hanakota horse club

中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

<重賞展望_エリザベス女王杯(2018)>道中での位置取りと、追い出しのタイミング

なんだかGⅠでも予習を書かないのが普通になってしまった感じもありますが、ここから年末までは、毎週GⅠとなりますので、展望だけでもがんばりたいところです。

では、連続GⅠの幕開けにして、秋シーズン後半戦のトップを飾る牝馬決戦!エリザベス女王杯を展望してまいります。

ポイント① 序盤のポジショニング

このレースが行われる京都芝2200mは、例えるなら秋華賞が行われる2000mのコースをそのまま外回りに替えたイメージの形態をとっています。

そのため、スタートから1コーナーまでの入りが激しくなりやすく、それこそ秋華賞でのミッキーチャームしかり、外枠から先手を取るにはスタートの速さはもちろんのこと、「何としても取りきる!」というジョッキーの明確な意思も必要となります。

で、今回のメンバーを見渡してみたところ、先手を主張し、かつこのメンバーに入ってもそれができそうなのはクロコスミアくらいで、枠にしても極端に外、というわけではないことから、昨年と同様、逃げねばりのシーンが想像できるかとおもいます。

しかし、今年に関しては、枠はまあ良しとして、並びがちょっと微妙で、逃げまであるハッピーユニバンス、プリメラアスールは自身のスピードで負かせるにせよ、この2頭以外の番手付近を狙ってくるであろう馬がクロコスミアの近くの内におり、昨年ほどすんなり位置が取れるとはなかなかみづらいところであります。

なのでレースの序盤は、ハナというより、その後ろのポジション争いが激化して、これによりハナを取りたい馬が相対的に脚を使わさせられる比較的激しい序盤になるとみています。

ポイント② どこから追い出すか

とはいえ、コース形態上、コーナーに入ってから向こう正面の坂までは十中八九ペースは落ち着くことから、隊列さえ決まってしまえば、基本的には前め、かつコーナーをロスなく回してる馬が有利な展開となることでしょう。

しかし、序盤がやや荒れそうな気配があるなか、今年の京都は外差しも比較的開催の早い段階から決まっており、道中溜めて、外からズドン!も全然ありえる馬場になっていて、高速状態では御法度といえる大外一気が決まる可能性があり、序盤のポジション取りで内を通す馬が消耗すれぼするほど、この可能性は高くなるといえるでしょう。

つまり、このコースの定石通りロスないコース選択から馬群を捌いてくるのか、ある程度のコースロスは覚悟で、序盤のポジション争いには参加せず脚を溜めて最後の直線に賭けるのか、どちらのタイプの馬に展開が味方するかを見極めるレースになるということです。

上記2点、今日は展開を重視した予想ポイントから、結論として私の印をご紹介します。

◎ 4枠7番 モズカッチャン

自分でも押し出された感は否めないところもあります。けど、ほど良い枠、並びに入っていることは確かですし、前走の札幌記念にせよ最後方になったとはいえ出遅れてのものではなく、自在性と長く追える脚が武器のこの馬にはやはりこの条件は良い条件だといえます。

状態面で不透明なところはありますが、それは他の有力馬にもあることですので、距離実績がみえているこの馬を軸に据えたいとおもいます。

◯ 6枠12番 リスグラシュー

2200mが適距離か、といえば首を縦には振れないな……、とはおもいます。

それでも、終いの脚だけは本当に堅実で、今回は序盤が激しくなり、勝負どころでも内が渋滞するようなことがあれば、この馬が自分の競馬に徹し、外から豪快に、というシーンがありえるわけで、◎に対してしっかり脚を出しきれればハマってくることもあるでしょう。

▲ 7枠13番 ノームコア

まず紫苑ステークスの内容は秀逸のひとことで、あの競馬ができれば、ここでも十分にアタマでこれる、そこまでの実力はつけてきているとおもい、単穴にはこの馬を推します。

しかし、ルメール騎手を配したとはいえ、ポジションをどこにとるのか、その判断と実際に欲しい位置が取れるのかはいささか懐疑的にならざるを得ず、それこそモズカッチャンらがいるであろう逃げ馬の後ろの集団の後ろのインとかに潜り込めれば良いものの、半端に外外を回らされることもあり、評価としてはここまでかな、といったところとなります。

△ 4枠8番 カンタービレ

秋華賞と同じパフォーマンスが出せれば、ここでも上位に絡むレベルにはあるでしょう。

あとは確かに上手いですが、クリスチャン騎手がこのトリッキーなコースをこなせるか、いくらワールドクラスのジョッキーといえどそれだけ京都コースは難しさを孕んだ舞台なだけに、鞍上の慣れを加味して△の一番手までとしました。

△ 3枠5番 レッドジェノヴァ

夏の北海道での活躍できら星のごとく現れた新星。京都大賞典ではサトノダイヤモンドには破れるもシュヴァルグランをはじめ古馬の男馬の骨っぽいところを完封してきました。

牝馬らしくないスタミナに特化したタイプといえる馬なので、何かのキレ味に屈することはあり得ますが、良い枠に入ったことですし、前めから積極的にレースをつくっていけば、おもしろい存在になるでしょう。

☆ 6枠11番 スマートレイアー

理想をいえばもう少し内が欲しいですし、さすがに8歳の秋なわけですから、力的には不十分といえます。

ただ一瞬の脚だけならまだ健在で、この脚の使いどころ次第では高配当の使者となり得る可能性はあるでしょう。

そして、その少ないであろう可能性を引き出せるならの鞍上を確保できたここは、この馬を狙うラストチャンスとみています。

以上、今日は更新が当日になってしまいましたが、エリザベス女王杯の展望をお届けしてまいりました。

確たる存在がいない非常に難解な一戦となりますが、暮れの決戦に向けた弾みをつけていきたいところです。