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中央競馬で行われる日曜日の重賞レースの展望を中心に、競馬にまつわるお話をお届けします。

【重賞展望_オークス(2018)】話題の中心はアーモンドアイ、けど展開の中心は

今日は水曜日につづき明日のオークスをお題に、レースの展望をお届けしてまいります。

心配された雨も「本当に降ったのかしら?」と思うほど馬場への影響はなく、変わらずの高速状態を保つなか、すんなり実力馬同士の決着となるのか、まずは枠順の考察から。

◆やはり良い馬は…

これはキタサンブラックの話をする際、よく使っていた表現なのですが、本当に良い馬というのはまず悪い枠に入ることがありません。

それは今回のアーモンドアイもしかりで、最大のライバルとなるラッキーライラックをはじめ、その他の有力馬もみなこぞって内枠に固まっており、アーモンドアイのケアどころではないような並びとなっています。

そのため、現時点で2倍を切るオッズになっているのは至極当然といえ、自身に心身何かしらの事態が起こらない限り、アーモンドアイの凡走というのはちょっと考えづらいとみて仕方ないかとおもいます。

◆またしても早めに捌かなければならないラッキーライラック

話は一気に最後の直線へと移りますが、先ほどもいった通り、アーモンドアイ以外の有力馬はほとんどが内に固まっています。

ゆえに、このなかに入ってしまったラッキーライラックにとっては、アーモンドアイをどう凌ぐかの前に、メンバー構成的に全馬一塊のスローペースが濃厚ななか、まずは自身の周りにいるライバルたちを早めに退ける必要があります。

そして、レース全体の趨勢は、ラッキーライラックが周りにいる馬をいつ捌くかにより大きく左右され、早めに坂をむかえる前に捌くようなら全体的に上がりの掛かる持続力勝負に、反対に坂上過ぎまで追い出しを待つようなら一瞬のキレ味を求められるような展開になり、このどちらの展開に転ぶかで、馬券の対象となる馬の顔ぶれが変わってくると予想しています。

では、どちらの展開に振れるのかも含めた私の印はこちらとなります。

◎ 7枠13番 アーモンドアイ

理由はすでにポイントチェックでも述べた通り、この馬の末脚というのは、加速力と持続力の双方を非常に高いレベルで兼ね備えており、ペース不問で差しこむことのできる異次元のスペックを持っています。

それでいて今回は枠順の並びや、ラッキーライラックが早めに動かざるを得ない展開になることが予想されるわけですから、本当に死角らしい死角は自身に何かしらの問題が発生する以外になく、まずアタマでくるとみて問題ないといえるでしょう。

○ 1枠2番 ラッキーライラック

正直この馬にしても、枠順に恵まれていないとはいえ、持っている性能ではアーモンドアイを除く他の15頭との比較でゆうに抜きにでた存在で、直線包まれるリスクを避け早めに追い出すにせよ、そうそうアーモンドアイ以外の馬につかまるシーンというのは少し想像しづらいところがあります。

それでも、レースセンスを含めたこの馬の高いポテンシャルを持ったとしても、アーモンドアイを逆転するのは枠順が決まった時点でかなり難しいと判断できるため、言うなれば"グリグリの対抗"といったところでしょうか。

☆ 3枠6番 オールフォーラヴ

そもそもこのレースに穴なんてものが存在しえるのか、そんなところもありますが、一応人気のないところからあげるならこの馬でしょう。

おそらく、瞬発力の質はそこまで高くはないとおもわれますが、前走忘れな草賞でみせた持続力にはかなり非凡なものがあり、上がりの掛かる展開を自らつくり出すようなことができれば、仮に一旦おかれたとしても、粘り強く長い脚を使って馬券圏内の一角には入るのではと考えられなくもありません。

以上、紹介はここまでですが、他印を打った馬はこの3頭。

▲ 4枠8番 サトノワルキューレ
△ 2枠3番 マウレア
△ 1枠1番 リリーノーブル

やはり囲まれて何もできないことだけは避けたいであろうことから、ラッキーライラックは早めに動くとみて、そこからの持続力勝負に長けた馬を上位に評価しました。

そんなわけで、明日は久しぶりの二冠牝馬の誕生を期待し、レースのときを待つことにします。

そして、来週はもちろん、年に一度の競馬の祭典、ダービーをテーマにこれまでお届けしてきた連載企画を含めた週3回の更新で我々競馬バカのワクワクが止まらない一週間を微力ながら盛りあげられたらとすでに意気込んでいる次第。

でも、その前に明日のオークス、きっちり的中させて良いかたちで、胸膨らますダービーウィークをむかえられたらとおもいます。

【重賞ポイントチェック_オークス(2018)】制圧か逆転か、はたまた…、有力3頭能力比較

先週のヴィクトリアマイル、対抗レッドアヴァンセが好位から抜けだし3着、リスグラシューは当然の抑えで2着、穴におすすめしたジュールポレールが見事1着!

で、本命アドマイヤリードは8着…と、2週連続して府中マイルで同じハズしかたをした私…。

運がないのか、センスがないのかはわかりませんが、とにかく浮上のきっかけをつかめるよう、投げやりになることなく、今週もきちんとポイントチェックをしてまいります。

ということで今日は、牝馬クラシック第2段、オークスをテーマに、有力視される3強の能力比較をおこないたいとおもいます。

異次元の豪脚でアーモンドアイが二冠目を手にするのか、これに対しラッキーライラックの逆転や、サトノワルキューレの一気の戴冠の芽はあるのか、これをはかるための予習コンテンツとなりますので、まずはそれぞれの特長をつかんでおきましょう。

◆似て非なる2頭と、まったく違うラッキーライラック

今回取りあげる3頭は、大きく分ければアーモンドアイとサトノワルキューレが後半要素、つまり終いの脚で勝負するのに対し、ラッキーライラックは暴君とも呼ばれた父オルフェーヴルの仔とは思えない優等生的な競馬をするタイプに分類することができます。

言いかえれば、アーモンドアイとサトノワルキューレは、前走がそうだったように、有無をいわせない圧倒的な末脚の威力を持ち味とする馬で、ラッキーライラックは、すべての要素で一定以上の能力を持つレースセンスに秀でた馬だということです。

さらにアーモンドアイとサトノワルキューレがまったく同じかといえばそうではなく、エンジンが掛かりきったときの脚がは互角でも、それまでの加速力ではアーモンドアイが一枚上手で、サトノワルキューレが徐々に吹かしていってトップスピードに乗るのに対し、アーモンドアイはサトノワルキューレと同等の持続力を持ちながら、瞬時の加速性能も持ちあわせた超後半特化型の馬となります。

◆課題はあるも杞憂に終われば断然

次に3頭の能力比較へとまいりましょう。

既にアーモンドアイとサトノワルキューレの比較については、前段で触れましたので、ここではアーモンドアイとラッキーライラックの比較を中心とします。

見出しにもある通り、多頭数かつスローペースがほぼ確定的なこのレースにおいては、スタートがお世辞にも良いとはいえず、後方からの競馬となりやすいアーモンドアイの方が、単純な不安要素は多いといえます。

ですが、仮にラッキーライラックと一騎討ちとなれば、卓越した後半要素の差でアーモンドアイに軍配があがるものとおもわれます。

それでも先にあげた2つの不安要素に加え、短い間隔での出走が初めてとなることや、揉まれる競馬を経験していないことなど、実はマイナスになりうるポイントをあげればアーモンドアイの死角は案外多いのも事実であり、様々な引出しを持っているという点で、この一日の長を活かすことができればラッキーライラックの逆転の芽はまだあるといえます。

また、余談的になってしまいますが、ラッキーライラックとサトノワルキューレの比較においても触れておくと、これは仮に一騎討ちでもサトノワルキューレのエンジンの掛かりの遅さは致命傷になりうるため、今週末の予報がそうであるように、馬場が荒れて極端なスタミナ勝負に持ち込まれないことには、ラッキーライラックの総合力にかなわないとみています。

以上、今日はオークスで有力視されるアーモンドアイ、ラッキーライラック、サトノワルキューレ3頭の能力比較をおこなってまいりましたが、死角はそれなりにあるも、身体的な馬の性能ではアーモンドアイが断然の存在であることは疑いようがなく、逆転候補にしても能力的にその資格を持つのはラッキーライラック1頭のみ。

サトノワルキューレは、この2頭に次ぐ三番手勢力の有力な1頭といったところで、荒れる要素が強い枠順や、予報以上の天候の悪化がない限りアタマはないというのが今日の結論となります。

それでは、運もセンスもない私ですが、穴だけはきているということで、次回の展望も少しは参考にしていただけるとうれしいです。

【重賞展望_ヴィクトリアマイル(2018)】四の五の言わない堅実な脚を重視

今日は水曜日の予想ポイントチェックにつづき、ヴィクトリアマイルの展望をお送りします。

当初の予報より雨が長引く一週間ではありましたが、既に金曜日の午後時点で良馬場だったように、Bコース初週らしい好タイム連発の馬場状態のなか、場合によっては1分31秒台の超高速決着もあり得るとみて、レースの展開を占ってまいりましょう。

◆絶好の枠順、しかし…

今年のメンバーは牝馬のマイルの頂点を決めるにふさわしい良いメンバーが揃いました。

さらに牝馬らしく、末脚の決め手を身上とする馬が多く集まっており、これらとは一線を画すアエロリットとカワキタエンカにはメンバー構成的に優位な立場にあるといえ、枠順にしてもそれぞれがノビノビと走れそうな並びに入ったことから、無視はできない存在となっています。

しかし、双方ともかなりクセの強い馬であるにもかかわらず、鞍上はテン乗りの騎手となるため、馬の個性、すなわち気分よく自分のリズムで走らせてあげることができるかどうかはやってみないとわからず、この2頭がこれまで通りのペースを刻むことができれば予想も立てやすいものの、ヘタにスローに抑えたり、制御ができなくなってしまう可能性というのも五分五分以上にあると考えられ、この2頭の走りがどうなるか、それにより馬券の対象となる馬の顔触れが大きく変わる可能性があることを念頭に入れておく必要があります。

◆どうなっても堅実な決め手を持つ馬を

次にに先ほど触れた2頭の走りにより、どんな馬が浮上してくるのかをまとめてまいります。

まず普段通りの競馬ができた場合は、どちらもスローに引きつきて逃げる馬ではないため、平均よりやや速いぐらいのペースとなり、2頭に追従する馬は脚を削がれるかたちになり、遠くの後方から末脚の持続力で脚を伸ばすリスグラシューデンコウアンジュ、ラビットランのようなタイプが台頭するものとおもわれ、これは2頭が折り合いを欠き、異常なハイペースとなった場合にも当てはめることができます。

対照に2頭が折り合いに専念するあまり、スローになった場合は、2頭の近くで競馬をして、密集する馬群のなかからでも瞬時に抜けだすことのできる瞬発力に長けたミスパンテールやレッツゴードンキのようなタイプが重視される展開となります。

まとめると、アエロリットとカワキタエンカの出方により、レースそのものが大きく変わってしまうというわけで、しかもその出方がどうなるかというのは、ゲートが開いてみないことにはわからず、先行する2頭はもとより、想定される展開のところで名前をあげた馬にしても、どちらかの展開に振れない限りは強くは推せません。

なので今回は、どんな展開なっても、速い脚をすぐに使え、堅実に終いを伸ばすことのできる馬を本命にすることとしました。

◎ 6枠11番 アドマイヤリード

理由は既にのべている通り、ペースが速ければ速いなりにきちんと伸びてくる脚を持っており、またスローであっても高い加速力ですぐに前を追いかけることができる点を評価しました。

それに超高速化した今の馬場により、各馬が内をタイトに回ることで起こりうる渋滞に巻き込まれることや、大外を回らないと追い出せないような外枠でもないことから、ほどよく馬場の真ん中あたりのポジションを取れそうなことが本命に推す決め手となりました。

○ 3枠6番 レッドアヴァンセ

終いの決め手の差と、やや内に入ったことでゴール前の渋滞に巻き込まれる可能性があるということから対抗評価としましたが、道中のポジショニングでは◎に勝る部分があり、終いの瞬発力、持続力も及第点にあるため二番手はこの馬を選びました。

☆ 2枠4番 ジュールポレール

先ほど触れた展開パターンのうち、どちらかといえばスローバランスになったほうが良いのですが、ある程度速い流れになってもレーストータルでスピードを維持することができ、ペースが遅いのであれば終いに速い脚を使うこともできるタイプであるため、この馬は抑えておくべき馬といえるでしょう。

前走は最後の最後で不利があり、久々の分、見た目的にも「もう少しやれても」と思えるような競馬であったため、ぱっとしない印象を持つかもしれませんが、馬の性能そのものはここでも通用しておかしくない素地はあるため、穴としては要注意の存在となります。

以下、紹介は省きますが、印をつけたのはこの4頭。

▲ 1枠2番 ミスパンテール
△ 5枠10番 アエロリット
△ 8枠16番 リスグラシュー
△ 1枠1番 レッツゴードンキ

ワキタエンカは無視できないとは言いましたが、アエロリットとの比較でマイルの経験が乏しく、道中被されることもありうるとみて印はまわりませんでした。

さらに、末脚の持続力勝負となった場合はこわいデンコウアンジュにしても大外から行かざるを得ないと考えると、印をつけた馬よりは低い評価となりました。

また念のため触れておきますが、ソウルスターリングに関しては、去年の秋の使いづめが祟ったのか、古馬になり気難しくなったのかはわかりませんが、マイルすら長い感じに見えてしまっていて、適性が既にここにないという評価をしています。

以上、今日は展開の決めができない感じとなってしまいましたが、さすが荒れるGⅠだけあって予想もかなり難解でありました。

それでも、私個人としては、アドマイヤリードの末脚の堅実さに1票を投じたいということで、明日はこの馬から流していこうとおもいます。

では、本日はここまで。

来週は牝馬クラシックの第2戦、オークスをテーマに予想ポイントチェックと、展望をお届けします。

更新はいつもの通り、水曜日と土曜日の夜を予定しています。

【重賞ポイントチェック】コース替わりと時計の中身

はじめに先週のNHKマイルの結果から。

対抗ギベオンが好位から抜けだし2着!穴におすすめしたレッドヴェイロンは外をノビノビ走って3着!

本命、パクスアメリカーナは…、直線追い負けて6着…。

くぅー、もったいないですねぇー。

ということで、最近センスのなさが露呈しはじめた私ですが、今日は東京5週連続GⅠの第2段、ヴィクトリアマイルの予想ポイントチェックをお届けしてまいります。

まずは今週から切り替わるBコース開催の馬場について、想定される馬場状態をアタマに入れるところからはじめていきましょう。

◆"止まらなさ"に拍車が…

今年の春の東京開催、雨の日もちらほらとあるものの、競馬開催日はいたって好天がつづいており、多少外差しが効きはじめたとはいえ、先行馬の残り目は十分にあり、開幕時の状態をほぼキープできている状態にありました。

なので今回のコース替わりに関しては、明日以降天気も回復し、日曜日もレースの時間まで天気がもてば、より高速化に拍車がかかり、前めの馬の"止まらなさ"はより顕著になることは想定しておくべきでしょう。

また、差し馬にしても外を大味に回してくる馬よりも、ロスなくそこそこのポジションを取りながら一瞬のキレに秀でた馬を重視するのが賢明かとおもわれます。

◆時計の中身に注目

次に、高速化がより顕著になるということで気にしておきたいもの、持ち時計について触れてまいります。

ただし、ここでは単純な持ち時計が何分何秒ということではなく、どんなレースをして時計をだしているのか、予想される馬場状態にマッチしたタイプの馬を探すということも含め、出走予定馬を時計の出し方別に分類していこうとおもいます。

①ノビノビマイペースタイプ

該当馬:アエロリット、カワキタエンカ、エテルナミノル

名前をあげた馬がそうであるように、逃げ馬に多いタイプとなります。

またポイントとしては、「ノビノビ」と書いたところで、テンから自分でペースを刻んでいくため、これが崩れると弱さを見せやすく、ハマるときとハマらないときの見極めが難しい馬となります。

そのため、枠順が出ていない今の状況では一概に優劣をつけられませんが、前残りの傾向が強い馬場にあるなら有力視できるタイプなだけに、名前をあげた3頭、特にアエロリットとカワキタエンカは現段階ではノーマークにできない存在です。

②ワンペースで粘りこむタイプ

該当馬:ジュールポレール、リエノテソーロ

リエノテソーロは一概にこのカテゴリーとはいえないかもしれませんが、ジュールポレールは比較的典型的なこの手の馬で、好位のポジションを取り、流れに乗りながらスピードを最後までキープするタイプとなります。

ポジションを取れるという点では馬場に合致してくるところですが、緩急や追い比べにはどうしても弱く、キレを問われる舞台設定においてはどうしても守勢にまわるためあまり強くは推せないタイプとなります。

③先行しつつも一押しが効くタイプ

該当馬:レーヌミノル

先行できるという点ではさきほどの馬と変わりませんが、このタイプは追走力がありつつもそこから一押しは効くタイプで、自分で勝負を仕掛けにいけることが強みとなります。

ただし、使える脚は一瞬であるため、その使いどころがポイントで、該当するレーヌミノルもそこがカギとなります。

④立回りで勝負する器用タイプ

該当馬:クイーンズミラーグロ

道中の位置取りやコーナーワークで勝負するタイプなだけに、そもそもワンターンのスピード競馬には本質的に向くタイプとはいえません。

なので該当するクイーンズミラーグロは見送りで大丈夫と考えていいでしょう。

⑤瞬時に加速してキレ味で勝負するタイプ

該当馬:アドマイヤリード、ソウルスターリング、ミスパンテール、レッツゴードンキレッドアヴァンセ

加速力に秀で、ギアチェンジもスムーズにできるため、この舞台には最もマッチしたタイプの馬といえます。

しかし、終いの決め手が強いとはいえ、ポジションが後ろになってしまうとあまり長い脚は使えないため、一旦順位を上げてもそこから持続力で差し返されるケースも念頭に入れておくべきでしょう。

それでも適性的には信頼をおけるカテゴリーとなるため、それなりに位置を取れるミスパンテール、レッドアヴァンセあたりは印が必要な馬とみています。

⑥溜めて弾けるタイプ

該当馬:デアレガーロ、デンコウアンジュ、メイズオブオナー、ラビットラン、リスグラシュー、ワントゥワン

わかりやすくいえば直線だけで勝負するクチで、末脚の持続力に秀でたタイプとなり、比較的人気になりそうな面々が揃っています。

ですが、終いの要素が強い分、スタートがあまり上手でなかったり、エンジンの掛かりが遅かったりする馬が多く、展開の助けがかなり必要とされ、仮に持ち時計がよくても他力本願的に出されたものであることは抑えておかなければなりません。

よほどの破壊力がない限りは展開次第となるため、枠順が出たあと、ここに属する馬は取捨を選択します。

以上、今日のポイントチェックは、予想される馬場状態から、出走各馬の"時計の出し方"に注目し、どのタイプの馬に舞台適性があるのかをはかってまいりましたが、この視座からは①や④の馬が最も合致した適性を持っており、あとは展開により先行する②、③の馬や後方から脚を伸ばす⑤の馬がどう絡むか、といったところでしょう。

ということで、次回土曜日にお届けする展望では、枠順出ての展開を占いながら最終的な結論を導きだしてまいります。

それでは、また週末にお会いしましょう。

【重賞展望_NHKマイルカップ(2018)】いつどこで脚を使うか、器用さと瞬発力が明暗を分ける一戦

長いようで短かったGWも明日でおしまい。

今日はそんな連休の最終日を飾るNHKマイルカップの展望をお届けします。

一昨日の予想ポイントで触れた各馬の特徴の整理につづき、今回はレース展開の予想から私のおすすめの馬を紹介してまいります。

◆止まりそうで止まらない馬場、先行馬は積極的に

はじめに今日の馬場についてですが、Aコース3週目でありながら、依然として前があまり止まらない高速状態を維持しています。

そのため、ある程度積極的にポジションを主張しても、残り目はあるというわけで、ペースは流れるも先行馬の粘りこみが十分にありえるということを頭に入れつつ、枠の並びに恵まれたテトラドラクマ、フロンティア、ミスターメロディあたり、主導権を握れそうなには注意をしておきましょう。

◆スタート、追い出しの遅れは致命傷に

先行馬がある程度残ると想定した場合、当然後ろに構える差し馬には差しきるのに必要な条件が発生することとなります。

それが、前を射程に入れられる距離の位置を取ることと、直線の勝負どころ、つまり坂上あたりで瞬時に抜け出せる瞬発力が必要とされます。

なので、極端な追い込み馬であったり、先行勢がかたまりのまま直線をむかえると考えれば追い出す進路を確保しづらい内枠の馬はあまり大きな信頼はよせづらいといっていいでしょう。

さらに、道中、というより追い出す際のポジショニングが非常に重要となるため、出遅れのリスクを伴う馬、エンジンの掛かりが遅い馬というのも軸に据えるのは危険かとおもわれます。

では、展開的な考察も踏まえた印へとまいりましょう。

◎ 5枠10番 パクスアメリカーナ

既にポイントチェック時点でもホンメ候補としていましたが、大味なだけでなく、進路を作って瞬時に抜け出す器用さを兼ね備えていること。

また、全体時計も高い水準にあり、それを1600mトータルまとめあげられるということは何より今の馬場向きといえます。

枠も先行馬のかたまりのすぐ外側のロスのないところを取りやすいところですし、最後の最後決め手上位の馬にやられることはあっても、軸としてはこの馬が最も適した存在だとおもわれます。

○ 5枠9番 ギベオン

この馬と対抗を悩んだのはタワーオブロンドンですが、双方ともややエンジンの掛かりが遅いなかで、枠がタワーオブロンドンよりも出しやすいところということで、対抗はこちらにしました。

さらに、◎との比較においては、先に動かれそうなことと、それに即座に対応することが少し難しいのでは?というマイナス材料から、決め手はあってもこの評価としました。

☆ 8枠17番 レッドヴェイロン

枠が枠ですし、まだ行くか溜めるかしかできないのは評価に難しいところではありますが、持っているポテンシャルはこのなかに入っても決して引けば取らず、その脚の速さだけで最後に食い込む可能性もアリとみて、ポイントチェックでも触れたとおりこの馬を穴としてのおすすめに推したいとおもいます。

あとこの他については、能力は確実に最上位にあるも、多頭数で勝負どころで後手に回る可能性のある枠に入ってしまったタワーオブロンドン。

残り目のある先行馬からテトラドラクマとミスターメロディ。

スタートの不安を考えると、やや心もとない枠になってしまったものの、本命候補の1頭だったプリモシーン。

足すのであれば、長い脚が活きる展開となれば抑えておきたいケイアイノーテックを足して馬券を組み立てていこうといったところです。

なお、前哨戦を鮮やかに勝利したカツジについては、使える脚が本当に一瞬ということ、それでいて後ろからいくにはかなり不利な1枠1番ということで、今回は見送りとすることとしました。

以上、今日はここまで。

これから安田記念までつづくGⅠの連戦に向け、明日はすっきり当てて春の大一番へ予想の精度をあげていきたいものです。

それでは、来週は春の牝馬ナンバー1決定戦、ヴィクトリアマイルをテーマに、予想ポイントのチェックとレースの展望。

いつも通りの二本立てでお送りしますので、連休明けも引きつづきよろしくお願いいたします。

【重賞ポイントチェック_NHKマイル(2018)】日本一難しいGⅠ!?NHKマイル攻略の勘所

いやはや、かしわ記念は予想のすべてが完全に裏目

本命モーニンがオールブラッシュの機先を制するのではなく、逆に制される形になり、チグハグな競馬になる可能性が高いとみたゴールドドリームが完璧な立回りを見せるといった具合。

まあここまですべてが予想と反対になれば、的中するわけもなく、レース後先生からいただいたLINEの通り「これが競馬の難しさ」で、日々是勉強を改めて思い知る連休ど真ん中でありました。

ということで、今日はGWのフィナーレを飾る東京5週連続GⅠの第一段、NHKマイルカップの予想ポイントをチェックしてまいります。

タイトルの通り、私のなかでは日本で一番、少なくとも5本の指には絶対に入る難解な一戦となりますので、先ほどの日々是勉強を早速実践する形となります。

では、はじめに心構えから、どうぞ。

◆馬場が読みづらい

NHKマイルが行われるのは、春の東京開催3週目、Aコース開催最終週となります。

そのため、前2週と比べると極端な内め前め有利とはならず、外差しもまま見られる傾向に変わっていく過渡期的な週となっています。

つまり、ただでさえ出走馬の力関係がわからないのに、馬場も傾向が読みづらく、出走馬のことがわからないからといって、予想をするうえでの依代を馬場に求めることはナンセンス。

馬場に関しては良であれば、内外、前後すべてフラットととらえ、各馬の特徴と展開の考察に時間をさく方が得策といえるでしょう。

◆ステップレースにみる出走各馬の特徴

ここからは、各馬の特徴と展開の考察、この2つのポイントのうち、今日は出走各馬の特徴をしっかりみてまいりましょう。

このレースは牡馬、牝馬が入り交じるだけに様々なステップを経由してくるレースであるため、今回は皐月賞のポイントチェックで行ったステップレースごとの見解から特徴と力関係を探ってみようかとおもいます。

※以下、施行時期をさかのぼってまいります。
※条件戦組は最後にまとめます。

アーリントンカップ

今年から正式なトライアルレースとなり、施行時期を皐月賞前日に移したアーリントンカップ

ここからは優先出走権を得た3頭と、マイル路線の重賞を転戦するダノンスマッシュがエントリーしています。

まず勝ったタワーオブロンドンは、ダノンプレミアムとステルヴィオには力負けしたものの、この2頭以外との対戦においては、逆に力でねじ伏せており、このレースにおいてもまさに"ねじ伏せる"競馬で完勝してきたことから、単純な能力では最上位ととらえていいでしょう。

しかし、前走にしても馬群をさばいたあとは圧巻の一言でしたが、フルゲートで追い出しづらい枠に入ると、器用さはないだけにどん詰まりなんてことも考えられ、軸にはしづらいタイプとみており、能力の高さは認めるも、少頭数しか経験のないレッドヴェイロンも同じような評価でいます。

対して、内を器用にさばいたパクスアメリカーナは、その前の500万下を見る限り大味タイプかなぁとおもっていましたが、結構機敏なところもあり、馬群を抜けだす瞬時の加速も及第点であることから、軸としては最適な1頭だと考えています。

あとダノンスマッシュについてですが、この馬にはマイルは長いということ、また単純な能力比較においても劣勢であり、まあ消しが妥当でしょう。

桜花賞

トーセンブレスは先日オークスへの参戦を表明しましたので、ここからはフェアリーステークスの勝ち馬プリモシーンと、フィリーズレビュー2着のアンコールプリュについて。

プリモシーンは桜花賞だけでいえば出遅れがすべてで、休みあけの一叩きを終え、スタートさえきちんと決められれば、終いの質はここに入っても上位であることは明白です。

ただし勝ったとはいえ、フェアリーステークスは展開の助けがあったことを忘れてはならず、絶対的な能力だけで信頼するのは危険かとおもいます。

アンコールプリュは桜花賞を見るかぎり1400mの馬だなぁといった印象で、爆発力は秘めいていても東京マイルではその使いどころがあまりないのではと見受けられるため、ここは見送りを予定しています。

ニュージーランドトロフィー

長くNHKマイルのトライアルとして位置づけられる東の前哨戦。

ここからは最も多い7頭がエントリーしていますが、正直馬券に絡むならケイアイノーテックくらいでしょうか。

また、そのケイアイノーテックにしても、末脚の持続力だけという感じはあるため、最後に差しこんできたとしても、それが馬券圏内なのかは定かではなく、買うべき馬だとはしつつも抑え筆頭といったところです。

さらにケイアイノーテックに勝ったカツジにしても、ケイアイノーテックが早めから前を突いたことで、相対的に勝ちを拾ったとみており、こちらに関しては瞬発力だけ。

脚の使いどころが難しい東京マイルでは抑え以上の評価はしづらい存在です。

その他に関しては、既に勝負づけは済んでいるとみているため、今回に関しては見送りが濃厚な馬たちという評価でいます。

毎日杯

ブラストワンピースの強さが際立つレースとなった毎日杯からは、2着に差しこんだギベオンが出走してきます。

私のなかでは、この馬は先ほど話をしたタワーオブロンドンと同じようなタイプで、エンジンが掛かればいい脚を使うものの、いかんせん点火までが遅く、毎日杯も追い出しの位置としては最高のポジションにいたものの、ブラストワンピースにあっさりおいていかれてしまっており、いくら府中の長い直線といえど、このズブさは致命傷になりかねるため、能力は認めても軸にもっていくまでは並びと展開が完全にこの馬向きにならない限り考えられません。

スプリングステークス

2015年の年度代表馬モーリスを兄に持つルーカスが出走を予定しています。

ですが、近走の結果からもわかる通り、まともにレースをしている感じがなく、マイルに短縮しただけでどうこうなるとはちょっとおもえません。

ここは静観で今後の成長に期待といったところでしょうか。

フラワーカップ

昨年末時点ではラッキーライラックと世代の双璧をなしたロックディスタウンですが、フラワーカップではよもやのシンガリ負け。

この時期の牝馬ということを考えると、一度リズムを崩すとなかなか取り戻すのには時間がかかることが多く、阪神JFの負けはマイルの忙しさが要因の一つと考えられることもあり、基本的にはルーカス同様の見方でいます。

ファルコンステークス

勝ったミスターメロディは実は期待している1頭で、ファルコンステークス同様自分の形が取れればおもしろい存在でしょう。

逃げないといけないタイプではないですし、内で出していかざるを得ないより、多少外でも自分なりに入れれば好機は十分にあるとみています。

もう1頭のフロンティアについては、マイルが長い感じがあること、メンバーレベルが上がることで相対的にキツい立場になることから、よほど枠の並びに恵まれない限り(内枠なのに揉まれなさそうとか)は消し濃厚かとおもいます。

クイーンC

桜花賞を自重したテトラドラクマが満を持して参戦。

今回と同じ舞台、かつ好タイムで勝っているように、能力的にはここでも十分通用とみていいでしょう。

ですが、先行馬ゆえの宿命で展開に左右されやすく、最終的な取捨は枠順が出てからとなります。

・その他

今年条件戦から出走してくるのは、未勝利、500万下を連勝したアルジャーノン1頭ですが、勢いはあるとはいえ、レベル的には…で、特段気にする必要はないでしょう。

以上、ツラツラとステップごとに各馬の特徴を整理してまいりましたが、私的にはアーリントンカップ組、桜花賞組の評価が高く、なかでもタワーオブロンドン、パクスアメリカーナ、プリモシーンは本命候補最右翼とみています。

次いでケイアイノーテック、ミスターメロディ、テトラドラクマが買うことが濃厚な馬という位置づけとなり、穴はまだ素質だけで走っている感が強いものの、性能は高そうなレッドヴェイロンがおもしろそうかなあといったところで今日はここまで。

次回は予想するうえで重要なポイントの2つ目、レース展開の考察をお届けしようと思います。

それでは、また土曜日の夜にお会いしましょう!

【重賞展望_かしわ記念(2018)】今年はナイター!かしわ記念

芸のないタイトルで恐縮ですが、今日は久しぶりの地方交流GⅠ、かしわ記念をテーマにレースの展望をお届けします。

では早速、まいりましょう。

船橋のマイルってどんなとこ?

まさに私自身がそうなのですが、基本中央しかやらないため、船橋競馬場がどんなところかあまりわかっていません。

なので、まずはレースが行われる船橋競馬場1600mがどんな条件で、どんな馬に有利なのか、まずは私なりの見解を。

よく競馬番組なんかで言われているのは、「直線がそこそこ長くて(地方のなかでは)、コーナーはスパイラルカーブだから差しが比較的届く」なんて言われ方をしていますが、本当にそうなのでしょうか?

普段見ていないので何とも言えませんが、私が見ている限り差しで決まったレースというのはまずなく、昨年のこのレースにしても、勝ったコパノリッキーは序盤こそ後ろだったものの、4コーナー出口ではマクって先頭。

やはり平坦で、いくらスパイラルカーブといえど中央や大井に比べればはるかに直線が短いため、中央の猛者が集う交流戦では、ある程度前につけていないと勝ち負けは厳しいと言えるでしょう。

◆どう見ても合ってない上位勢と、どことなくハマりそうな伏兵馬

次にメンバーをみていきますと、フェブラリーステークスの1~3着馬が顔をそろえる形となっています。

なので、馬の実力だけでいえば、昨年の最優秀ダート馬、ゴールドドリームと、これに勝ったノンコノユメが抜けた存在であることに異存はないでしょう。

しかし、この2頭は広いコースをノビノビ走ってこそのタイプで、どちらも、特にノンコノユメは直線の長い大井とはいえ、交流GⅠの勝ち鞍があり、ゴールドドリームにしても3歳時に交流重賞で好走した実績はあるのですが、双方ともお世辞も器用とはいえず、今回の舞台で自在に立ち回れるかはかなり懐疑的であります。

対して、実績では見劣りするも、オールブラッシュは昨年の川崎記念の勝ち馬、モーニンは初挑戦となった一昨年こそ崩るも、以降は地方の競馬場にも適応して昨年のこのレースは3着。

インカンテーションベストウォーリアにしても、地方出走経験はきちんとあり、成績的にも申し分ありません。

そして何より、この4頭は上位2頭にはない前での競馬ができるタイプで、スタートしてすぐにコーナーへ入るコース設定的にもゴールドドリームノンコノユメに対し、有利にレースを進められると考えられます。

というわけで以下、私の印を紹介します。

◎ 4枠4番 モーニン

芝も含めた近走は後ろから行く競馬となっていますが、ここに入れば当然前に行けるスピードは持っていること。

さらに、前に行くならこれを追いかけてきそうなベスウォーリアとインカンテーションが離れた外におり、"なし"をつけてきそうなオールブラッシュも自身より内ということで、並び的にもかなり恵まれているため、この馬に最も必要な「マイペースの競馬」を貫けそうなことが最大の決め手となりました。

ただ、そうは言ってもゴールドドリームノンコノユメも指をくわえて見ているだけということはないはずですので、必ずしもアタマとはいきませんが、馬券圏内の軸としては最適かとおもいます。

○ 8枠11番 インカンテーション

もう少しでも内なら本命とおもっていましたが、実際に入ったのは8枠11番。

なので、前を狙うのであれば少ししんどい位置になることから、スタートはじわっと行けるところまで、向こう正面過ぎから早めのスパートを掛ける戦法を取るものと考えられます。

なので、◎のモーニンとの比較においては、道中で使う脚が多いととらえ、対抗評価に留めました。

▲ 8枠12番 ノンコノユメ

普段ならここは穴馬を紹介するところですが、ベスウォーリアにせよ、オールブラッシュにせよ、はたまたヒガシウィルウィンにせよ食いこめる可能性はかなり低いとみているため、今日は普通に三番手評価としてノンコノユメを紹介します。

これに関しては、ゴールドドリームと悩んだのですが、出遅れのリスクや立回りの拙さなど、ゴールドドリームの方が死角が多く、内田騎手に替わって以降、ノンコノユメの方が溜めるだけ溜める競馬に徹しているだけに、やることがシンプル。

故に余計な神経をとがらせる必要もないというわけで、こちらを上に取ることとしました。

そして、買うのであればゴールドドリームを最後に抑え、この4頭、もしくはゴールドドリームを外した3頭で馬券は組みたてようかとおもっています。

それでは、次の更新は明後日木曜日の夜、NHKマイルカップの予想ポイントチェックをお届けする予定です。

GWの真っ只中!毎日のように何かしらありますが、がんばって競馬を楽しんでいきましょう!