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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【特別企画_中央ダート重賞篇】常識ゆえの落とし穴

はじめに、このコンテンツは東海ステークスの展望に差し込むつもりでしたが、一記事の一段落にしてはボリュームが膨れすぎてしまったので、さらに、こちらへ越してきたばかりで記事の本数を担保したいということもありますので、はてなブログ版最初の特別企画としてお届けしたいと思います。

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では早速、始めて参りましょう。

お題は、タイトルにもある通り、JRAで施行されるダート重賞。

おそらくこのチャンネルは、かなり的中しづらい部類に入ってくるでしょうし、苦手意識を持つ方もいらっしゃるのではないでか。

そんなことから、なぜ的中しづらいのか、それをレースの特性から紐解き、その理由を私なり解き明かしていこうと思います。

◆路線体系の罠

最初に触れるのは、ダート路線について。

この路線の特徴は何か?

それは皆さんもご存じ、交流重賞の存在です。

そして、この交流重賞、とりわけ中央よりも数多く組まれている交流GⅠ、GⅡの存在が、中央重賞を的中しづらくさせている理由の一つとなります。

ここでは、その理由をもう少し細かく、三つに分けて紹介したいと思います。

・格とレースレベルの逆転現象

交流重賞はその名が示す通り、地方馬、こう言っては失礼ですが、中央馬よりもレベルの低い馬も多く出走しているため、レースは実質中央から出走する5~6頭のレースとなり、全体的なレースレベルは自ずと下がりがち。

これに対して、JRAで行われる重賞は当然全馬が中央所属のOP馬。

出走している馬の数だけ、レースはより激しさを増し、不利を受けたり、思ったレースプランを立てられないなんてこともままあります。

でも、逆にこの激しさがレースの質を底上げしているとも言え、レース全体のレベルは、格付けの高い交流重賞よりも高いものになっている。

それに案外気づけていないのが、一つ目の理由です。

・力が落ちてくるベテランが集まりやすい

中央馬の交流重賞への出走は、一定期間の獲得賞金によって決定されるため、例えトータルの賞金額が高くても、期間内に得た獲得賞金が少なければ、それまで出走できていたものにも出走できなくなるシステムとなっています。

ですが、先ほども述べた通り、レースの格はあっても、中央の重賞よりレースレベルは落ちることが多いため、出走が叶った時に勝ちきれば、高額の賞金を加算でき、さらにその加算された賞金が、次の交流重賞へ向けたアドバンテージとなっていきます。

そうなると、一度交流重賞を勝ち、その後もある程度好走し続ければ、紛れが起こりやすく、不測の事態も起こりうる中央の重賞を使う理由はなくなる訳で、この好循環を生み出せた馬は、仮に自身の力が衰えていったとしても、さすがにそう易々と地方馬に負けることはなく、弱くなっているのに、格は備わっていく眉唾物の実績馬となってしまいます。

にも関わらず、我々が中央のレースを予想するときは、格にばかり目が行ってしまう…。

これが交流重賞の存在が引き起こす'的中しづらさ'の二つ目の理由。

・ダートOPクラスはボトルネック

ここからは反対に、中央に目を向けてみましょう。

皆さんもご存じの通り、日本の、とりわけ中央競馬の番組は芝のレースを中心に組まれており、整備されたとは言え、ダート路線はまだまだ充実しているとは言い難い状況です。

そのため、ダート馬は芝馬よりも寿命が長いということも相まって、準OPを勝ち上がり晴れてOP入りを果たしたとしても、重賞はおろかOP特別でさえ除外の憂き目に合うこともあり、出走できても十中八九が多頭数。まさに強い馬たちがひしめき合うボトルネックとなっています。

なので、例え期待される新興勢力が現れたとしても、OP入りした途端、一気に鳴りを潜めてしまう馬も多くいるというわけです。

しかし、この激しいつばぜり合いは、同時に出走馬全体のレベルアップには多分に寄与していて、格はないながらもここで揉まれた経験が中央重賞の舞台で活きてくることとなり、'思わぬ穴馬'としてあたかも突然変異的に台頭してきます。

つまり、ここまでをまとめると、やや力の落ちたメンバーが固定されがちで、弱い馬が多く混じる交流重賞を使っている馬と、交流重賞には出られないながらも中央のOPで激しいレースを使っている馬との間には、出走しているレースレベルに対する『慣れ』が双方ともに生じ、両者が交わる中央の重賞レースでは、『格』で劣ってもレース経験、つまり中央場所での『慣れ』で勝る格下のOP馬が台頭しやすい条件になっている。

まずは中央ダート重賞がこういうレースだと言うことを、頭に入れておきましょう。

◆知らないことが多い

繰り返しになりますが、日本の競馬、特に中央競馬は芝が中心の番組編成。

そのためか、メディアから流れてくる情報も、自ずと芝のレースに関するものが多く、GⅠへの優先出走権が付与される東海ステークスみやこステークスであっても、同日に行われるAJCCアルゼンチン共和国杯といった必ずしもGⅠに繋がるとは限らない芝の重賞より、紙面等での扱いは小さくなりがちです。

東海ステークスみやこステークスは私が関東在住であること。さらにみやこステークスに関しては、GⅡのアルゼンチン共和国杯に対し、GⅢであることもありますが。

要は芝のレースに比べ、表面上与えられる情報量はかなり少なく、この少ない情報だけを頼りにしようとするところに、'的中しづらさ'が介在することとなります。

先ほど「思わぬ穴馬」、「突然変異的に」という言葉を使いはしたものの、本当のところは、その馬を'知らなかった'というだけの話で、だからこそレースが終わった後、「これ買えたわー」となってしまうのです。

すなわち、中央ダート重賞が的中しづらい理由の二つ目は、レース、もといその出走馬をよく知らないということになり、解消法としては、新聞紙面だけでない出走馬1頭1頭の特長をきちんと把握しておくこと。

この1点に尽きるのではないでしょうか。

◆ダートは前めが有利

この言葉はもはや鉄則。

常識的に言われているだけでなく、実際のレース結果からも'前め'が有利であることに依存はないでしょう。

しかし、そんな常識だからゆえ、そこには落とし穴があるわけで、'前め'が有利なればこそ予想をする我々だけでなく、騎乗している騎手たちの意識も当然'前め'。

そして、みんなが前へ前へと行くことで起こるのが馬群の密集で、この密度が濃くなればなるほど、不利を受けるリスクが高まり、思った通りのレースができない率が高まってきます。

またこのリスクは人気馬になるほど、他馬からのマークがきつくなり高まるリスクであることから、伏兵の台頭、つまり'的中しづらさ'に繋がってくることとなります。

では、本当に長くなってしまいましたので、最後に、中央で行われるダート重賞が、的中しづらいのがどうしてか。

その理由をまとめておしまいにしたいと思います。

交流重賞の存在により、格と実力がリンクしづらい

②出走馬のことをきちんと知らないことが多い

③ダート故の馬群の密集で、不測の事態が起こりやすい

以上が、中央ダート重賞が的中しづらい理由を紐解いた、はてなブログ版最初の特別企画となります。

どれも、よく考えてみれば当たり前のように思えますが、当たり前だからこそ、疎かにしがちで、そこに落とし穴がある。

何だか回りくどい表現が多かったりで、長々になってしまいましたが、ダート重賞開催の折には、予想の前の心構えとして、この記事を見返したり、紹介させていただいた内容を思い出してもらえればと思います。

それでは、次回の特別企画が何になるのか?いつになるか?はわかりませんが、適宜話題があれば、また不定期で書いていきますので、その際はどうぞよろしくお願い申し上げます。