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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

<重賞展望_チャンピオンズカップ(2018)>2週連続の偉業はなるか?ーダート新時代の趨勢を占う

2分20秒6の衝撃。

あれから一週間が経ついまも、その余韻に浸りきっている私ですが、つくづくあのレコードというのは感慨深いもので、不朽の世界レコードとされたホーリックスの2分22秒2から数えること30年。何の因果か、その30年後にあたる平成最後の年に、その30年間でたった0.1秒しか縮まらなかった記録をいとも簡単に1秒以上更新されることになるとは……。

しかも、その新たな世界レコードがついに日本馬によってなされた記録であるということもまた大きな意味を持っており、ジャパンカップが真の意味で「日本馬の、日本馬による、日本馬のための」レースになった瞬間といえ、いまでは凱旋門賞を勝つのも時間の問題といわれる日本馬の実力を示すのに十分過ぎるインパクトを与えるものとなりました。

さて、今週もそのアーモンドアイと同じ3歳馬に注目が集まる下半期ダートの総決算、チャンピオンズカップ中京競馬場を舞台に行われます。

そんなわけで、まずはアーモンドアイに続く快挙達成はなるか?ルヴァンスレーヴに対する私なりの所感から展望をはじめて参ります。

そもそも3歳馬の活躍は?

2000年に始まったジャパンカップダートの時代から場所や名を変え今年で19回目となる下半期のダートGⅠ。

過去18回のうち、3歳でレースを制したのは3頭を数え、1/6は3歳馬が勝っているというのは意外にも多い印象を受けます。

しかし、2006年のアロンダイトを除く残りの2頭は2001年のクロフネ、2005年のカネヒキリと、いずれも歴史に名を刻むだけの名馬であり、まずはルヴァンスレーヴがこの2頭に比肩しうる実力を持っているのか、ここまでの戦績を比較しながら測ってみたいところです。

はじめに共通点を探っていくと、クロフネカネヒキリともに既にGⅠ馬であったということ、それはルヴァンスレーヴにも同じことがいえるわけで、さらにいうなら、同世代のなかではこの時点で抜きん出た存在であった。そして、あることは疑いないでしょう。

対して、クロフネカネヒキリと比較して不安になる点は、2頭はそれなりのポジションは取ることができていた(カネヒキリ武蔵野ステークスで出遅れてますが……。)のに比べ、ルヴァンスレーヴは、すべて大味に外を回して、能力差や身動きの取りやすい枠や展開に恵まれてきたということを忘れてはならず、今回2枠2番に入ってしまったことは不安意外の何物でもありません。

JDDでは1枠1番から「下げて差す」という離れ業をやってのけたとはいえ、メンバーレベルも格段に上がり、機動力も問われる舞台設定であることからすれば、上手くゲートを出て、流れに乗れば圧勝まであっておかしくないものの、大方の不安通りスタートが決められなかった場合、最後に差してきても掲示板止まり、そんな結末も十分にあり得る、印としては▲が最もらしい評価といったところでしょう。

ポイントは向こう正面

今回のメンバー構成は、中距離よりももう少し長い距離を得意とする馬が多く、かつ先行馬が少ない顔触れとなっています。

しかもその先行馬が、今回の1800mよりも長い距離を得意とするタイプの馬であり、序盤のペースは緩く、隊列の決まりもスムーズになると予想することができます。

そうなると、この先行するであろうスタミナ豊富な先行勢が俄然有利な展開となり、いわゆる"行った行った"の競馬になることも考えられます。

しかし、そうはさせじの差し・追い込み馬はノーチャンスかといえば、そうではなく、そのカギを握るのが7枠13番のミツバ。

出足は"死ぬほど"遅いため、今回も確実に後方からの競馬となると思われますが、この馬の戦法は向こう正面からのマクり、からの粘り込みなわけで、悠々先行していくであろうサンライズソアやケイティブレイブにどれだけプレッシャーを掛けられるのか、はたまたスタミナに自信のあるこの2頭が後ろからの仕掛けを許さないペースコントロールをするのか、ミツバが仕掛けてくるであろう向こう正面は、このレースにおける最大の注目ポイントとなることでしょう。

それでは、この攻防の決着、その予想も踏まえた私の印をご紹介します。

◎ 5枠8番 ケイティブレイブ

結論からいえば、向こう正面の攻防を制するのは先行勢、なかでもこのケイティブレイブだと思います。

というのも、この馬自身は1800mよりも2000mで強さを発揮できる馬であり、まずスタミナが豊富であること、また地方の競馬場で活躍していることからコーナリングなどの機動力に優れ、スタミナにものを言わせた追走力を持っていることから、ある程度緩めの入りができればミツバが絡んでくるであろう地点からでもゴールまで"保たせられる"ことはでき、弱点となるキレ味のなさを補える展開を自ら作り出すことができれば、好走できる算段は非常に高いといえるでしょう。

あとはその展開を福永騎手が演出できるかどうか、この馬とは長くコンビを組んでいるだけに強気のエスコートを期待したいところです。

◯ 5枠9番 サンライズソア

おそらく逃げるのがこの馬。

しかもこの馬の逃げは淡々と平均的なラップを刻むもので、あまり緩みを作らないのが特徴です。

実をいうと、ケイティブレイブを本命にしたのはこの馬の存在が大きく、上述した逃げのスタイルを考慮した場合、後ろからこれるかはかなり微妙なものとなり、先行勢で決着する公算が立つということです。

でも、この馬を対抗としたのは、やはりどうしたって目標にはなってしまうほか、お世辞にも乗りやすいとはいえないタイプで、いかにモレイラ騎手といえど、初めての中京で力を発揮してあげられるかが懐疑的にならざるを得ないからです。

▲ 2枠2番 ルヴァンスレーヴ

理由は先ほど触れた通り。出れば圧勝まであれど、出なければ惨敗も?な評価です。

△ 3枠5番 ノンコノユメ

△ 7枠12番 ウェスタールンド

この2頭はまとめて。

基本は先行有利とみているものの、ケイティブレイブサンライズソアはともにスタミナ豊富なステイヤーに近いタイプ。

つまり、早めから仕掛けていくことで振り落とされる馬は当然いるわけで、それに替わって台頭する馬、そう直線で脚の速さだけで何とかする馬としてこの2頭を抑えておくことにします。

△ 2枠3番 パヴェル

BCクラシックは大敗してますし、GⅠ勝ちもハンデ戦でのもの。

それでもアメリカのトップレベルでそこそこに安定して走ってはいて、輸送や初めてのコースなど、どうしても不利な要素はあるものの、能力的には足りていて不思議なし。

☆ 8枠14番 ヒラボクラターシュ

3歳勢のなかでは伏兵扱いの存在ですが、この馬、多分この舞台は向くと思います。

幸いにして自由度の高い枠を引くこともできており、持ち前の機動力でどこまで?となりますが、それこそ強いケイティブレイブサンライズソアに食らいつくことができれば、「行った行った」になったとき、この馬が残っているシーンがあっても良いでしょう。

※見送った有力馬

サンライズノヴァとオメガパフュームは見送りとした。

理由としては双方とも機動力に欠けるうえ、印るを回したノンコノユメウェスタールンドよりもエンジンの掛かりが遅いからで、仮に持ち味の末脚が発揮されても、それが馬券圏内に届くまでとはならないと読んでいます。

以上、今日は久しぶりにたっぷり時間があったこともあり、じっくり書くことができました。

でも、来週、再来週あたりはまたどうなるかは???な感じで、もしかすると2歳GⅠの2回は更新をお休みさせていただくかもしれません。

その場合、次にお会いできるのは有馬記念となりますが、さすがにそこは何がなんでも更新しますので、レースの展望だけでなく、有馬記念にまつわるさまざまなお話も一緒にできたらと思います。

それでは、「2週間休みますよ」と言ってるようなものですが、次回お会いできる日を楽しみにしていただけますとうれしいです。

明日は久しぶりに師匠、ねいたん、んまんま君との競馬デー。中山の指定席に朝からいって参ります!!