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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【特別企画_天皇賞・春(2018)】なんで?どうして?こうなった?

ちょっとした小休止モードだった先週の中央競馬ですが、今週からはガラリ一変!安田記念が行われる6月の1週目まで怒涛の6週連続GⅠが行われます。

今日はその連続GⅠの幕開けを告げる伝統の古馬頂上決戦、天皇賞・春をテーマに特別企画をお届けします。

今年は大レコードでの決着となった昨年に比べると格段に落ちるメンバー構成ではありますが、ある意味これが現代型の天皇賞ともいえ、2018年現在の春の天皇賞とはどんなレースなのか、まずはそこからはじめていきたいと思います。

天皇賞がこうなった原因

「こうなった」とはつまり、メンバーが揃わなくなったということですが、どうして「こうなった」のか、はじめにその理由をあげていきましょう。

・盛んな海外進出による長距離路線の空洞化

天皇賞にメンバーが揃わなくなったのには、まずこのことがあげられるかと思います。

一昨年の凱旋門賞よりスタートした海外馬券の発売からもわかる通り、日本馬が出走する発売対象レースはどれも2000~2400mのレースばかり。

つまり、一昔前であれば距離を伸ばして春の天皇賞を目指していたトップホースたちが、日本競馬全体のレベルの底上げとともに、矛先を海外に向ける傾向が強まっていることが一つ目の理由となります。

・開催時期がもたらす馬へ負担増

もう一つの理由は、天皇賞・春が行われる開催時期。

春の京都開催2週目というのは、1年のなかで最も芝の生育がよく、天気がよければまず間違いなく超がつく高速馬場での開催となることから、長い距離を走るスタミナはもとより、高いスピード適性も同時に求められる舞台となります。

つまり長い距離を速く、しかも58kgで走らなければならないため、馬への負担は普通に3200m走るよりも当然大きく、その後の出走計画にも影響をおよぼす可能性が高いレースとなっていることから、先のある実力馬になればなるほど敬遠したがるレースとなってしまっています。

◆「こうなった」ことによる好走傾向

次に天皇賞・春が「こうなった」ことによる好走傾向に触れてみたいと触れてまいります。

これには先ほど「こうなった」理由にもあった開催時期による馬場の特色が色濃く出ており、高速馬場で前が止まらないことから、ロスなく立ち回ることができる内枠が絶対的に有利で、3コーナーまでの距離が短いスタート地点の設定もこの傾向に拍車を掛けています。

2年連続で高配当を演出したカレンミロティックしかり、例え近走の成績がイマイチでも、枠順だけで簡単に人気を覆してしまうほど、この傾向は顕著に現れており、昨年大外枠から3着にきたサトノダイヤモンドレベルの馬でない限りこの枠順の有利不利を覆すことは難しいと言えるでしょう。

また、このレースは58kg(牝馬は56kg)を背負うことから、なかなか背負うことのないこの斤量に慣れている馬というのも多く馬券に絡んでおり、それは人気のない馬であっても例外ではありません。

以上、今回は天皇賞・春がどうしてこんな長距離GⅡみたいなメンバーでのレースとなってしまったのか、またこうなったからこその好走傾向を紹介しました。

次回木曜日にお届けするポイントチェックでは、今日紹介した好走傾向にあてはまる馬を探しだすべく、出走全馬、私なりの寸評を披露したいと思います。

それでは、また明後日の夜にお会いしましょう。