ性能が求められることは自明の理。やはり例年の淀とは異なり、勝負はスタミナ比べの様相となるみて、これも前回から言っている通り、牝馬やスピードに優れた馬は軽視とし、スタミナに秀でた馬、とくに今年でいけば、タフなコンディション下で距離以上のスタミナが求められた阪神大賞典を重視し、印はこのようにいきたいと思います。

◎ 6枠12番 ディープボンド
この馬を本命にする理由は、前回から一貫して述べているスタミナ。また、折り合いの不安もまずないという点に尽き、入った枠もやや外めの6枠12番。

ここからであれば序盤で無理を強いられることもなく、勝負どころで身動きが取れなくなったしまうこともあまり考えられず、必ずしも勝つ!とは言い切れないまでも、軸として選ぶには最適解と言える馬ではないでしょうか。

また、これは関西圏で行われるGⅠレースの鉄則でもありますが、関西、とくに内回りが絡むレースは関西馬×関西ジョッキー”を買え!ということで、その条件にも一致するこの馬から勝負したいと思います。

〇 4枠7番 ユーキャンスマイル
右回りが……、とか、主戦の岩田騎手が……、と、いろいろと“いちゃもん”は付くのですが、右回りに関しては、ここ2年の阪神大賞典の結果を見る限り、さほど問題視するものでも……、と思われること。あと前走も代打とはいえ、藤岡 佑介騎手が先入観なく、この馬の力は引き出してくれていること。実は世間で言われているほどの不安要素は少なく、ここも地力を発揮してくれれば、出番はあって不思議ない馬として、〇(対抗)評価としました。

▲ 1枠2番 アリストテレス
持っている能力だけならメンバー中No,1と言って差し支えないでしょう。しかし、前走でまったく折り合わなかったあたり、エピファネイアの狂気”とも言うべきか、揉み込まれると明確に脆さはみせており、入った枠も1枠2番……。

如何せん鞍上はルメール騎手ですから、ここからでも上手いことやってのける可能性はあり、それができたら“ぶっちぎる”まであり得るとは思いつつ、枠が枠なのでここは▲(単穴)がしかるべき、としています。

△ 1枠1番 ワールドプレミア
ここで初めて阪神大賞典組以外から、となりますが、前走の日経賞は一見イマイチに見えるものの、あの温いペースの前残りでよく馬群を捌いて3着まできており、ようやくこの馬も「戻ってきたな」と思わせるパフォーマンスでした。

今回も再びの内枠ということで、どうしても後ろからいく馬でもあるため、もう1回上手に捌けるか……?はやってみないとですが、能力的には抑えないといけない馬と評価しています。

△ 7枠13番 ナムラドノヴァン
再び阪神大賞典組に戻ります。この馬は、今年の長距離路線において着実にステップアップしてきており、走るごとにレースレベルと斤量をクリアしてきてくれています。脚質的には後方一気に近いため、前崩れが必要ではありますが、最後に脚は確実に使ってくれますし、オッズ的にも食い込んでくれればうれしい馬として、馬券的に狙っていきたい馬であります。

△ 8枠17番 オーソリティ
鞍上は川田騎手。ここまでは良いのですが、馬は初めての関西遠征となり、入った枠も大外枠。ダイヤモンドステークスも勝ち切ってほしいところだっただけに、上位に評価した馬からは1枚落ちる感は否めません。それでも能力的には一定以上ある馬ですし、実力をきちんと出せば、ということで、抑えとさせていただきました。

☆ 8枠15番 オセアグレイト
このレースがスタミナ特化の消耗戦になるならば……!スタミナだけは、というよりスタミナしかないこの馬にも出番が回ってくるかもしれません。決め手は皆無と言って良いだけに、ほかの馬のそれが活きてしまえば用なしは目に見えていますが、とにかくバテないこの馬が、なんか残ってるという光景はあって不思議ない光景として穴に抜擢したいと思います。

消 2枠3番 カレンブーケドール / 7枠14番 ウインマリリン
消した馬からは牝馬の2頭に触れておきたいと思います。理由はもうここまでで述べている通り、例年通りの淀とは違い、適性がかなりスタミナに寄った消耗戦への対応力が求められる点にあることです。

あまりの決め手のなさを“女ステイヤーとみるなら、カレンの方は当てたければ抑えても、とは思いますが、基本この2頭は消しという評価で臨みたいと思います。


もはや偏重とも言える高速化がつづく日本の競馬界において、天気や馬場といった要素はあるものの、ここまでスタミナが重視される舞台というのは近年あまりないように思われます。

これもすべてはレースが行われる「外回り→内回り」という特殊な条件で開催されることにあり、それゆえに長距離レースで本当のステイヤーが活躍できる、まさにステイヤーの頂上決戦にふさわしい舞台になったと、私自身は考えています。

掲示板に赤く光る「レコード」の文字には胸躍るは当然。けど、明日に限っては、これとはまた違った興奮を味わわせてもらえることでしょう。