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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

<重賞展望_天皇賞・秋(2018)>今日のポイントは中盤!道中の位置取りが勝負を分ける!!

さ、明日は(というか日付変って今日は)いよいよ平成最後となる秋の天皇賞

良馬場の絶好のコンディションのもと、群雄割拠という言葉がまさにぴったりなメンバーでの一戦はどんな決着をみることになるのか。

今日は前回ポイントにあげた項目を中心に、それに対する私なりの見解というかたちで、この一大決戦を展望してまいります。

予想ポイント① 馬場

最初のポイントにあげていたのは馬場でした。

昨年の今頃とはうって変わり、今年の秋の東京開催は好天に恵まれており、今週にしても金曜日の夜にひと雨あったものの今日も良馬場開催。

しかも今週はBコース替わりの初週ということで、かなり高水準の高速馬場になっているといえます。

なので直線が長いため、差しはそこそこ届くものの、基本的にはロスのない競馬が求められる馬場といえるのではないでしょうか。

予想ポイント② 枠順

ふたつ目にあげていたのが枠順で、これはかなり読みづらい並びになった印象です。

というのも、終いの決め手を考えたとき、できるだけ前めのポジションを取りたい馬が外に集まっており、これに対して中団あたりにつけ、道中動きやすいポジションが欲しいであろうスワーヴリチャード、アルアインらは自身の枠自体は比較的、内で悪くないものの、外との絡みからするとスタートでごちゃつく可能性は秘めていて、不利を被る危険を孕んだ並びになっています。

そのため、前回も触れた通り、逃げ馬不在で基本はスローになるとおもわれますが、テンのポジション争いはそれなりに激しくなることが見込まれ、これに巻き込まれる心配のない後方からいく馬に有利に働く並び順という見方ができます。

予想ポイント③ 展開

このレース、繰り返しになりますが、奇襲をかけないかぎり逃げる馬がいません。

けれども、スワーヴリチャードを筆頭に「長く、速く」走ることを身の上とする馬が早めから仕掛け、最後は脚の長さがモノを言う持続力の勝負になるというのが、メンバー構成だけからみる展開の予想となります。

しかし、枠順が先ほどの通りなわけですから、いくらテンが速くなったにせよ、隊列が決まったあとのペースは確実に落ち着くことが予想されます。

しかもそこでスワーヴリチャードやアルアインが馬群に閉じ込められてしまっていた場合、レースを動かしていく馬がいなくなるということで、ラスト3~4ハロンだけの勝負となり、長い脚を使って勝負するレイデオロマカヒキに代わって瞬発力に長けるサングレーザー、ヴィブロスといったあたりが浮上してくるかたちに展開が様変わりすることも考えられなくもありません。

つまり、道中におけるスワーヴリチャード、アルアインの位置取りと、他馬との位置関係が、展開における不確定要素となり、この2頭のポジショニングがレースの決着に大きく影響する最大のファクターといえるでしょう。

では、展開におけるレースの読みポイントを踏まえ、ここからは私の印をご紹介します。

◎ 4枠5番 スワーヴリチャード

展開的な不安要素はたしかにあります。

しかし、前走の安田記念をみてもわかる通り、追走力はかなり高く、また枠なりにポジションを取れる自在性、さらにそこから抜け出す瞬発力もそれなりにあり、実は2000mにおける死角らしい死角はスタートぐらいとなります。

今回にしても先ほどから述べている展開的な不安はあり、仮に後方から脚を伸ばすことになっても、それこそ東京の長い直線でこの馬の最大の武器である中距離における長く速い脚が活きれば、馬券内を外すことは最も考えづらい存在となってくるでしょう。

◯ 4枠4番 レイデオロ

スワーヴリチャードとの比較でいうと、スタートがスワーヴリチャード以上に安定しない、というか下手。追走力もお世辞にもあるとはいえないという点でスワーヴリチャードよりも低い評価としました。

それでも終いの決め手だけならスワーヴリチャードを凌ぐものがあり、その脚をより長く使う持久力が引き出される展開になれば、すなわち仕掛けが早くなることでスピードが分散される展開であれば、ほぼ確実に浮上してくる1頭であることに間違いはなく、これより下の評価にはしづらいところです。

▲ 6枠9番 サングレーザー

本命、対抗がどちらかといえば4~5ハロン勝負に強い馬であるのに対し、その2頭にない明確な特長を持つのが、このサングレーザー。

スピードの絶対値では出走馬のなかで随一であり、その爆発的なスピードが活きれば、上位2頭を凌駕することができる可能性があるといえます。

△ 5枠6番 マカヒキ

△ 3枠3番 ヴィブロス

奇しくも共に友道厩舎の2頭ですが、この2頭を同時に扱うのは厩舎が同じだからではありません。

先ほどから何度もいっている展開のなかで、スワーヴリチャードやアルアインが早くから動きだし、脚の長さを問われるならマカヒキ

逆に道中誰も動かず、直線だけの競馬になればヴィブロスということで、予想されるふたつの展開パターン、その双方それぞれにおける有力馬として2頭を一緒にご紹介しました。

☆ 7枠10番 キセキ

枠が枠なので、前走毎日王冠のように先行するにはやや苦しいところですが、それなりの位置で中団の外めくらいで運べれば、こちらも5ハロンくらいをかなり速く走る性能は十分に持っており、仕掛けの意識も強い川田騎手騎乗となれば、序盤はともかく中盤以降かなり積極的にいくのでは?とおもわれます。

幸い道中での自由はかなり効くであろう並びですので、一瞬の脚タイプのキレを削ぎつつ、ラストでスワーヴリチャード、レイデオロマカヒキらの追撃を凌いでしまうことを踏まえ、穴としてこの馬を推したいとおもいます。

今日は何度も何度も道中の展開について言及してきましたが、そこでこれまた何度も名前がでたアルアイン

この馬の評価を最後にいっておくと、直線の長い東京ではどうしたってどこかで要所となるポイントが生まれるわけで、そのポイントでの決め手がどうしたって欠けるため、同型に近いダンビュライト、ミッキーロケットと共に今回は見送りとしました。

以上、実力的にはスワーヴリチャードとレイデオロの一騎討ち的な感は否めず、展開にちょっとした波乱の芽はあるも、基本は堅くおさまり配当的な妙味はあまり期待できないでしょう。

それよりも結果はどうあれ、今年最高のメンバーが集まった平成最後の天皇賞・秋をしっかりと現地で堪能できればとおもっています。